人生のおつまみ

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【読書 12-⑤】:『螺旋の手術室』-家族とレールの物語

家族のレールに従うこと、それは悪いことではないと思った。物語の悲劇は、両親のレールに乗らなかった娘が原因だった。結局、長男が悪者になるのだが、長女が両親のいう通りに医者、もしくは親が望んだ職業につけば、この事件・物語は起こらなかったと感じた。遅かれ早かれ家族の秘密が知れ渡るとしても、家族で共有できればもっと良い解決法もあっただと思う。

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再度読んだ後、どうしても長女のわがまま・反抗心で、一つの家族が崩壊したようにしか思えない。両親が医者で、しかも割と医学界で有名ならば、しっかり勉強して医者になれば良かったのではないかと。長女は家族の秘密・悲劇を知らずに、最後には兄を憎悪する未来が見えた。それはそれで、両親からしたら望んだ結果なのかもしれないけど、事件の中心人物なのだから、しっかりと通告するべきだったと思う。

両親が医者という設定に、家族の秘密をいうスパイスを加えるととんでもない物語が出来上がる。家族が敷いたレールに従うことも悪くないとは思う。場合によりけりだけど、社会的に地位があって、子供をある程度自由に育てているなら問題ないと思う。物語の世界観なんだけど、一つ反抗しただけで、自分は幸せだけど、他の家族が不幸になるのはどうかと。一番可哀想だったのは、すべての秘密を共有したにも関わらず、長男と決別されてしまった母親だと思う。

螺旋の手術室 (新潮文庫)

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