人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

働き方改革を考えながら、有能な社員について参考になった3サイト

 最近、働き方改革がよく聞く言葉なんですけど、これって何なのでしょうね?テレビや新聞などを見ていると、定時には帰れるけど、時間管理しないと仕事が終わらないという声が聞こえてきます。業種によっては、残業ありき(もちろん残業代は出る)という仕事もあるでしょうけど、『働き方改革』って言葉だけ一人歩きしている気がします。

 そんな中、ネットを見ていると割と参考になるサイトなどが見つかりました。有能な社員とは何かについてある程度の見識が得られると思います。あくまで一つの見方なので、有能という定義はたくさんあると思います。私としては、最近の働き方改革と絡めて、働き方って何だろうなあ?という疑問を呈しながら紹介していきたい。

mraka2015.hatenablog.com

 碧乃あか男(id:mraka2015)さんの記事で、あか男さんが休職中に、製品の品質がガタ落ちして、営業も仕事が取れずに、パワハラなどが頻繁に起きている職場になってしまった。たった一人の社員が休職しただけで、会社の状況がかなりひどくなっているという話です。

 一番驚いたのは、あか男さん以外の人達が、製品について知識も技術もないという点。私もエンジニアなので分かりますけど、製品を作るのに知識や技術は必須。なのに、あか男さん以外の社員が勉強不足というのは意味が不明です。技術職でなくても、あか男さんがいないという状況を想定すれば、勉強の必要性が分かるものなのですが……。製品を作るには知識などは大切なはずなのですが、知らぬ間に、会社があか男さんに甘えていたということなのでしょう。

 少し本を買って勉強すればいいのにと思うのですが……。私も上司や先輩から色々怒られたり、教えてもらいながら勉強したので、知識や技術の大切さは実感しています。しかし、会社で唯一の技術者があか男さんだという状況では、会社の他の人は勉強する気も起きないでしょう。たった一人の技術者に任せておけばいいのだから……。

 かなりひどい気がしますけど、会社としてはあか男さんが有能さに気づいていなかったということなんでしょうね。邪推ですけど、製造なんて簡単、素人でも出来る出来るなんて考えていたかもしれません。技術者の一人として言わせてもらうと、製造は相当過酷で専門知識のオンパレード。だから、毎日が勉強。

 その中で、一生懸命勉強してきて、会社の中で抜きん出ているあか男さんはすごいと思います。有能な社員ということが、皮肉にも休職していた中で分かったこの記事。技術者って、営業の人から軽く見られることもありますけど、相当なスペシャリストです。だから、会社としても、技術者の大切さを分かってほしいな。

 

anond.hatelabo.jp

 バカは言う事聞くんだけど無能だし、賢い奴は有能だが出て行っちゃうし…。バカな有能ってどこかにいないか

 という文章なんですけど、割とシビアな意見。賢い奴は有能とあって、確かに仕事が出来るなら転職します。無能の定義がよく分かりませんけど、言う事聞く代わりに、仕事ができないということでしょうか。バカな有能ということは、言うこと聞く賢い奴ってことなのかもしれない。仕事が出来るとなると給料が良い企業に移るのは自然な流れだと思いますね。

 

anond.hatelabo.jp

 上のダイアリーに対する反応で、給料を上げれば辞めないし、会社の業績も上がるという話になっています。今世の中では、頑張っても給料が上がらないことが問題になっているわけで、その給料を上げることで、モチベーションがアップして、企業の売上が上がるなら言うことなしなんですよ。給料を上げたから報いようと努力して、仕事で結果を出して、企業も潤う。好循環なのは間違いない。

 だけど、一つ思うのは、若い社員だから出来るんじゃないかなあと思います。基本給が低い所から、毎年2万でもアップすれば、確かにモチベーションは上がりますから。それに若い人は、収入アップが精神的余裕に繋がるので能力も上がると思います。昇給は良い手段だと思いますけど、仕事への吸収力が高い、若い人向けの処方箋だと思いました。

 さらに、若い時には知識が不足がちですけど、昇給して、もっと結果を出そうと頑張っていると、自然と勉強など頑張るようになって、自分を高めていく嬉しさに目覚めると思います。いわゆる、向上心ですがやっぱり目に見えるお金がたくさん貰えるとなると、そりゃ頑張るというのは人間だから仕方がない。

 この前テレビを見ていたら、地方のトラック宅配業者で、高卒の新入社員に対して、かなり高い給料を払うとありました。最初の一年はトラックの練習で給料も平均的ですけど、2年目からは、大卒並みの給料が貰えるとあって、二人の10代の青年は頑張って練習していました。昇給はやっぱりモチベーションアップの鍵なので、こういう思い切った行動する企業が伸びていくのかもしれません。

 有能な社員が出来上がっていく仕組みの一つに、昇給というのはありかなと思います。金銭的・精神的余裕が出てきて、仕事をする中で向上心が芽生えてくると、自然と知識や技術、ノウハウが貯まっていき、賢い有能な社員になっていく。ただ、それが簡単に実践できるとは思い無いので、業界と職種によって大分変わってくるとは思いますが。

 

garbagetown.hatenablog.com

 garbagetown (id:garbagetown) さんの記事で、外資系に転職したことによって、充実した会社生活が送れるようになり、転職して本当によかったという話です。親切でコミュニケーション能力が高いエンジニア、オフィスの開発環境、豊富なe-ラーニング、英語の必要性が高い職場環境など、前職よりも待遇や環境に改善が見られ、充実感が伝わってきます。

 転職というと、日本ではネガティブなイメージもありますけど、これほど上手く転職できるなんて素晴らしい。きっかけは、職場環境や家族のことがあったみたいですが、記事を見ていると、仕事の充実感が伝わってきます。元々、技術力が高くて、Webアプリケーションの開発などをこなしながらチームリーダーとして活躍していたgarbagetownさん。

 技術職のある意味で理想型とも言える転職。しっかりとした技術的なバックグラウンドと管理職としての経験、しっかりとした情報発信が鍵になったみたいです。客観的に見ればすごく優秀な人だと感じました。世間が言う有能ってこういう人を言うのかなと。やはり、しっかりとした技術力と情報発信力が大事ってことですね。

 しっかりした技術力があるからこその仕事ですし、転職でも強味になります。何かの専門分野に特化した技術と職務経験があるということが、有能な社員の一つのモデルになると思います。働き方改革の本質は、平均的にみんな有能な社員になって、時短をしようというものですが、いきなり言われても、garbagetownさんレベルには中々なれないと思いました。

 転職の一つのきっかけとして、家族が加わるというのは非常に大きなもの。家族のために働くのがすべてとは言いませんけど、やはり大事なこと。働き方改革には、家族と過ごす時間の増加という意味も含まれていると思います。人によって、親だったり、子供だったり、配偶者だったりするわけですけど、家族環境の変化で転職するというのは、頂く給料によって転職するのとはまた違った意味合いがあります。


 有能な社員の例や経営者の視点を見て見ると、優秀な人は、お金も大事だけど、モチベーションの向上とそれに伴う高い技術力を持っている人です。働き方改革で定時までに仕事をするなど、労働時間が減りますが、何か一つでも強味があると、会社にとって必要な人材に成長することができます。ただ、その強味を見つけることが難しいわけなんですけどね。

料理×対話×異世界ー『あやかしお宿に嫁入りします』

自分の力で生き抜く。簡単なようで難しい。異世界ものだが、チートはなく、対話と料理で切り開く様は、心地が良い。

あやかしの棲まう“隠世”にある老舗宿「天神屋」。亡き祖父譲りの「あやかしを見る力」を持つ女子大生・葵は、得意の料理で野良あやかしを餌付けていた最中、突然「天神屋」の大旦那である鬼神に攫われてしまう。大旦那曰く、祖父が残した借金のかたとして、葵は大旦那に嫁入りしなくてはならないのだという。嫌がる葵は起死回生の策として、「天神屋」で働いて借金を返済すると宣言してしまうのだが…。その手にあるのは、料理の腕と負けん気だけ。あやかしお宿を舞台にした、葵の細腕繁盛記!

内容(「BOOK」データベースより)

 

【読書・小説】死神の精度 伊坂幸太郎

人の生き死にってなんだろうなと感じました。
死神に生きることと死ぬことを支配され、
本人は自分の死に対して
ほとんど関与することができないジレンマ。

人はいつかは死ぬというけど、
死神にある程度支配されているのなら、
それも運命と言えるのかもしれない。

内容は暗いけれど、
最初と最後のストーリーが明るいのが救い。

音楽好きなだけに、
お店でCDを聞いている様は人間と同じようであるけれど、
とてもシンプルに音楽が好きという設定は、
私は好きです。

そう思うと、音楽のお店が段々と少なくなっている
現状だとどうするんでしょうかと疑問には思いました。


重要テーマとして、『仕事』という言葉が出てきます。
仕事だからこそ、淡々とこなす。

主人公の死神は、
結局は『死』という選択をほぼ選ぶのですが、
過程を重要視して、
しっかりと仕事をしています。

他の死神は過程は気にせず、
大抵の場合は『死』だけを判断するので、
主人公はちょっと異質です。

死神に給料が出ているのが分かりませんが、
きっちりと仕事に誇りを持つのはいいなと思いました。

何事もこだわりを持たないと、
自分が自堕落になっていくだけですし、
それがある程度の自信に繋がると思います。
人間でも考えることが大事。

【読書・小説】殺戮にいたる病 我孫子武丸

とにかくヤバい小説です。
犯人の本質や事件の真相、
途中の悲しい事件なんかがポイント。
読んだ後も、頭に残ること間違いなし。

とくかく、グロい。
犯人が異常すぎて、本当にヤバい。
二人の視点で物語は進んでいくんですけど、
叙述トリックで、最後にビックリします。

主人公よりも、犯人の印象が強すぎます。
実写化不可能とも言えるぐらいです。
今だに本屋で目立つ所に置かれているので、
インパクトは大きかったと思います。

トリックとか私はどうでもよくて、
ただただ、犯人が怖い。
究極の○○コンなんだと思いますけど、
そこに行き着くまでの行為が残虐。

よく作者もこの展開を考えたものだと。
恐ろしすぎる結末にビックリしましたけど、
それまでの過程が生々しい。
出版されたのが、1996年……。
グロいですが、インパクトは絶大……。

【読書・感想】博士の愛した数式 小川洋子

大学生の時に読んだ、何とも悲しい話。
80分しか記憶が持たない、
元数学者と家政婦とその息子のやり取りが
何とも切なく、印象に残る話になってます。

80分しか記憶がもたないので、
メモ書きした付箋がたくさん貼ってあって、
新しい記憶も維持できない悲しさが
何とも言えません。

息子は、野球ファンで、阪神ファン
数学で言う所の、虚数など
専門用語が出てきます。
でも、文学的な説明があったりして、
特に悩む必要もないんですよ。

著者の小川さんの最高傑作とのことで、
私が読んだ大学生の頃には、
大々的に宣伝されていました。
映画化もされましたし、出来も良く、
今でも人気の作品です。

【読書・小説】『アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎』

あらすじ

ボブ・ディランはまだ鳴っているんだろうか?

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。

彼の標的は――たった1冊の広辞苑!?

そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!

清冽な余韻を残す傑作ミステリ。第25回吉川英治文学新人賞受賞。

 

ざっくりした感想

伊坂さんの代表的な作品、残酷な若者と日本を愛するブータン人の記憶に残っています。最後まで愛する人のために生きた一人の男の物語です。結末は悲しくも、暖かい。

叙述トリックで、謎の日本人の正体が最後に分かります。主人公と生きた相棒とも言える存在。過去と現在を行き来する作品の展開ですが、だからこそラストの感動があります。

伊坂さんは、純粋な悪や冷酷な描写をポイントで入れて、話に幅を持たせるのが上手いと思いました。主人公達も魅力的。ボブ・ディランを聞いてみたくなりました。

【読書・小説】アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス

あらすじ

32歳になっても幼児の知能しかない
パン屋の店員チャーリイ・ゴードン。

そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。
大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。

この申し出にとびついた彼は、
白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、
連日検査を受けることに。 

やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…

超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、
喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、
全世界が涙した現代の聖書(バイブル)。

 

ざっくりした感想

  • 本当に幸せとは何か、を問うている作品です。
    チャーリーの言葉が段々変わっていく様が、
    彼の頭脳と心境の変化に見えて斬新でした。
    文章から、知能の向上が分かるようになっていて、
    表現が素晴らかった。

  • 手術で頭が良くなったが、
    徐々に知能を失う恐怖感。
    終盤の展開は悲しくなるが、
    大切なものは何かということを考えさせてくれます。

  • 日本訳はとてもよく訳していると思いました。
    最初の数ページはかなり読み難いですけど、
    それがチャーリーの知能に関係していて、
    読んでいると複雑な気分になります。

転×恋愛×遠距離ー『イニシエーション・ラブ』

ラストの展開にはビックリ。恋愛の残酷さ、環境の大事さがよく分かる。人は環境で変わってしまうのが辛い。人間的。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

内容(「BOOK」データベースより)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

【読書】『告白 湊かなえ』

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。

語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

ざっくりした感想

  • 序盤の衝撃の展開にビックリ。子供の敵を討つという行為なのですが、文体と話の流れに圧倒されました。ラストに向けての展開もよくて、二人の少年が落ち込み、絶望していく姿に復讐のすごさ、怖さを実感させらました。
  • 終盤の展開は、序盤から想像がつかないけど、結末は悲しくも、切なくなる最後。一人の少年の愛と絶望がよく描かれていて、主人公の復讐が果たされたと思います。
  • 個人的には、短編集でもう一度見てみたい。二人の少年のラストを自分なりに想像することで、主人公の恨みの深さが分かると思うから。それにしても、少年がどんどん絶望していく様子は、言葉って怖いなと思わざるえない。

【読書】『そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー』

あらすじ

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……

そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!

ざっくりした感想

  • 一人一人いなくなっていくけど、まさか誰もいなくなるとは……。トリックも秀逸で、さすがの構成力。はじめて読んだ時には、ラストの展開にビックリしたけど、犯人の頭が良すぎてビックリしました。
  • 日本でもドラマされてますけど、やっぱり孤島の話は海外でないと無理があると思いました。日本流なアレンジもいいけれど、海外版も見てみたい。終盤のトリックはどう表現するのか。
  • 海外の小説が苦手でも割とスラスラ読むことができます。個人的には、登場人物の名前が把握しにくい海外小説は苦手なんですけど、アガサ・クリスティーの小説は気軽に読むことができます。訳者が良いからなのかも。