【読書・小説】『アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎』
あらすじ
ボブ・ディランはまだ鳴っているんだろうか?
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。
彼の標的は――たった1冊の広辞苑!?
そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
清冽な余韻を残す傑作ミステリ。第25回吉川英治文学新人賞受賞。
ざっくりした感想
伊坂さんの代表的な作品、残酷な若者と日本を愛するブータン人の記憶に残っています。最後まで愛する人のために生きた一人の男の物語です。結末は悲しくも、暖かい。
叙述トリックで、謎の日本人の正体が最後に分かります。主人公と生きた相棒とも言える存在。過去と現在を行き来する作品の展開ですが、だからこそラストの感動があります。
伊坂さんは、純粋な悪や冷酷な描写をポイントで入れて、話に幅を持たせるのが上手いと思いました。主人公達も魅力的。ボブ・ディランを聞いてみたくなりました。