人生のおつまみ

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【読書・感想】『かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。』の5つの面白いポイント

人間が住む世界から、
かくりよに嫁に来た主人公・葵。
鬼である大旦那との生活。
老舗宿でのドタバタコメディグルメ小説。

時々、冷酷で怖いあやかしの本性などが
出てきて、葵が命の危機に晒されます。
そんな中で、武器である『料理』で
あやかしの世界を生きていくという話。

今回のこの小説について、
面白かった5つのポイントについて
書いていきます。

美味しい御飯

この小説で一番のポイントになるのが、
『料理』です。料理を作ることで、
あやかしが味方になっていきます。
身近だけど、一番大事な食事が葵の武器。

霊力はあるけれど、使い方を知らないので、
どんどんピンチになっていきますけど、
持ち前の負けん気と料理の腕で
危機を乗り切っていきます。

旅館のように、料理のお品書きも
書かれてあって、食べたくなるものも
ありました。

葵のキャラが良いのと、
どこか母性を感じる展開から人気なのも
頷けます。

料理で物事を解決する物語は
あまり見たことがなかったので、
結構新鮮でした。

魅力あるあやかし達

登場するあやかし達がすごく魅力的で、
鬼の大旦那様や雪女、狸の少女、
天狗の大御所、妖狐など、
多くの有名な妖怪が出ています。

みんな揃ってキャラが立っていて、
読んでいるだけで面白い。
シリーズを追うごとに新キャラが
追加されていきますけど、
キャラが薄いあやかしがいません。

大旦那と葵の関係

無理矢理婚約させられた感がありますが、
葵もどんどん大旦那に好意を寄せていて、
恋愛とも夫婦とも言えない信頼関係が
築かれています。

でも、もう一人の妖狐の番頭も出てきて、
ちょっとした三角関係にもなってきています。
葵の過去もまだ明らかになっていませんし、
二人がなぜ結婚しないといけないのか。
その真相が早く知りたい。

時折除く冷酷な気配

あやかしをテーマにしているだけあって、
人間に好意的な妖怪だけではありません。
時折、冷酷な描写も出てきて、
一歩間違えれば、葵も生きていないはず。

そんな怖い世界なのですが、
葵に好意的なあやかしが多いので
誤解しがちですけど、
本来は危険性の高い世界。

そのギャップも面白い一因なので、
これからのシリーズの展開に期待したいです。
どう考えても、葵の過去と葵の祖父に
大きな関わりがありので、気になります。

老舗宿を応援したくなる

現実にある旅館のことをイメージしてしまう
本作。老舗宿を舞台にしているだけあって、
働く苦労も感じることができます。

お客さんとしてではなくて、
従業員としての視点なので、
社会人から見ると、葵を応援したくなる。

夕顔という料理のお店を出して、
何とかかくりよで生き抜く葵。
割と過酷なはずなのに、
大旦那様が絶対に味方なので、
大いに安心があります。

おわりに

1巻が出版された頃から読んでいる作品で、
思い入れがある小説です。
ライトノベルに近いですけど、
設定が面白くて、
時折見せるあやかしの怖さが光ります。

かなり伏線が張られているのですが、
どれも興味深いものばかりなんですよ。
著者の友麻碧さんの
『浅草鬼嫁日記』にも少し繋がっていて、
世界観の広さを感じさせてくれます。

アニメ化も決定しているので、
とっても楽しみ。