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【読書】『悪意 東野圭吾』あらすじ・感想ー加賀が登場する人の恨みや嫉妬をテーマにした話

人気作家が仕事場で絞殺された。第一発見者はその妻と昔からの友人。逮捕された犯人が決して語らない動機にはたして「悪意」は存在するのか。

 

東野圭吾さんの小説で、人の悪意をテーマにしている話です。小説家の日高邦彦が死ぬ所から物語が始まり、国語教師の野々口修の手記から犯人が分かっていくという展開になります。東野さんの人気キャラ加賀恭一郎が探偵役として登場します。加賀シリーズで割とマイナーな作品ですが、私がお気に入りの小説であり、人間の『悪意』そのものにスポットを当てています。野々口の内面には、幼少期から刷り込まれた洗脳のようなものがあり、初めて読んだ時には衝撃的でした。

 

読みやすいけれど、人の怖さが分かってしまいます。社会人になってから読んでみるとまた印象が違うと思いますけど、私が読んだのは学生の頃だったのでインパクトがありました。加賀シリーズの中でも、異質な作品であり、ラストの章の語りは斬新です。単純な事件解決ではなくて、人の内面や恨み、嫉妬を感じることができ、こういう作品もあるんだなあと思いました。人の悪意とは?を真摯に問いかけています。

 

ただ、人の悪意をテーマにした作品が数多くあるので、それらを読んできた人なら物足りないかも。私が読んだ時には、ミステリにハマり出した時期なので、非常に興味深く読むことができました。犯人はすぐに捕まりますけど、真相に驚きます。人って大人になっても子供の時の悪い記憶は無くなりませんし、人生の残り時間が少なくなると、すごい行動力を発揮してしまう。それが悪意に繋がっていくんですよ。

 

同じような作品に、『殺人の門』がありますけど、こちらは違う視点からアプローチしています。『悪意』も『殺人の門』東野さんの中盤の作品であり、今の東野さんの書く小説とは異なる印象を受けます。私としては、初期や中盤あたりの小説が好きで、『容疑者xの献身』が一番好きです。何回も読んで、加賀のファンになったきっかけの作品でもあります。野々口の手記が絡んだトリックもあって、かなり面白い。加賀シリーズの中でも一番好きな作品なのですが、人によっては好き嫌いが別れると思います。