人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

中川家が若手芸人に苦言する理由とは一体……

お笑いコンビの中川家が今の若手についてコメントしていますけど、私も同意見。仲が良すぎて、お笑い芸人として競争していないのではないかと思ってしまいます。

お笑いの未来を思うがゆえ、若手への厳しさでも知られるベテランお笑いコンビ・中川家が、最近の若手芸人の姿勢について口を開いた。お笑い以外の自身の仕 事(『それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』声優挑戦)もしっかりとアピールしながら、再燃の兆しある“お笑いブーム”の現状について 語る。

中川家、仲が良すぎる若手に苦言「昔は笑いに真剣。“戦場”で競い合っていた」 (オリコン) - Yahoo!ニュース

 昔は戦場だったお笑い界

ダウンタウンの松本さんが言っていたことですけど、昔のお笑い界は殺伐としていたそうです。ダウンタウンとんねるずウッチャンナンチャンと今は大御所ですけど、当時は若手として競い合った中。特にダウンタウンとんねるずと競いあったそうで、まさに生きるか死ぬかという想いで収録などをしていたそうです。確かに今の若手はなんというか、ひな壇などで仲良く笑っていたりして逼迫感がないと思います。もっと殺伐として競い合うのがいいんじゃないかと。だから中途半端な芸人しか出てこなくて面白くない。今では映画監督のビートたけしさんですけど、若い頃はかなり無茶をしていたようで、今の若手はそれが足りない。テレビでも無難な笑いというか視聴者を敵に回すようなことをしなくなりました。尖っていなくて、みんな丸まってしまって安心はしますけど、印象に残る芸人はとても少なくなりました。

爆笑問題の太田さんの芸

私が学生の頃には、夜の番組で太田さんが一分ぐらいコラムを話すコーナーがありました。世の中風刺していてとても面白かったですけど、太田さんは今では危険な芸人の一人。空気を読まないで無茶をするから生放送では使いにくいそうです。でも、それは自分の芸に対して真摯な態度の表れであるので、太田さんらしさともいえます。若手はその「自分の芸」が中途半端なんですよ。お金を稼ぎたい!有名になりたい!という想いは買いますけど自分らしさがないのが嫌。もっと自分の代名詞の芸を磨いた方がいいです。この芸ならこの芸人!みたいな印象に残る芸人は今は絶滅してしまって、だからいまだにさんまさんやビートたけしさんに勝てる芸人が表れない。軍隊や警察のように上下関係が厳しい世界ではありますけど、元々は下克上でのし上がっていく世界でもあったはず。自分だけの芸を作って磨いて大御所を蹴落とす根性を見せてほしい。

テレビ業界が変わった

ただ、可哀想な部分もあります。テレビ業界がコンプライアンスから無難な番組作りしかしなくなったから。ビートたけしさんが若かった頃には結構無茶な番組もあって、当時の映像なども見たことがあります。今はそんなことをしたらクレームだらけになってとても放送できない。今はネットで上層部の耳に簡単に入ってしまうので、昔のように電話だけ受けて上司に報告しないということはできないわけで、芸人が無茶できなくなった背景にはテレビ業界の体制の変化というものもあります。芸人も無茶できないなら、芸人同士仲良くしてなるべく危険な番組は作らないようにする。だから、体を張った芸が少なくなってしまった。私としては芸人は話と体で笑いと取るものと思っているので、しゃべりだけでお笑いというのは何か違和感があります。落語や漫才とはまた違ったカテゴリなのが今のお笑い芸人なので、もっと体を張った芸を見せてほしい。

最後に

中川家が苦言という気持ちは分かります。昔厳しい世界だったのが今はナヨナヨした世界になってしまっている。これは文筆業などの世界でも同じようで、文章力がだんだん下がってしまっている。厳しいことを言う記者も減って、会社全体が無難な道を選択しているという話を聞いたことがありますけど、まさにその通り。現代は如何にまわりと仲良くして乗り切るかがポイントになってしまっている。それもいいですけど、たまには過激な芸を見てみたいです。

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