人生のおつまみ

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【読書 12-③】:『この世界に i をこめて』-恋愛小説を書くということ

小説を書くのは難しい。その中でも天才は簡単に創作するようで、すごく苦しんでいる。作中では、中学生でプロの小説家になった女子高生と小説が好きな男子高校生の小説に対する考え方のぶつかり稽古が行われていた。小説を書く楽しさ、悲しさ、難しさが伝わってくる。著者の佐野さんのあとがきを見て思うのは、佐野さんは小説が好きなのだということ。

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小説で世界を変えたい、それがヒロインの女子高校生の想いだった。だけど、人間を愛せないがゆえに、恋愛小説が書くことができなくなり、主人公を巻込みながら悩んでいく。普通の高校生とはまったく違う、そんな世界観で生きている二人の世界は読んでいてすごく不思議に感じた。高校生の頃には小説を読んでいなかった僕としては、新鮮な感覚でもあったのだけど。

実際に小説を書ききることはすごく難しいと思う。僕も書いた経験があるけど、毎日決まったノルマを設定しないと絶対にダレる。最初から完成度100%を目指すのだけど、それは不可能である。毎日、決まった量を書くことで、物語は進み、いつかは終わる。何度も諦めずに物語を創作できる人がプロの小説家だと思う。

ヒロインが恋愛小説を書けないと悩んでいた姿は、天才ゆえのスランプを連想させた。恋愛小説の中で、恋愛小説について悩むというのは、すごく贅沢な気もした。