人生のおつまみ

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【読書】『神様のごちそう』感想:誰かのために料理を作る

 

□はじめに:おいしいという言葉

 

誰かのために、料理を作るという行為。人間の本質の一つだと思います。具体的な対価は必要ではないですが、それでも一言「おいしい」「ありがとう」は欲しくなる。自分のためがいつしか人のためになり、その過程を表すのは料理を作るということ。ご飯を美味しく作るのは難しく、経験が必要になりますが、それぞれの家庭で親から子供へと伝える文化は合理的。その土地伝統の味。

 

神様のごちそう (マイナビ出版ファン文庫)

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料理を作る


誰かのために何かを作るのは精神衛生上すごく大事です。仕事の出発点であることも多く、自分のためよりも、かなり動機が強いと言えます。誰かが喜んでくれるから料理を作る。親が子供に料理を振る舞うのは、子供の笑顔が見たいから。料理を作るだけと言いますが、手間がかかり、時間もかかる非常に大変な仕事。だからこそ、精神的な報酬として、喜んでくれるというのはすごく安心します。

レシピの大事さ

 

料理を作る時にはレシピが必要になります。勘で作ってもいいのですが、それまでの料理経験がもろに出てしまうので、奇抜な料理になることも多々あります。レシピ=教科書なので、まずは基本に則して料理を作らないと、応用がきき難くなります。料理人が修行としてお店に入るのは、レシピを体験として学ぶ意味あいもあるのでしょうね。厳しい修行ですが、目で見て、身体で憶えるからこそ、お店の伝統的な味が再現できるようになるからです。

 

 

最近だと料理の専門学校で短期間でお店以上の味を再現できるとか。確かに何年も修行するよりも効率的ですが、ブランドのあるお店の許可を得るために、長期間修行するのは、それはそれで合理的な気もします。実力よりも看板。長期間の修行で、看板とお客さんと実力が手に入れば、自分の腕そのものがブランドになっていきます。

最後に:料理は物理現象に近い


料理って、物理現象の集合です。切ったり、熱したり、混ぜたり。味が複合的に絡み合いことで、美味しい一つの『味』に近づく。基本的な物理現象を学ぶという意味で、レシピを見てみるのは悪くないです。僕が子供の頃は、母の味を学ぶことも多かったと思います。レシピを体験を通じて教えることで、料理の基本が分かります。プロになれるかは分かりませんが、毎日食べる料理としては十分すぎる味です。何事も基本が大事です。