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【読書・感想】『魔王 伊坂幸太郎』ー『モダンタイムス』の前日譚

魔王ってタイトルだけど、何が魔王なんだろうと考えました。反アメリカが叫ばれる世界という設定の中で、それに少しだけ立ち向かう主人公が出てきます。展開的には、伊坂さんらしくて、結局敗北してしまうのですけど、それが後半のストーリーに繋がっていきます。兄と弟という、重力ピエロを思い出させてくれる話で、繋がりって強いなと思いました。

前半と後半に別れていますけど、前半の話は終盤の展開に凹みました。超能力を持つ主人公が巨大な闇に立ち向かうのですけど、何もできないで終わってしまいます。ゴールデンスランバーよりも過酷で、それほど長くない話ですが絶望感が凄かった。魔王ってタイトルも色んな背景があって、かなり難しい。

 

この話は、伊坂さんの『モダンタイムス』の前日譚で、2冊読むのが良いですよ。魔王でモダンタイムスの話が出てきたり、その逆だったりと読んでいるとニヤニヤできる部分が多くなっています。大きな闇や組織に立ち向かうのですけど、マンガのように勝つのではなくて、一矢報いて終わる展開。でも、納得はできるようにはなっています。

 

伊坂さんは好きな小説家なんですけど、この頃の作品は、内容は苛烈で冷酷な展開が多くてちょっと怖かったです。しかし、魅力的な女性キャラが多く誕生して楽しませてくれたので、非常に印象に残りました。『魔王』のとある女性キャラが『モダンタイムス』に出てきます。性格の似たキャラが『死神の浮力』にも出てきますが、芯が強く余裕のある人間って本当に魅力的です。