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【読書・感想】『ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎』−国家権力からの逃走劇

 

▼濡れ衣で首相殺害の犯人された主人公の逃亡劇。日本国民からターゲットにされて、逃げ切るドキドキ感がありました。序盤の展開から怒涛の終盤の結末が印象に残っています。国家権力は強大で逃げるしか、一般市民には手はないということだと思います。

▼途中で西部警察の大門みたいなキャラが出てきますけど、今の日本が本気になるとこんな人が実在出てくるのかな。リアリティーとノンリアリティーが混在しています。逃亡劇としてよりも、追跡劇としても見てもいいかもしれない。

▼実在の事件をモチーフにしていますけど、主人公の立場で想像したら、最悪の状況です。味方は一部のみで、99%は自分の敵ですから。臨場感もあって、特に序盤から中盤の展開はとっても面白いですが、ヒーローではないので、勧善懲悪ではなかったです。

 

▼主人公の青柳はヒーローではないです。必死に逃亡する姿は可哀想であり、完全に濡れ衣なだけに何とも言えない感情が表に出てきます。強くもなく、絶対的な味方はごく少数。ヒーロー物なら逆転の展開もあるのですけど、ある意味でリアルな展開で終わります。

▼ヒーロー劇が好きなので、終盤の展開に期待したのですが、最終的には逃げることになります。恐ろしい話ですが、国家権力を敵に回したら仕方がない。日本のヒーロー物、勧善懲悪物は大きな組織をバックグラウンドにもった場合の多いので、逆パターンの青柳では厳しい。

▼戦隊物に代表されるヒーロー物は、どう見ても国家権力が背景にないと出来ない装備や組織構成になっています。アメリカの作品のように、たった一人で立ち向かうのは難しい。軍隊出身とか特殊な経歴を青柳は持っていないわけなんで。

 

▼青柳が逃亡するのがメインのストーリーで、途中に色んな人に出会います。直接助けられることもありますが、状況が最悪なだけに、対処療法的なことにしかなりません。

シリアルキラーも出てきて、伊坂さんらしい人物が多数登場します。

▼一番面白かったのは、やっぱり序盤。逃亡中の出来事にハラハラしながら読んでいました。主人公には一矢報いてほしかったですが。