Naotoの日記

読書・ニュース系の簡単なコラム

人の夢をテーマにしたファンタジー小説ー『神様の願いごと』を読んで

 あやかしや神様が出てくるファンタジー小説なんですけど、世界観が広くなくて、ある街を舞台にして物語が進みます。神様は夢の神様で、夢を持っている人を大好きなんですけど、そんな中、主人公の『千世』は夢を持たない女子高生として物語に関わっていきます。人の夢をテーマにしているので、将来のある高校生が主役なのが良かった。

 

恋愛小説かと思ったら夢がテーマだった

 最初は、『千世』と幼馴染みの高校球児が恋愛関係になっていくんだと思ったのですが、そんなことなかった。夢がテーマで、千世の夢、他の高校生の夢、街の人の夢の方にスポットを当てているから、恋愛要素はほぼ皆無だったけど、ラストの展開とか読者に考えさせる展開で色々と考えさせられました。夢って大事だけど、高校生だと中々見つかりませんよね。

 

夢が好きな説教くさい神様

 神様の『常葉』は説教くさいけど、人々の夢を見てきたからこそ夢を大事にする。といっても、高校生の頃って夢と言われても、ほとんど決まってないはず。私もそうだったし、何かを見つけること事態が難しい。親次第な所もありますけど、高校2年時に明確な夢を見つけているのってすごいと思います。何も考えていないというか、考える暇の無いうちに受験が始まりますし。

 

上下関係のあるあやかし系小説はいい

 千世と常葉の絡みは面白くて、他のあやかし小説のように、上から目線の神様とそれに翻弄される主人公という構図は私が好きな展開です。同じ立場だと青春小説みたいになりますし、ある程度の上下関係があると、物語がしまります。千世のキャラクターは割と好きで、人が困っているのに見ていられないし、一生懸命なのは応援したくなります。

 

大人が見ると夢を見れない

 夢って大人を主人公にすると、現状打破のストーリーになると思うんですけど、高校生を主役にすることで、まだ見ぬ未来に向かって走る姿を読者に見せることになります。高校生が主人公だと、感情移入もしやすいですから。将来があるって素晴らしいことだと思いますし、大人を主役にすると、どうしても厳しい現実感を突きつける展開になります。

 

ほんわかできる優しい小説

 街が舞台になっているので、街が一丸となって事にあたるのはカタルシスがありました。千世の今後をもうちょっと見てみたかったのですが、物語的には完結してしまいましたし、一件落着という所です。読みやすかったですし、猫やたこ焼き屋の問題も身近な事件で、ほんわかしましたし、気軽に読める小説だと思います。

 

まとめ

 沖田円さんの作品は初めてですが、恋愛物のイメージがあったのでちょっと意外でした。ただ、あやかし系のファンタジー小説があちこちで出版されているので、その一環として出された本かもしれません。私はファンタジーが好きなので良いのですけど。物語の中で出てきた、『おまんじゅう』を食べてみたいと思いました。