人生のおつまみ

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『ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~』を読んで

 読んで感じたのは、本なりモノなりを他人から奪い人って怖いってこと。しかも、そういう人は頭も良くて、徐々に追いつめていったりするから手に負えない。まあ、現実社会でもあるかもしれないけど、ドラマや小説などで見てイメージしてしまうと、かなりの恐怖がある。そんなのが肉親だったりするって恐怖でしかない。

 

ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)

 

 古書ってそんなに良いものなのかなと思う。古くて、少し汚れているから読むのに躊躇してしまう。古書好きな方には申し訳ない。少し潔癖なところがあって、ブックオフでも躊躇するときが多々あるし、僕は本は新品で欲しい。だけど、文学が好きな人は、古書が好きで集めていたりする。電子データなどを上手く活用できればいいのだけど。
 
 自分にとって、価値のあるものは、他人にはゴミみたいに思えてしまうこともある。僕なんかは、太宰治などの国語の本で紹介されるような作家は、岩波文庫とかを見て満足するんだけど、本気で好きな人は、初版本とか実際に作家が触った本に価値を見いだすはず。人によりけりだけど、それで人に恨まれたりするのは勘弁。僕も電化製品とか理系の専門書にはこだわりがあったりするだけど。
 
 人って自分に価値があると思ったモノに対しては、異様な執着を持つことが結構怖いと感じた。作中でも、本を手に入れるために、多くの人生を狂わせたり、自分の後継者を作るために愛人を作ったりと、やっていることが極悪な人物が出てくるけど、執着って視野を狭めたりするから気をつけないと。他人から見たら、まったく価値を見いだせなかったりするものだったりする。
 
 自分のことを有能だと思っていて、その血を残すために、妻以外に愛人を作るのというのは、僕には納得できなかった。やっぱり、能力がある人だと有能な後継者が欲しくなってしまうのだろうか?十分裕福なのにも関わらず。まあ、こういうキャラって、色んな作品にも出てくるけど、奥さんの気持ちになったら可哀想すぎる。そりゃ、歪んでしまうのも仕方がない。
 
 シリーズ6巻目だけど、古書ってそんなに面白いかなと思ってしまった。人によって価値観が違うから、人から見たら無価値でも、本人からしたらとっても価値のあるものってある。まさに趣味がそれだけど、僕も自分が好きなことに関しては、何時間でも話していられすし、古書を語り出したら止まらない栞子さんの気持ちは分かるなあ。