『図書館戦争 有川浩』読書感想ー恋愛要素とバトル要素が絡み合った小説
有川浩さんの人気小説、『図書館戦争』です。恋愛要素とバトル要素が絡み合ってかなり面白い作品となっています。自衛隊をモチーフにしている図書隊の活躍は男子向け、主人公でヒロインの郁と鬼教官の堂上との恋愛が女子向けなんだと思いました。
恋愛は巻が進むごとに進展していきますが、苛烈な図書隊の現場がそれを引き裂こうとしたり、物語としてかなり面白くなっています。サブキャラも個性的なキャラが多くて、短編の話でも楽しく読めます。
アニメや実写化もされていますが、私はアニメ版が好きでした。実写も良かったですけど、実際に人の生き死にがかかる戦闘も頻繁に起こるので、アニメにリアリティが出ています。
アニメとなり、キャラが実際に動いてみると、イメージとは違った印象は持ちました。ちょっと原作と違うんじゃない?と思うこともありましたけど、それがアニメや実写の良さなので、別物として楽しむのも良いです。
有川さんのメッセージとしては、戦前のように本が検閲され、表現の自由が侵害されるかもしれないというもの。図書館戦争の世界の中では、検閲が行われて、世の中に言論統制がしかれおり、反対すれば実際に人が死ぬ。
怖い世の中となっている世界なんですけど、その中で図書隊が奮闘する姿はカッコいいと思いました。一人一人の信念がしっかりと描かれているので、感情移入もしやすい。本編全4巻+外伝2巻な構成なんですけど、長いのに短いそんな印象の作品です。
図書館や本に対して色々考えることがあった作品。図書館法やメディア良化法など、専門用語が出てきますけど、自衛隊や警察、政治家などをモチーフにしているので、現実と非常に近い世界観になっています。
残酷な描写もありますが、そこもリアルです。自衛隊マニアの有川さんの本領発揮な作品となっていて、代表作の一つ。小説は長いですけど、私は3、4巻がオススメです。主人公の郁の成長と行動に感動します。