人生のおつまみ

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『神様の御用人7』を読んでー家族の愛と兄弟の嘘

 兄弟とは難しい。人間世界で言うと、子供の時は仲が良いけど、大人になると遺産相続などで揉めたりする。子供の時には親の庇護があるが、大人になると自分達の家族や世界というものが出てきてしまう。大人になっても兄弟を思いやるというのは何気に難しい。

神様の御用人7 (メディアワークス文庫)

神様の御用人7 (メディアワークス文庫)

 

 家族は離ればなれになっても、絆が強ければ通じている。だけど、一度罪悪感などの負の感情が出てきてしまうと、自分自身を責めることになる。最近は単身赴任などを否定する意見が出てきているが、一昔前には、単身赴任で離ればなれになった家族に対して申し訳ないと思うお父さんが結構いたに違いない。

 残酷な事実を隠すためにつく嘘は別に悪いことではないと思う。その人のためを思っての嘘なのだから。だけど、嘘をつかれた本人は、兄弟の信頼感が強いほど、盲目的にそれを信じてしまう。それが兄弟の亀裂に進展するのだけど、人間も同じだなあと。ドロドロした人間の場合、「兄・弟・姉・妹のため」と言って、自分の利益だけを優先してしまう人もいる。まずは自分優先なのは人間らしいと言えるのかもしれない。

 姉、兄、弟と立場が違えども、お互いを思いやる気持ちは神様も同じだと思う。この作品からそんなテーマが見て隠れしていた。