【映画】リズと青い鳥について
原作を読んでいたので、気になって観に行った。公開1週目に行ったのだけど、思いの他よかった。実際の学校生活と絵本の世界が交互に展開されるのだけど、違和感なく混じり合っていたので、印象は悪くない。だけど、序盤はゆっくり進むので、眠たくなるかもしれない。原作を知らないと、主人公の二人の関係が序盤はつかみ難くなっているので、映画館の暗さと相まって、睡眠効果が倍増してしまう。
主人公の希美とみぞれ以外のキャラはほとんどキャラクター性が無くなっていて、初見の人はバックグラウンドとか吹奏楽部での実力などが一切分からないようになっている。辛うじて同じ学年の部長と副部長は主人公と絡みが多いから、キャラが立っているけど、それ以外のキャラの情報がほとんど頭に入ってこない。希美とみぞれが主人公なので仕方がないけど、僕はちょっとビックリした。それでも、面白いけど「響けユーフォニアム」をよく知っているならもっと楽しめる、そんな映画。
響けユーフォニアムの原作の展開から見ると、希美とみぞれにスポットが当たっていて、よく作れたなあと思ってしまった。二人の関係性は特異で、
- 希美:コミュ力が高くて、みぞれの親友
- みぞれ:他人と関わることがあまりなく、世界は希美がすべて
という対象的な二人なんだけど、内面は高校生で現状や将来にすごく迷いを持っていたりする。二人を観ていたら、部活などを頑張っていた人はすごく共感するかもしれない。
今回は希美とみぞれが主人公ということで、響けユーフォニアムの主人公はほとんど関わってこない。あくまで外伝的な作品なんだけど、どこか綺麗な作品だった。ジブリにも通じるものがあるけど、高校生ならではの、将来・友達・現在の悩みがしっかり描かれているので、印象は良い。個人的には、「ハッピーアイスクリーム」の流れが素晴らしいと思ったし、高校生ならではの、駆け引きのない純粋の友達付き合いって最高だと感じた。やっぱり、高校生や大学生での友達って大事。