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【書評・感想】『首折り男のための協奏曲 伊坂幸太郎』ー首折り男と黒澤が出てくる短編集

首折り男と聞くと、『怖いイメージ』しかありませんが、伊坂さんの世界では割とよく出てくる人物。短編集ですが、一つの物語がきちんと完結しています。首折り男とタイトルにはありますけど、黒澤という空き巣で探偵という、伊坂さんの作品で常連のキャラも出てくるのでかなり楽しめます。

 

伊坂さんはある日常に、殺し屋などの非日常を入れ込むのが得意なので、今作も夫婦や子供のまわりに首折り男が出てきます。怖いイメージではなくて、首折り男も日常を生きていて、でも確実に仕事もこなしていきます。作品の肝として、人間は表面だけではなくて、内面も大事だよというメッセージが伝わってきました。

 

短編の最後に合コンの話があるんですけど、恋愛と首折り男が関わってきて、ちょっと変わった作品になっています。最後のどんでん返しも楽しいですけど、人の内面と外見をテーマにしていて、伊坂さんらしい構成で話を展開しています。

 

伊坂さんが好きで、短編が好きという人向けの作品だと私は思います。私の好きな黒澤というキャラは『ラッシュライフ』や『ポテチ』を見ていないと分かりにくいです。伊坂幸太郎が好きで、他の作品も読んでいるという前提でこの作品は出来ていると思います。個人的には、『ラッシュライフ』や『重力ピエロ』を読んでから、『首折り男のための協奏曲』を読むと楽しさが倍増すると思います。ただ、私は伊坂さんの作品は長編こそ面白いと思うので、少しだけ物足りなさを感じはしました。