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日本からノーベル賞は減っていくのかもしれない

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基礎研究というのは、結果が出難い研究です。学問は真理を追求していくのが一つの道なんですけど、それは人の役に立つかわからない。パソコンやスマホの数学的な原理が発見されたのは100年以上前と言いますから、基礎研究、原理的な研究は一般社会とは隔絶された世界だと思います。これは全国の研究者が思っていることなんだろうなと。

ノーベル賞を取った、大隅良典さんが言うからこそ世間が聞く耳を持つわけで、普通の一般の人が知らないけど、その分野では世界クラスの人が言ったとすると感情的に反論されて終わってしまう問題です。だけど、大隅さんの言葉は正しくて、科研費が採択される可能性は研究者の増加によってますます低下することになり、役に立たない研究よりも、即効性のある研究の方が喜ばれるのは本当のこと。あまり喜ばしいことではない。

日本は技術立国ではありますけど、バブル崩壊以降、研究面においても社会の役に立つことを優先させるという方針で政府がお金を出しています。少し前に、文科系の学部を減らすのが話題になりましたが、理科系の学部、特に理学部でも同じような議論が起こっているというのを聞いたことがあります。社会の役に立つをいう側面を気にしすぎて、本質の基礎研究が疎かになると、数十年後に日本の研究は第一線から退くことになると僕は思います。

以前から思っていたことですけど、アメリカなんかは、社会に直接に役に立たない、宇宙に関してすごく力を入れています。NASAのレベルは高く、冷戦時代にはソ連と競争のように宇宙の分野に投資していました。今は少し宇宙関係のビジネスが出てきているそうですけど、それを何十年も前から国を挙げて取り組み姿勢は素晴らしいと思います。先進国は、基礎研究を疎かにせず、基本をしっかり抑えて研究するスタイルなんですね。

不景気の影響ももちろんあると思います。社会の役に立たない研究は、お金を生み出しませんし、無駄と世間の人は言うでしょう。ただ、学問というのは元々役に立つことを前提としていませんし、真理を追求したり、考え方を追求する一つの道です。だから、基礎段階では、お金との繋がりはなくて、むしろお金に引っ張られるのでお金に関しては無視しないといけないとは思います。それが難しいのは分かってはいますけど。

ノーベル賞候補として、候補の上がっている研究は1970年代〜1990年代前半の研究がほとんど。日本がお金があった時代で、研究が活発の行われた時代なのが特徴的です。2000年代の研究になるとノーベル賞受賞は難しくなります。日本が不景気になっていた時代ですから。お金があるからこそ、社会の役に立たない研究にもお金が出るわけで、基礎研究は時代の波をもろに受けてしまうということになります。ノーベル賞を受賞できるのは今だけかもしれません。