人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

伊坂幸太郎のオススメ小説作品ベスト10

はじめに 

伊坂幸太郎さんは人気の作家です。
私も好きな作品が多くて、伏線が見事です。
魅力的なキャラクターが多いのが特徴。
そんな伊坂作品を厳選して紹介します。

伊坂幸太郎作品10選

ゴールデンスランバー

大きな国家権力から逃走する主人公。
実写だと堺雅人さんが演じられていました。
無実を証明するという王道展開ではなくて、
ただひたすら逃げ続けるのが特徴の作品です。

王道展開にしなかったのは良かったと思います。
確かに、権力に真っ正面から反抗するという展開は、
伊坂作品に少し違和感がありますし、
逃走劇だからこそ、伊坂さんの魅力が全開になります。

私としては、最後には一矢報いてほしかったですが、
中々難しい。ある意味で、騙したわけなんですけど、
悲しいエンディングなのは変わりません。
文庫版だと少しは救われて良かったとは思いました。

 

死神の精度

短編集なのですが、話に繋がりがあります。
最終話は、これまでの伏線が消化されて、
まさか、あの人物が調査対象だったのかと思います。
主人公の死神は、人の「死」か「見送り」かを
判断し、その過程がメインのストーリーになります。

中々に難しいテーマですけど、
音楽好きという属性のある死神。
調査する人々は多くが愛を抱えて生きていました。
短編ながら心に残る話が多い名作。

私が好きなのは、中盤の純愛の話と最終話の
老婆の話。ある繋がりがあり、人の死、愛について
考えさせてくれます。
非常に重いテーマですが、キャラが活き活きと
していて、読んでいて爽快感があります。

 

陽気なギャングが地球を回す

タイトル通りに、陽気な4人の強盗の話。
ターゲットは銀行で、特殊な能力を持つ
4人が逆に事件に巻込まれて、右往左往しながらも
自分達で切り開いていくストーリーになっています。

キャラ作りが見事で、4人とも非常に濃い。
強盗団が主役なんですけど、洋画のようにノリのよい
人物だらけで面白かったです。
強盗団と聞くと怖いですけど、かなりの部分がコミカル。

私としては、続編も好きなんですけど、
本作が一番好きです。初期の伊坂さんの作風であり、
キャラが立っていて、読んでいて楽しくなります。
実写映画もありますけど、テーマがちょっと異なって、
別キャラになっていますが、それはそれです。

 

週末のフール

小惑星の衝突が確実になり、
8年後には地球は滅亡する。
そんなSFのような世界観から始める物語です。
暴力や略奪という恐怖が沈静化した世界。
嵐の前の静けさの中で、人々は何を思うのか。

滅亡が確実になっている地球でも、
人々は懸命に生きています。
その中で、復讐、家族、自分など
色んな人の人生模様が描かれています。

最終的な結末は分かりませんが、
ラストの光景は非常に印象深かったです。
滅亡するからこそ、美しさを大切にする。
残酷な描写もありますが、
それでも人は懸命に生きていく。

 

ラッシュライフ

4人のキャラクターを中心に話が進んでいきます。
序盤とラストにもう一人の話が出てきますけど、
それまでの4人の話をイメージしておくと
色々と思うことがありました。

伊坂作品の人気キャラの黒澤が初めて登場した作品で、
重力ピエロやポテチなどで活躍します。
空き巣なんですけど、カウンセラーの才能もある。
探偵役が一番似合うのですけど、それも副業扱い。

伊坂さんの作品で、一番最初に読むといい作品。
伏線が見事で、4人のキャラが上手いこと
立ち回っていて、話が崩壊していませんから。
特に、序盤の黒澤の話を、読んだ後に思い返すと
すっごく印象に残ったりします。

 

フィッシュストーリー

私の好きな伊坂短編集です。
タイトルのフィッシュストーリーとポテチが秀逸。
人の信念・正義が世界を救うフィッシュストーリーと
家族の複雑な愛情がテーマのポテチが素晴らしい。
ポテチは子供って親が思う以上に、親のことを
想っているということを伝えてきます。

ポテチはタイトル通りに、
ポットチップスが大きな意味を持っています。
例え、食べたい味と違う味でも、
案外良いもの……。
最後まで読むと、結構くるものがあるんですよ。

この作品は、これまでの伊坂作品のキャラが
数多く登場します。黒澤は2作品に出てきますし、
サブキャラも同じ。
ラッシュライフとオーデュボンの祈りを読んでいると
結構分かると想います。

 

アヒルと鴨のコインロッカー

実写化された、不思議な物語。
叙述トリックで、ラストのすべて分かるんですけど、
そこまでが長いので、途中で飽きる人も
多くなるかもしれません。

若者の残酷な描写もあるので、中々に怖い作品。
現在と過去の話で、二つの物語が最後に重なる。
読んだ後は切なくなること必死で、
たくさんの感情が芽生えてきます。

ブータンから来たドルジというキャラが素晴らしい。
本当に頑張ったという他に言うことがない。
大切な人の魂と想いを守るために戦う。
ラストの展開は本当に感動もの。
こういう話に私は本当に弱い……。

 

重力ピエロ

家族とは何か、親とは?兄弟とは?
を投げかける作品です。
主人公の弟の春の生き方が非常に印象深い。
父親のため、母親のため、兄のために
自分のすべてをかけて戦う。

初期の伊坂作品でも人気の高い小説で、
家族をテーマにしているだけに、
話は非常にシリアスでとても重い話になっています。
血とは何か、遺伝とは?を読んだ後に考えました。

主人公と弟・春の出した答え。
終盤の二人の父親の台詞は本当に心に残ります。
この作品で一番強いのは、二人の父親でした。
血は繋がっていなくても、子供は親に似る……。

 

あるキング

野球を題材にした作品で、明らかに仙台の
某球団を参考にしています。
出版された当時は、まだ弱くて、
日本一になるのは、4年後でしたからね。

私は完全版を読みましたけど、
全部読むのは結構しんどかったです。
伊坂好きには、3つ目の作品だけで十分だと思います。
1つ目と2つ目は文学的すぎてキツかった。

内容的にはとても面白くて、
野球が上手さよりも、人間性が重要な
日本の野球界を上手に表しています。
やっぱり、スポーツは人間性も重要なんだなあと。

 

モダンタイムス

あるキーワードを検索することで、
巨大な権力によって、罰が与えられる
といったストーリーの作品です。
ゴールデンスランバーに似た雰囲気を持っています。

主人公の奥さんが強烈で、
美人なんですけど、本気で怖い。
浮気する主人公もどうかと思いますけど、
特に前半の奥さんが最強すぎてビックリしました。

伊坂さんの『魔王』のある意味でも続編になっていて、
魔王を読んでいるとすごく楽しめます。
魔王の時点でこの作品のラストが
予見されていますから。
私の一番好きな作品です。

 

おわりに

伊坂さんの作品はクセが強いものが多いです。
ただ、実写化された作品が多いので、
それを見てから原作を読んでみるといいと思います。
過去作品のキャラが再登場したりするので、
数多く伊坂作品を読んでいると、大いに楽しめます。

【読書】仕事に役立つオススメビジネス本ー厳選10冊

はじめに

仕事をしていると、何か参考にしたくなります。
そんな時に、やる気が起きてストレス発散できたり、
ビジネスのイメージがしっかり残るというような、
ビジネス書を厳選して、紹介していきます。

ビジネス書10選

7つの習慣

古典的なビジネス書で、どこでも必ず売っています。
数多くの自己啓発書の参考文献とも言える本で、
結構、分厚いですけど、参考になる部分があります。
ビジネス書の基本とも言える本と言えます。

全世界で3000万部以上も売れた本であり、
今でも売れ続けているので、その人気ぶりが窺えます。
習慣化をテーマにしていて、成功とは何かということを
根拠を交えて、シンプルに解説してくれています。

しかし、海外の書物の訳書なので、少し読み難い。
多少の知識がないと、かたい文章なので
その文章で圧倒されてしまいます。この1冊だけ
読むよりも、解説書と一緒に読むといいかも。

 

自助論

原著は19世紀に出版された、自己啓発の原点。
日本だと、『西国立志編』と訳された書物です。
ヨーロッパなどの著名な人物が実践してきたことを
まとめてくれていて、いまだに売れている本です。

自分を助けることができるのは自分という言葉。
努力や観察眼の重要性について書かれていて、
学びとは、仕事とは何かを説いています。

アスリートや企業の社長なども読んでいるそうですが、
一般の人でも十分学びになる部分はあると思います。
文庫サイズも出版されているので、中々に読みやすい。
繰り返し読むことで新しい発見があると思います。

 

思考は現実化する

自己啓発書・ビジネス書として、非常に有名な本です。
タイトルだけ見ると怪しい本に思えますけど、
20世紀から売れ続けている本であり、
しっかりと理論と実践に基づいて書かれています。

ある意味で、自己啓発書のマニュアルであって、
読みやすさを重視した本ではないです。
1930年代に出版されたビジネス書であり、
訳書なので、そう簡単には読めないようなっています。

内容は少し難解なので、専門書に近い内容です。
実践するのも大変で、余裕がないと継続は厳しい。
続けるだけのやる気と精神力があれば、
この本を一読しただけで成功できるとは思います。

 

非常識な成功法則

ビジネス業界で有名な神田昌典さんの著書。
買った当時は神田さんのことはあまり知りません
でしたが、結構な本を出されているので
気にはなりました。

日記や手帳に夢や目標を書くというやり方は
上手いなと思いましたし、
割とビジネスマンが実践しやすい内容になっています。
内容も難しくなく、ビジネス書の最初の一冊に。

成功哲学などはあまり書かれていなくて、
実践的な、現実的に使える手法が書かれているので、
今日からでも実行できる内容がほとんど。
タイトルは少し怪しいですけど、内容は基本的。

 

嫌われる勇気

青年と哲人の対話篇という形で話が進んでいきます。
アドラー心理学の入門書とも言えて、
私達は「ああ、あるある」と思える内容だらけ。
アドラー心理学の専門家が書かれているのですが、
専門書というよりも、ビジネス書よりも書物です。

タイトルとアドラー心理学の内容から、
日本だとベストセラーになって、話題になりました。
ドラマにもなったぐらいで、
日本人の社会にメスを入れるインパクトがあります。

自分と他人に対して正しい理解の仕方がテーマですが、
対話形式なので、小説のように読むことができます。
ビジネス書の中でも、割と簡単に心理学の一つを
学ぶことができるのはこの本のメリット。
アドラー心理学に興味を持った人も多いはず。

 

ザ・ゴール

昔、友達に紹介されて読んだ本です。
小説形式になっており、ビジネス書の中でも
読みやすい本になっています。
主人公が問題を改善していく工場は
車業界のイメージで読んでいました。

経営者視点の本なので、管理職向けの本です。
問題に対して、色んな人の意見や情報を参考にして、
解決していく姿は、企業の社長そのものですから。

マンガ版もありますけど、活字好きだとこちらです。
マンガでもストーリーを追うことは十分可能なので、
時間がないとか、活字読むのがしんどいという方は、
コミック版が良いと思います。
ザックリ分かるだけでも発見はあると思うので。

 

プロフェッショナル・マネジャー

ユニクロの柳井会長がユニクロを成長させるときに
多いに活用した本だそうです。『バイブル』とのこと。
絶版になっていたのが、柳井氏の希望で復刊しました。

ハロルド・ジェニーン氏の経営についての本で、
厳しいビジネスの現場を体験、突破してきた歴史と
ノウハウがつまっています。

内容は専門的なので、解説書を読んでもいいですよ。
日本の一流経営者が参考にした本は感じる所が
多いですから。

 

FREE<無料>からお金を生み出す新戦略

一時期ネットで話題になっていた本です。
ネットビジネス黎明期の頃に、
無料で収益をあげる方法が取り沙汰されました。
ネットでビジネスを構築したいという方向け。

実際には、すべて無料ではなくて、
入り口だけ無料にして、
興味を持ったら、商品を買ってもらうという流れ。
化粧品などの体験商法に似ている部分があると思います。

この手法を大きくしたのがGoogleでしょうね。
無料とは思えないサービスがたくさんありますから。
ネットでのビジネスを考えたり、
問題点を追求したいなと思った時に読むといいですよ。

 

ロジカル・シンキング

ロジカルに考えることは、
学生の就職活動でも要求されること。
ただ、それを具体的に書いている本が少ないのですが、
この本を見ると、理論的に把握することができます。

マッキンゼー的論理的思考の手法が
紹介されていますけど、専門書なので
しっかりと読み込まないと理解は難しいです。

ただ、プレゼンなどに役立つことがあるので、
手元に置いておくといいと思います。
ロジカルにシンプルに説明したいという場合に
力を発揮しますから。

 

生き方

日本を代表する経営者の稲盛氏の生き方。
企業経営する上での心構えなどが書かれています。
考え方と能力の関係が成功に繋がると説いています。
日々感謝の心も大事という基本的なことも。

京セラを創業した稲盛氏。
生き方について、人として正しい道が大切だと
書いています。
松下氏と被る所がありますけど、
経営者とは?について一つの回答をしています。

文庫サイズで読みやすいですし、
内容も分かりやすい。
働いている社員についても詳しく書かれており、
経営者の視点はどういうものかを知ることができます。

 

おわりに

今回紹介しました本達。
内容的に難しいものもありますけど、
仕事に何かの時に役立つと思います。
特に自助論はメンタル的に強くなるので、
オススメです。

【読書・感想】『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 山口真由』ー本を読みたいなら流し読み

タイトルで買ってしまったビジネス書・勉強書です。
結構、売れているようで、文庫版も出版されています。
ビジネスマンだけではなくて、学生にも人気かもしれませんね。
東大・主席・弁護士と並んでいたら、買っちゃいます……。

今までも、東大出身の方で勉強本を出版されている方はいますけど、
分かりやすく、実践しやすい勉強本だとこれがかなり優秀。
7回読むだけでいいですし、最初は流し読みで十分なんで。

一番活かせるのは、やっぱり小説かなあと思います。
特に、本が貯まって、積読になっている人にオススメ。
7回読みまでしなくても、2回読みぐらいで十分。


重要なのは、『最初は流し読みでいい』ということ。
私もそうですけど、1度目で全部を理解しようとするので、
それが原因で本が積まれていく。

回避するためにはどんどん読まないといけないのですけど、
時間とかやる気とか関係あって中々に難しい。
そんな時に役立つ本だと思います。


実践する時には、本の内容を全部理解するんじゃなくて、
分かりそうな言葉とかだけ追っていくと、
ストレスなく読み進められます。
国語の教科書のように、
理解しながら黙読する必要はないわけなんで。

この方法を試してから、本
に対するストレスはかなり少なくなりました。

前までは、「1回でかなり理解しないと」
と無意識に思っていたんで。
そこに『流し読み』を組み込んだら、
結構な数の本を読めるようになりました。


本を買うけど、読めなくて貯まっている人向けの
勉強本であり、読書本でもあります。

勉強本はかなり読んだからいいよ〜という場合でも、
読んでみる価値はあります。

 

【読書・感想】『幽遊菓庵〜春寿堂の怪奇帳〜』をあらすじ・内容を読んで感じた3つのポイント

はじめに

和菓子がテーマで、
登場するあやかしも個性的でした。
文章も論理的な部分もあって、
ミステリとしても面白い。

シリーズは5巻+外伝1巻と
人気作になっています。
私は1巻を読んでから、
面白くて、一気に全巻一気に読みました。

あらすじ

木彫の看板に『春寿堂』と
書かれたその店は、
飄々とした狐の妖怪・玉藻が
店主を務める、
あやかしたちの御用達だ。

 

そんな場所を普通の店と勘違いして訪れた
青年・名月は、度々起こる怪奇事件に
文句を言いながらも、
玉藻のもとで和菓子作りを
手伝っていくことになる。

 

和菓子とあやかしが、
店を訪れるものたちを
優しく繋いでいく。
暖かな“縁”のストーリー。

 

感じた3つのポイント

主人公・名月がモテる

名月がかなりモテています。
シリーズは5巻まで出ていますけど、
新しい話ごとにヒロインが
追加されていきます。

俗に言う、ハーレムもので、
主人公はそんなに筋肉ムキムキ系では
ないですけど、
ヒロインの命や人生を救うことで、
モテ度がアップしていきます。

人間やあやかしが同じように
名月を取り合うのですけど、
みんな名月が好きなので、
それが最終話のハッピーエンドに
繋がっていきます。

 

和菓子とあやかしがテーマ

和菓子とあやかしがテーマです。
珍しい組み合わせですし、
表紙のキャラもカワイイので
ワクワクしながら読みました。

著者の真鍋さんの実家が
和菓子店なので専門知識がずらり
読みながら和菓子が食べたくなりました。
知らない和菓子も出てきます。

有名な和菓子も出てきますけど、
作るのも手間が掛かります。
普段食べているお菓子でも
作るのは難しいなと感じました。

劇中では、和菓子で事件を解決します。
和菓子で戦うのではなくて、
和菓子作りの勝負をしたり、
お供え物がポイントになったりして、
非常に面白い展開になっています。

名月は最初、和菓子作りには消極的ですが、
毎日の生活を送る中で
和菓子に対して本気になっていきます。

師匠の玉藻も名月を育てようと、
厳しい言葉を投げかけたり、
放置プレイしたりするんですけど、
内心、二人が繋がっていてすごくよかった。
良い師弟関係だと思います。

 

全話ハッピーエンド

すべての話がハッピーエンドでした。
バッドエンドも和菓子の力で
ハッピーエンドに変えていきます。
物語のラストにストレスがないので、
楽しく読むことができます。

小説はやっぱりハッピーエンドでないと。
ハッピーエンドだからこそ、
空想の世界の意味があるわけで。
バッドエンドな小説もたくさんありますが、
私としては、ハッピーエンドが好き。

狐のあやかしや春の化身、
守護霊が自身の姉の人間など
非常にキャラクターが個性的です。
読みやすくて、面白い作品でした。

 

おわりに

和菓子とあやかしがテーマでしたけど、
あやかしが可愛かったり、
面白かったりと、キャラが個性的でした。
内容もミステリとして十分で、
読み応えがあります。

【読書・感想】『君は月夜に光り輝く 佐野徹夜』ー発光病に侵された女性 高校生の恋物語

はじめに

本屋さんでも大きく広告されていた小説。
大切な人を失った男子高校生と、
発光病と呼ばれる致死率の高い病気に侵された
女子高生の恋の物語。

全体的に優しい雰囲気なんですけど、
登場人物がどこか壊れていて、
普通でない行動をしたりしまう。

余命幾ばくもない女性の想いが痛々しい反面、
若い頃の純愛って理想的な素晴らしいなと思いました。

恋愛・青春小説で感動

高校時代の恋愛って純粋

高校時代の恋愛って純粋で良いと思いました。
大人になると、年収とか考えてしまいますけど、
高校生なら純粋に恋愛を楽しむことができますから。
もちろん、大人にも純愛ってあると思いますけど、
金銭的・精神的に余裕がないとしんどい。

子供の頃は、親がお金の面倒を見てくれたりします
大人になっても十分なお金があれば、
年収とか将来とか置いておくことができる。
ある意味で、純愛って贅沢なのかも。
ある程度の保証・安全があるからこそ。

 

恋愛小説がブーム

ただ、この小説のように、
不治の病と純愛というテーマの本ってたくさんあります。
15年ぐらい前には、いま会い』が流行ったように、
恋愛小説がブームになっていました。
その頃にも、病と純愛の本が売れていました。

この本の特徴はやっぱり、変わった登場人物でしょうね。
死を達観している主人公、
発光病で、どこか諦めているヒロイン、
人生をゲームのように考えている主人公の親友。

何にしても、高校生の恋愛ってピュアの一言。
小説と一部の現実だけの理想論で、
もっとドロドロしていてもおかしくないです。
小説なりマンガを読んで、理想論的な恋愛を妄想して、
現実の恋愛に悩む。この繰り返しのような気がしますね。

 

人間、人との出会いで変わる

主人公とヒロインの出会い

ヒロインのまみずが主人公と出会って変わったように、
人って出会いで変わると思います。
作中で、なげやりな生き方をしていたまみずが、
一生懸命に生きることに対して向き合うようになったのは、
主人公との出会いがきっかけ。

仕事や恋愛、趣味で色んな人で出会うことがありますが、
その出会いの中で楽しみ、
時に苦しい時を味わいながら人生を生きていく。
この作品はラブストーリーなんですけど、
出会いの中で変わっていく3人の子供と
1人の大人の生き方を綴っています。

 

中々小説のような出会いはできない

私も共感できる部分もあり、
かなり楽しみましたけど、
こんな出会いが出来る人って少ないと思います。

現状維持だったり、妥協だったりで、
そのまま人生を過ごしてしまう。
それでも良い人生は味わえるんですけどね。

 味気ない人生だけど、意外にたくさんの面白いこともある。
何気ない出会いが死ぬ前になると、
素晴らしいことだったと思えるような
そんな生き方って少し憧れます。
たった一人の出会いで変わることもあるということ。

 

健気な女の子と見捨てない男の子

行動し続ける勇気

ヒロインのまみずは、
発光病という不治の病を患っています。
医者はおろか、本人ですら諦めていて、
投げやりになっている中、
主人公の卓也はまみずの願いを必死で聞き入れようと、
行動し続けます。

卓也は浮世離れしていて、
生きることに対する考えが人とズレています。
いつの時代でも、世間から浮いた男の子が健気な女の子を救おうとする。
王道ですが、だからこそ、複雑な世の中では映えるだと思います。

 

人と密に過ごすのは難しい

ただ、人によっては卓也の考え方には疑問を持ったり、
まみずに対して「投げやりになるなよ!」と思うのは仕方のないこと。
小説とはいえ、当事者にならならいと分からないわけなんで。
大人になると、一人の人間と過ごす時間は多くは取れないですし。

 高校生や大学生でないと、
ここまで密に他人と過ごすのって難しいなと思う反面、
大人になってもそこまで想い合うことが出来たら最高だと感じました。
登場人物が子供であるからこそ、私達は共感して、感動するんでしょうね。

最後に

この作品は、活字媒体として読みやすくて、
主人公とヒロインの内面描写も見事でした。

10代の時のすれ違いも表現されていますし、
嫉妬の感情を上手く制御できない主人公や、
美しい初恋を大切にする主人公の親友も良かったと思います。
何より、ヒロインがとっても優しくて、
エピローグの話も泣けました。

さすが評判になっているだけのことはあります。

 

 

【読書・感想】『ノルウェイの森 村上春樹』ー学生の時には難しかった話

学生時代に読んだ村上さんの小説。学生時代には、文学的すぎて理解できませんでした。有名な作品ということで、読んでは見たのですけど、中々に難しい。恋愛が一つのテーマなんですけど、その中で主人公の葛藤や悩みには共感しにくかった。精神的な年齢が高かったり、恋愛経験が豊富だと分かるようになるのかもしれません。今読んでも難しいとは思いますけど、いつか多少は理解できるようになりたいとは思います。文学的に価値のある作品って、人によって相性が良かったり悪かったりするんで、これだけは本との出会いを信じるしかないです。

 

 

【読書・感想】『陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎』ー4人の銀行強盗の話

コメディ色の強い伊坂さんの作品です。4人の特殊能力を持った銀行強盗の話で、伊坂リズムがてんこ盛り。読みやすくて、面白い小説です。特殊能力と言っても、戦闘能力ではなくて、嘘を見抜けたり、時間が時計も見ずに正確に分かったりと、他に活かせそうな能力。伊坂さんの10年以上前の作品ですけど、シリーズ化もされています。現時点では、3巻まで出ていますけど、一番最初のこの作品が私は一番面白いと思います。10年以上経っても面白く読めますし、会話のテンポも良い感じです。ちょっと非現実ですけど、コメディ色ですけど、きっちりミステリもしています。

 

終盤への展開も良くて、色んな伏線が一気に回収されます。銀行強盗達が危機に陥りますけど、機転と準備で何とか乗り切ります。実際には、日本では起こりませんけど、小説だからこその面白さがあります。映画化もされていて、映画は原作と少し違いますけど、楽しく見ることはできます。監視カメラなどに使われている画像処理技術の発展で、銀行強盗は難しいという話が最新刊で出てきますけど、これ以上のシリーズは中々望めないかも。伊坂さんの作風が少し変わったのですが、この作品と最新作を比べても良いと思います。

 

透明ミルクティーは「ミルクティーを飲むと怒られる層向けに作られた」?という疑問についての件

サントリーが販売する“透明なミルクティー”「サントリー天然水 PREMIUM MORNING TEA ミルク」に、Twitterで「お茶やコーヒー以外を飲んでいると怒られる企業に務める人でも飲めるように開発された」といううわさがあがっています。果たしてそんな日本の悲しい性から生まれた商品なのか、サントリーに聞いてみました。

 

nlab.itmedia.co.jp

 

ミルクティーを飲むと怒られる?

 

ミルクティーを飲むと怒られるらしい。聞いた時には思いもよらなかったですが、世間では、水かお茶を飲まないといけないのでしょうか?コーヒーがよくて、紅茶がダメというのは、香りの関係?どちらにしても同じように思うのですけど。

 

接客業なら仕方ない

 

接客業なら仕方かもしれません。接客では、お客さんが店員などの香りに敏感ですし、クレームになる可能性だってある。それに、日本人は、店員が仕事中に水やお茶以外の飲料水を飲んでいるといい気分がしないとは何となくですが分かる。

 

サボっている印象を与えてしまいますからね〜。何でか分からないですけど、子供の頃の教育がまだ残っているのかも。お客さんには極力気持ち良く買い物をしてもらいたいですし、クレームは受けたくない。だから、水かお茶以外はNG。

 

別にミルクティーぐらいいいじゃないか

 

ただ、ミルクティーぐらいは許してもいいかなとは思います。コーヒーが許されているのにです。透明な紅茶でないと許されないのはおかしい。とは言っても、透明だと水と勘違いされるのでOKというのはいかにも日本人らしい。

 

水なら怒られないですし、悪い顔はされない。結局、まわりと違う飲料を飲むな!それなら、水と間違われる飲料を開発するというのは、良い意味で日本人ってものを分かっているなあと思います。

 

日本人は空気を読まないと

 

この問題の本質は、「会社で人と違うものを飲むな!」ということなんでしょうね。特に上司とか管理職の立場になると、人を管理しないといけないので、空気を読まない人は扱い難いので、怒って注意してしまう。

 

確かに、空気を読まずに独断専行する人は扱いにくいですけど、紅茶を飲んでも問題はありませんよ。要は、「何か分からないけど、まわりと違う行動をする人」を許せないだけかなと。悲しいですけどね。

 

 

【読書・感想】『週末陰陽師 ~とある保険営業の来世サポート~ 遠藤 遼』

あらすじ

 

楽しく生命保険がわかっちゃう!?
平日は冴えない保険営業、週末は天才陰陽師のオカルト×お仕事ストーリー、第二弾!
小笠原真備はお人よしな性格のせいで中々成績が上がらない生命保険の営業マン。だがその正体は武蔵野を中心に人知れず悪霊調伏をする、稀代の天才陰陽師だ。
真備は上司・前橋のマネージャー査定が危ういと聞き、気合を入れて営業に励む。早速、真備は以前、生霊化から救った桜子の紹介で、保険を見直したいという平山家を訪れる。保険契約について はスムーズに話が進んだが、ある霊能者の話題になった途端、桜子の体調が悪くなる。実は平山夫人は邪教霊に取り憑かれかけていて――!?

 

感想

 

陰陽師と営業

 

前作でも保険営業と陰陽師がテーマでしたけど、今作でも引き続き同じテーマになっています。

営業関連の話は詳しくないので、流し読みになってしまいましたが、陰陽師である主人公・真備が悪霊と対峙するシーンは想像して楽しかった。

営業をして、街の様子を窺いながら、陰陽師として仕事をする。結構相性の良い、職業なのかもしれません。

 

ヒロインの桜子

 

前作で、真備と姉弟子・ゆかりに助けられた桜子。霊力も高く、真備達のサポートにもなれる存在として描かれていました。

ゆかりによって、保険営業の教育も受けていて、将来は真備と保険営業をするのかな?物語の展開的には、保険のお客さんを桜子から紹介される形で進行していくて、重要なキャラクターになっています。

 

神を信じない女医の話に感動

 

後半の話で、神を信じない女医さんが出ています。医者で論理的・科学的に説明できない、幽霊や神を信じていないとのことでしたけど、実は背景があります。

医学生時代の出来事がきっかけなんですけど、王道で楽しむ読むことができました。前半の邪教霊の話が陰陽師的にはメインの話なんですけど、ストーリー的にはこちらが本編。

人間、善にも悪にもなるけれど、それは環境次第なんだと思いました。

 

保険の話は難しい

 

一つ思ったのが、「保険の話って難しい!」ってことです。保険の話が出てきますけど、中々内容が掴み難かったです。

私個人としては、保険には疎くて、噛み砕かれて書かれていますけど、陰陽師関連の話好きの私には難しかったです。自分が契約する時にはなれば勉強するんですけどね。

 

最後に

 

シリーズ化してほしい作品です。真備、ゆかり、桜子の関係性が面白くてストーリーも良かった。

真備の式神「梨華」の「あいあい」って言葉が印象に残っています。真備の過去も気になりますし、今後に期待しています。

【読書・感想】『ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎』−国家権力からの逃走劇

 

▼濡れ衣で首相殺害の犯人された主人公の逃亡劇。日本国民からターゲットにされて、逃げ切るドキドキ感がありました。序盤の展開から怒涛の終盤の結末が印象に残っています。国家権力は強大で逃げるしか、一般市民には手はないということだと思います。

▼途中で西部警察の大門みたいなキャラが出てきますけど、今の日本が本気になるとこんな人が実在出てくるのかな。リアリティーとノンリアリティーが混在しています。逃亡劇としてよりも、追跡劇としても見てもいいかもしれない。

▼実在の事件をモチーフにしていますけど、主人公の立場で想像したら、最悪の状況です。味方は一部のみで、99%は自分の敵ですから。臨場感もあって、特に序盤から中盤の展開はとっても面白いですが、ヒーローではないので、勧善懲悪ではなかったです。

 

▼主人公の青柳はヒーローではないです。必死に逃亡する姿は可哀想であり、完全に濡れ衣なだけに何とも言えない感情が表に出てきます。強くもなく、絶対的な味方はごく少数。ヒーロー物なら逆転の展開もあるのですけど、ある意味でリアルな展開で終わります。

▼ヒーロー劇が好きなので、終盤の展開に期待したのですが、最終的には逃げることになります。恐ろしい話ですが、国家権力を敵に回したら仕方がない。日本のヒーロー物、勧善懲悪物は大きな組織をバックグラウンドにもった場合の多いので、逆パターンの青柳では厳しい。

▼戦隊物に代表されるヒーロー物は、どう見ても国家権力が背景にないと出来ない装備や組織構成になっています。アメリカの作品のように、たった一人で立ち向かうのは難しい。軍隊出身とか特殊な経歴を青柳は持っていないわけなんで。

 

▼青柳が逃亡するのがメインのストーリーで、途中に色んな人に出会います。直接助けられることもありますが、状況が最悪なだけに、対処療法的なことにしかなりません。

シリアルキラーも出てきて、伊坂さんらしい人物が多数登場します。

▼一番面白かったのは、やっぱり序盤。逃亡中の出来事にハラハラしながら読んでいました。主人公には一矢報いてほしかったですが。