人生のおつまみ

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螺旋の手術室ー裕福な家庭なら家族のレールに乗ってもいいのでは?

 家族って何だろう?と思った物語。主人公が医者、両親も医者というサラブレッドなんだけど、長女の行動ですべてが狂い出してしまう。別に長女が悪いわけじゃないんだけど、父親への反発から、大学の法学部へ進学してしまう。医者になっていれば、この悲劇は回避できた可能性は田買うと思うんだけど。長女の義母が家柄がすべて的な思考がなくても、回避できたかもしれないし、何にしても父親と母親と同じ分野なら秘密も隠せたかもしれないな。親への反発って、大学生ぐらいまではあったりするけど、社会人になったり、結婚したりするとガラって変わるものだから、長女も兄と同じような医者に進めば良かったと、読んだ後何回も思ってしまった。両親が医者で、経済的・社会的にも裕福なはずで、兄は私立の大学の医学部に進学していたぐらいだから、教育に関しても熱心だった。こういう、親へのちょっとした反発から、家族が不幸になる話はちょっとキツい。しかも、ラストのどんでん返しから、兄が家族と縁を切ってしまって、それを長女がまったく知らないという状況になるから、兄と長女の絶縁の可能性も高い。長女は何も知らないけど、悲劇の根本の原因が自分なのも嫌に思った。長女が子供を産んで、落ち着いてからすべてを暴露してもいいと思うんだけどなあ。

 

螺旋の手術室 (新潮文庫)