人生のおつまみ

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『ジブリ・マニアック・哲学的』〜紅の豚を見て〜

 紅の豚がテレビで放送されていたらしい。DVDなどで今見ても色あせないそんな作品。宮崎監督の完成・趣味が全開で、見ていて飽きない作品でもある。『カッコいい大人』が描かれていて、豚なのが良い完成をしていると思った。ジブリの目指す方向性としては、この作品が好きなんだけど、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』以降、哲学的な方向に行ってしまったので、少し残念ではある。 

紅の豚 [DVD]

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 プロペラ機ですごくマニアックに描写しているのは、子供の頃から面白いと思っていた。僕が理系だからなのか分からないけど、細かい描写は見ていてワクワクさせられる。歴史的にも第一次世界大戦後であって、第二次世界大戦に向けて世界が変わっていく部分を暗に示しているけど、それを明るく表現して悟られないようにしている。

 見方によっては反戦映画にも見えるかもしれないけど、あくまで豚・男性・女性の関係性、恋愛、空などを上手く表現していると思う。それに子供でも分かるようなストーリーだったりした。新しい飛行機を作るシーンでは、家族一緒になって、工場で作業をしてるシーンは現実の工場をイメージしたし、割とリアルに感じた。宮崎監督の上手さだと思う。

 紅の豚は大人になってから見たらかなり感じることが多いと思う。大人のかっこ良さが全開だし、男女の関係が凄く複雑だけど、「何かわかる気がする」的なこともあった。とにかく、『カッコいい』の一言。特に女性が強く、ジーナとフィオの強さはピカイチ。ああ見えて、ジーナは暗号を解読したりして、スパイのような情報通に描かれているけど、マルコを愛しているという側面もあって、すごく魅力的。

 最近のアニメだと、萌え的な要素が強めに描かれているけど、ジーナのような女性もいていいと思う。とは言っても、気高くとても強い女性なので、理想的ではあるけどアニメで描写するとなると、脚本に力がないと上手くストーリー上で展開できないと思うから難しい。最近のアニメは1クールに何十本と作られているので、キャラを深く作れないと思う。

 実写で紅の豚は難しいかもしれない。豚の描写がリアルかアニメかで分かれるし、あの時代の戦争の雰囲気を描くとなると、実写だと生々しすぎて作りにくいと思う。僕としてはアニメの方が気楽に見れるし、ストレスも少ないから良いのだけど。大人になっても考えることが多いし、宮崎監督の一番の作品は『紅の豚』だと僕は思う。