【書評】『キャプテンサンダーボルト』〜コロナ禍からの視点〜
キャプテンサンダーボルト
伊坂さんと阿部さんの合作なんだけど、仙台が舞台で楽天イーグルスの話題が出てくるので、伊坂さんが好きなら楽しむことができる。ゴールデンスランバーのように追われる立場の主人公達が戦隊ヒーローの過去を手がかりにある細菌についての真実に迫っていく。新装版なので、上下巻が合体したのだけど、当時読んだ頃に比べて、コロナ禍での視点が大きく変わっているのでかなり注意して読んだ。警察官がマスクとゴーグルをして迫ってくるシーンなどは現在の状況をすごく予見しているように感じた。
ゴールデンスランバー
同じく伊坂さんの意欲作。急激に作風が変わってビックリしたけど、追われる主人公のドキドキ感に共感してしまって、かなり集中して読んだ。巨大な国が敵として自分に相対した時に、伊坂はどうするのかがキャラを通じて描かれている気がした。異世界転生のように、無双できない普通の一般人がどういう最後を選択するのか。それが物語の鍵となっている。
永遠の0
夏に思い出したように読んでいた。特攻隊の一人の男性について、取材形式で主人公が祖父である男性の人生に迫る。実写化もされたが、学生当時に読んだ頃よりも自分の考え方が変わってきて、自分を突き通すのがいかに難しいかが分かるようになった。戦争を経験した色んな人々が出てくるが、そこに人生が詰まっている。人生というのは本当に難しい。