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【読書感想】『容疑者xの献身 東野圭吾』ーガリレオの人間性が一気に出てきた小説

東野圭吾さんの代表作、『容疑者xの献身』です。第134回直木三十五賞受賞作であり、使われたトリックから、本格ミステリかそうでないかがミステリ作家からも議論を呼びました。湯川先生ことガリレオ先生と、湯川の盟友の数学者・石神との対決がメイン。ガリレオの親友とも言うべき人物の登場で、湯川の人間性が一気に出てきました。私は単行本で買ったのですが、それで読んでも後悔のない素晴らしい作品となっていました。

ガリレオシリーズ3作目で、それまでの湯川とは違った内面が描かれ、読んでいて楽しい作品になっています。物理学と数学の対決のようで、盟友の湯川と石神の友情が描かれています。それまでの作品から、湯川は感情の起伏が少ないと思っていたのですけど、石神の登場で、大学時代での暮らしなど背景が一気に分かりました。

恋愛経験のほとんどなかった石神が、ある親子のために命をかける。そこには、恋愛感情以上のものがあり、男性だけではなくて女性にも共感できる作品になっていると思います。石神の感情を描きながらも、数学者らしく頭を使ったトリックや、自分が助けた親子のために色々な工作をしていきます。人のために命をかけて湯川と対決する姿は、単純な犯人像ではなくて、正義はどちらにあるかを考えさせてくれます。

映画化もされていて、原作とは少しだけ違いますけど、かなり近い。石神の堤さんが好演で、原作を読んでいなくても、面白い。テレビでは湯川を福山さんが演じていましたが、これも良かった。初期の構想では、湯川はイケメンではなくて、佐野史郎さんをイメージしていたとのことですが、今では福山さんのイメージにありましたね。暗い作品でもなく、石神の救いの物語となっているからこそ、最後のシーンには衝撃を受けます。日本らしい、人間の内面を描きながら、湯川の奮闘が印象に残った作品。東野さんの作品らしく、読みやすいので週末に読んで見るといいと思います。