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【書評・感想】ガリレオ 容疑者xの献身を読んで思う事 

 

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

 

私の好きな本の一つの容疑者xの献身。ガリレオこと湯川が事件を解決していくシリーズ第3弾ですが、ガリレオが初めて人間らしい感情を少し発露させる転機となった話です。これ以降、短編ではトリックを、長編ではトリックよりも犯人の動機を重視する傾向になっていきます。

 

映画にもなった作品で面白いことこの上ないです。私のオススメの一冊。

 

対極の湯川と石神

一つ思ったのは、あまりにも石神が可哀想ということ。石神は高校の数学の先生なのですが、湯川が認めるほどの天才。大学生の時には共に教室で語り合う中になった。しかし、大学の教員にはなれなかった。しかも、原作では髪が薄い中年の風貌。オシャレな湯川とは対極の存在となっていました。

 

湯川はイケメンではないにしろ、きっちりした格好をして女性にモテやすい。そんな二人の天才の将来も対極で、湯川が大学の先生で研究も思う存分できる、石神は高校の数学教師として燻っており、学者への未来すら見えない。

 

でも、だからこそ石神は花岡母子と出会えたわけで、それが皮肉に思えて仕方がない。天才だからこそ優遇される一方で、不遇な環境のもう一人。物理と数学って同じようですけど、意外に違う。数学も分野によっては哲学チックになっています。実学(物理)とそれよりは少し遠い実学(数学)の対比なのかなあと。それにしても、いくら物理の先生でも、福山さんほどのイケメンでオシャレな先生は中々いないと思います。実験とか始める徹夜続きとかあるんで、オシャレに中々気を使えなかったりするんで。まあ、専門によりますけど。

 

 

花岡母子の原作と映画の違い

石神は恋愛対象よりも、さらに上位の神格化された二人に対して命と人生を懸けました。ただ、原作と映画では微妙にニュアンスが違っているので受け取る印象が違います。

 

母親の花岡靖子が石神が捕まった後に自首したのは、決して石神に対して真実の愛を持ったからではないです。映画だとこの辺りがボカされていますけど、娘の美里が自殺未遂をするんですね。それがキーとなって、靖子が自首するわけです。罪悪感もありますけど、本来なら石神を放っておいて、母子で幸せになればよかった。石神の道筋の通り歩いていればそうなったはずですが、一つ美里の感情だけが違う。

 

美里はずっと暴力的な父親(血縁関係なし)に苦しめられてきました。自分の命を守ってくれるどころか、暴力を振う。しかし、石神は命を懸けて花岡母子を守り、そして捕まった。美里はおそらく石神を父親に近い感情で見ていたいんでしょう。現に、石神に対して好意的で、靖子が他の男性と付き合う可能性が出てくると強烈に反対していましたから。だからこそ、石神が捕まることで美里は自分の犯した罪の重さとそれを押し付ける形になった罪悪感から自殺未遂をしてしまった。映画だと規制があったのではないでしょうかね。または時間的な制約。

 

 

それでも映画は素晴らしかった

 

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それでも映画は素晴らしかったです。再現度が高くて、特に堤さんの石神は最高でした。原作ではブ男ですが、堤さんの石神も雰囲気がそっくりで福山さんの湯川さんとの真逆感がばっちり再現できていました。

 

ただ、靖子が事件後に親しくなる工藤がダンカンなのがびっくりしました。堤さんと逆のポジションだとより原作に近くなるように思いますけど、これはこれ。ダンカンさんのやさしさが垣間見えて良かったなあと思います。

 

原作と映画、両方楽しめます。最初に映画から入ると、ガリレオ=福山さん、石神=堤さんですけど、原作組はガリレオ=佐野史郎さん、石神=カッコよくない頭の薄い人のイメージになるんじゃないでしょうか?

 

いや、ここで佐野史郎さんの名前が出てくる時点で、結構ガリレオが好きだという証拠なんですけどね。

 

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