【読書】『雪のひとひら』の感想:擬人化して相手に立場について考えることも重要ですが、自己満足な部分にもなる。物事を理解することには役立ちます。
雪を擬人化して、人間みたいに扱うと感情移入できるかがポイントに思いました。人生色々ありますけど、雪から見た世界もかなりキツい。あっという間に溶けますし、身体も強いわけではないですから。自然界とは人間の言語では会話できませんが、もし自分が雪だったらというイメージで考えると割と面白く感じます。
- 作者: ポールギャリコ,Paul Gallico,矢川澄子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11/27
- メディア: 文庫
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今だと、マンガ、アニメ、小説でも擬人化は確かにあって、子供番組でも多いです。情操教育で、相手の立場で考えることは、コミュニケーションの基本なので、擬人化することで、色んな現象な物事に対して、自分の考えを持つ事ができます。それに普段に関わらない物事に対しても、擬人化したことで言葉を話せるようになるので、コミュニケーションが取りやすくなります。
ただ、人間が勝手にイメージしているだけで実際は違うこともあると思います。言語が分からないのですから、感情の変化が分からない。痛いことが相手から見たら分からないとか。擬人化のデメリットですが、あくまで人間のイメージなので、本当かどうかは分かりません。人間の自己都合を押しつけている感もあります。まあ、物事を理解する上では有効な手段なので、ある程度は仕方がないのかもしれません。
結局、擬人化して、人間以外のものを理解したい気持ちは分かりますが、自己満足的な側面もあります。観察して実験しても、感情みたいなものは検出が難しいですし、それを考えると自然科学を否定することにも繋がりますから、中々に難しい。擬人化は物事を分かりやすくする手段として有効です。マンガなどでは、擬人化することで、物語に幅を持たせられるので面白いですが。