人生のおつまみ

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日本で愛される鬼滅の刃。ジャンプ漫画として売れている理由を9個言及した

鬼滅の刃が完結して少し経った。いまだに余韻に浸っている人も多いと思うが、ここまで社会現象になるとは思わなかった。なぜここまで売れるようになったのか。アニメの影響が多分にあるが、ストーリー・キャラが見事で読んでいて楽しくなる。なぜ日本でこれほど愛されたのか?自分なりに考えてみる。

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①大正時代を舞台にしたアドベンチャー

日本を舞台にした作品は多くあるが、大正時代は読者にとって珍しかったのだと思う。明治時代はろろうに剣心があるが、時代の転換期である明治の世の中はまだまだ技術が発展途上であり、まだまだ世の中で不安定な時期だった。逆に大正時代は大正デモクラシーみたいに景気が良かった時代でもあり、特に東京ではかなり活気があったようだ。刀は基本的に一般人は持てないが、車や機関車も乗り物として普及してきた時代であったため、現代の感覚で読めることも強味の一つだったと思う。時代漫画で斬新で今の読者にも受け入れられる設定となっている。そこが一つの売れた要因かもしれない。まあ、時代設定はアニメの影響もあるので、上手いこと相互作用した結果である。

②ワンピースのライバルマンガ

ジャンプの看板マンガは『ONE PIECE』だ。とはいえ、2019年の年間コミックランキングでは、『ONE PIECE』を上回る1205.8万部という発行部数を鬼滅の刃は記録している。1997年から連載を開始しており、90巻を上回る巻数をほこるジャンプの看板マンガだ。それを超える発行部数の鬼滅はかなり売れていることになる。1年間とはいえ、『ONE PIECE』を超える人気を誇った鬼滅の刃はまさに社会現象と言えるだろう。ここまで売れるとは思わなかったが、現状として『ONE PIECE』のライバルマンガとして存在感を出している。とはいえ、完結してしまったので、あと数巻しか出版されないことになるが、それが少し残念であり悲しい。

③売上はテレビアニメ放送後に伸びた

アニメ人気が今回の売上アップに繋がっている。綺麗な作画で、美しいアクションシーンが印象的であった。呼吸の描写はOPから話題になっており、『ヒノカミ神楽』初登場のシーンはそれまでなかった炎の描写があり、かなり盛り上がった。その美麗なアクションシーンと会話劇、それに日常的な描写によって、アニメは人気となり原作も売れていった。原作とアニメが上手く繋がり、コラボしながら高め合った結果だと言える。中々これほどな価値を生み出せる機会はないので、運と時期と実力、物語とすべての要素が上手く絡み合った結果と言えるのではないか。実際に僕も鬼滅の刃はあまり知らなかったが、アニメを見て盛り上がって原作を買ってしまった経緯がある。マンガを売る一つの手段として、アニメを制作するというのは可能性を広げる意味で非常に効果があるのではないか。ここまで成功するのは珍しいが。

④万人受けでなかったのがアニメ化で?

マンガとしては決して万人受けするものではなかったと思う。メインキャラクターが簡単に退場して再登場が絶望的な展開になっていた。折角登場しても、退場となるとかなり悲しくなる。ドラゴンボールのような万能アイテムがない世界なので、絶望感が半端じゃない。それが、アニメで躍動感が出る事によって、物語の面白さがそれらを上回った。だからこそアニメ後の売上がすごく伸びていて、まさにアニメの影響力が凄まじかったというわけだ。基本的にアニメ化は単行本の売上を伸ばすもので、知名度アップにアニメは貢献している。鬼滅の場合は、多数のファンを獲得し、さらにライトな層にも受け入れられたことによって、想像以上の売上を達成した。

⑤アニメ制作はufotableが担当

Fateで有名なufotable鬼滅の刃ヒットに貢献したのは誰の目にも明らかだろう。質の高い作画、人間ドラマの描写が魅力のアニメ制作を得意としており、まさのアニメヒットの立役者はufotableと言える。固定ファンが多いufotableを起用できたという事実はすごいことだと思う。アニメの出来は制作会社で決まってくる部分はどうしてもある。アクションシーンが有名だが、魅力的な会話劇なども好評で、特に終盤の柱集結のシーンは印象深い。アニメは最近は作画が崩れただけで割と批判的なコメントが出たりするので、かなり美麗なアニメーションを作るufotableがアニメを作ったというのは鬼滅ヒットの本質の一つだと感じる。

⑥全世代に売れている

ニュースで読んだことがあるが、子供だけではなくて両親・祖父母世代にも人気があるという。家族で見ていたら、親世代がハマった。そして、祖父母世代は孫と接するうちに鬼滅と出会い、一緒に楽しんでいるそうだ。特に親世代はドラゴンボール直撃世代が多いので、童心にかえった気分でジャンプ作品である鬼滅を見てるようだ。僕が思うのは、子供や若い人はキャラ(炭治郎、善逸、しのぶなど)が好きで、親世代はストーリー展開が好きではないかという点だ。大人になると、マンガを多角的な視点で読むようになる、つまり敵味方多くのキャラの立場から物語を見る事になるので子供の頃とはまた違った読み方になっていく。意外だったのは、祖父母世代が孫達と一緒に鬼滅の絵などを書いている点だ。祖父母と孫との交流が鬼滅の刃を通してできるのは、素晴らしいことだと思う。

⑦「鬼」と「鬼殺隊」の関係が分かりやすい

鬼は数々の作品で取り上げられているが、鬼滅ではドラキュラ的な要素が強い。鬼滅のプロトタイプでは、吸血鬼的な要素が強かった。でも、鬼滅では最初の鬼は一人で海外の鬼などは出てこない。日本の中で完結するように構成されている。ある意味で閉じた世界観だから、「鬼殺隊」との関係性もシンプルになって、分かりやすい。さらに「鬼殺隊」は実働隊は「柱」を頂点とした、所謂上司と部下的な関係になっていて、現実と比較しやすいようにもなっている。キャラの個性も強いから、ライトなファンでも簡単に理解して面白さを感じるように設計されているところがいい。ネットラジオでは「鬼退治」と紹介されているが、まさに桃太郎と一つのモチーフとしている部分もある。まあ、そーゆーとほとんどの物語が何かしらの昔話を参考にしているので、そこは共通点かもしれない。

⑧どこにも売っていないから欲しくなる

物語から離れるが、本屋などで売り切れ続出で買えないときがあった。それが余計人気に火をつけたと思われる。実際に、本以外でも人気作品で売り切れだと余計ほしくなるのはよくあること。売上ランキングで常に上位を占めていたので、話題になってからは本屋でも売り切れだった。限定版ともいえる状態になっていたわけで、欲しくて欲しくてたまらない人が多かったと思う。まわりが読んでいて、自分が読んでいないと孤独感が増してしまうので、何が何でも欲しかったということもあるだろう。売り切れだと、さらに話題になるからこそ、『鬼滅の刃』は人気となり、よりライトなファンにも読まれるようになる。社会現象になるほどの人気になったのは、話題になった後の売り切れが一つの要因だと思う。

⑨今年以降は鬼滅の話題が増える

2020年の秋に『鬼滅の刃 無限列車編』が公開される。アニメ終了後の完全新作で今でも話題になっている。現状関連商品も多数販売されているが、大ヒットしたために、グッズやコラボレーションが不足していたらしい。しかし、現在ではお菓子のコラボレーションなどの企業とのタイアップが活発になっていって、グッズの準備も万全に近い。それに伴い作品の露出が増えていく。完結したが、確実に来年以降も新刊が発売され、おそらくアニメ2期も制作されるだろう。アニメから始まった人気爆発だけに、続編が制作されれば人気は継続され、再び盛り上がっていく。終わった物語だからこそ、結末が分かるわけで、それがどのようにアニメ化されるのかが非常に気になる。

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