『雨上がりの印刷所』の感想-印刷とネット広告業界から思う出世の方法
印刷をテーマにして、チラシや書籍作りから人を助けるという話が軸であった。最近はネット広告が一気に発達したので、大手以外での印刷関連企業だとこれからは苦しいとも感じてしまった。確かに、チラシなどを使って人々や企業を助けることができる。広告は古くから企業や個人の宣伝媒体であり、知名度などを活かしたマーケティングを広告代理店が行っている。色々思う所はあるけど、広告なしに商品を語ることはできない世の中で、これからの印刷業界はどうなっていくのかなと感じた。
小説の中だと、印刷所で主人公が再起するのだけど、きっかけは取引先に迷惑をかけたためにそこの担当者が辞めてしまったというもの。一つ思ったのは、出世する人って精神的に図太くないといけないということ。大企業にいると、失敗が取引先からの信用に繋がるけど、その範囲が非常に広い。一つのミスで何人もの人達が責任を取って処分が下されている可能性がある。それを気にしていると自分が働けなくなるわけで、人よりも自分が!みたいな人が上に上がっていくのはリアルに感じる。メンタルが強いというのは、他人のことをほとんど気にしない人なのかもしれない。悲しいことだけど、ある意味で『みんな仲良く』というのは幻想なのかもしれない。