人生のおつまみ

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『かくりよの宿飯シリーズ 友麻碧』-転職の時期に読んだ、人生を変えてしまった作品。異世界モノだが、料理で対話していくのがキャラの個性だと感じた。

もうエンディングを迎えてしまったシリーズだけど、非常に面白い作品。昨今のあやかしミステリ小説の発端となった作品と言っても過言ではない。あくまで僕のイメージであるのだが、好きなシリーズだけに新作が本屋に並ぶたびにワクワクしながら買っていた。最近はそんな小説がほとんどないので、非常に懐かしい想いがする。とは言っても友麻さんの作品は他にもあって、楽しめるので面白く読ませてもらっている。恋愛要素もあるのだけど、それ以上にあやかしとの関わり方が興味深く、実際の人間関係をイメージしてしまうこともある。


この作品との出会いは、転職活動の時。精神的にヤバくなっていた頃に出会った作品であるからこそ、印象深く長く付き合うことになっている。テンポがよくキャラクターにも個性が感じられるので読んでいて飽きない。かくりよ宿シリーズは異世界転生なんだけど、料理という武器であやかし達と渡り合うのが画期的だ。料理をあやかしを癒しながら、物語が進んでいく。主人公に特異性があるにせよ、典型的な異世界転生とは違って、チート的な行動で物事を解決したりしないところも、主人公を可愛らしく魅せている要因である。キャラが可愛いというのは、作品の魅力の一つだと思う。


人生の転機、僕の場合は転職の時だったけど、その時に出会った作品は何であれ心に大きなインパクトを残すもの。人によっては小説だったり、哲学書だったり、理学書だったりするのだけど、人生を変えたり、きっかけを作ってくれる作品はとても大切になる。難しい本だけが人生のきっかけになるとは思わないし、人生が変わるきっかけってそこら辺に転がっているので、それを如何に見つけてつかみ取るかがポイントだと感じる。色んな想いがあるけど、無限の選択の中で何を選ぶかで自分の人生は変わってくる。


友麻さんの作品は、優しい話でキャラが活き々々している。主人公の女性は芯が通っているが、そこから脆く、それをまわりが助けるという展開で物語が進んでいく。キャラ同士の掛け合いが自分好みであり、ニヤニヤしながら読んでしまう。それでいて、キャラはそれぞれが自立していて、大人だなあと感じるけど、その中に垣間見える幼さや弱さが上手く表現されていて、自分の人生に納得感を与えてくれる。ライトノベル的な作品に分類されていると思う。しかし、異世界モノみたいな無双感はないし、単純にはいかない人間関係もある。気軽に読めて、自分のテンションとやる気を上げてくれる、そんな作品が友麻さんの魅力。

 

かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。 (富士見L文庫)