人生のおつまみ

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【映画】大阪が舞台で君の名は。を思い出した『ジョゼと虎と魚たち』-車椅子の現実と夢とのギャップって?

ジョゼの映画を見てきました。Wikiepdiaを調べてみると、過去に実写映画が公開されていたそうですが、僕は知らなかったのでアニメが初見です。原作小説があるみたいですが、アニメ化に当たって違う部分もあるのかもしれません。青春恋愛映画と謳っていましたが、内容は重く、車いすの現実と現実への絶望みたいなものがあって、少々哲学的な作品でした。

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音楽は心地よく、作画もいいので見ていて気持ち良くなります。恋愛はテーマの一つですが、終始『夢』のことがジョゼと恒夫に降り掛ってきて、二人を悩ませます。君の名は。を見た時と同じように、いい小説を読んだ後の読後感みたいなものがやってきます。

[参考]:ジョゼと虎と魚たち - Wikipedia

足が不自由で、車椅子がないと動けない。そのため、ほとんど外出したことがなく人形のようになっているジョゼと、大学を出たばかりの共棲みの管理人・恒夫。二人はひょんなことから出会い、お互い惹かれ合っていく。なお、ジョゼの名前の由来は彼女の愛読書フランソワーズ・サガンの登場人物の名前から。

物語の舞台は大阪

物語の舞台は大阪。恒夫は標準語ですが、ジョゼはバリバリの大阪弁を話しています。これってかなり珍しくて、関西が舞台でも標準語になることが多いです。そうしないと、それ以外の土地、特に人口の多い東京では理解できない可能性があるので、そのようにしていると思いますが、ジョゼの大阪弁は結構心地よくて、標準語の恒夫といいコンビになっています。

祖母と二人暮らしであるジョゼが恒夫と出会うことで、成長していく姿はすごく感動的でした。物語ってキャラクターが劇中で成長していくのも魅力の一つなので、こーゆー素晴らしい表現はまさに最高の一言。

出会いで子供から大人の女性に変化

最初は幼いジョゼですが、恒夫と交流する度にどんどん魅力的になっていきました。一緒に海に行った後からは、ジョゼは髪型や服装にも気を使うようになって、顔つきも変わってきました。いや、作画上は同じかもしれませんが、僕視点だとジョゼの顔は充実感に満ちあふれていました。

男性でも女性でもそうですが、たった一人の人間と出会うことで、一気に外面も内面も変わってきます。誰かに見られることで、その人の内面と外面が変わることがあるって何かで見たことがあるので、それが上手く描写されていました。

夢を追うことの難しさ

二人は内容は違いますけど、夢を持っています。ジョゼは絵で生きていく事、恒夫はメキシコである魚の群れを見る事。ただ、物語ではそれを邪魔するような現実が次々に襲いかかってきます。二人が幸せそうでも、物語である以上、いつかは起承転結の『転』がやってくるだろうと戦々恐々していましたが、結構重たい内容だっただけに、どのようにして解決していくのかが気になっていました。

二人とも、夢に折り合いを付けるわけではなくて、一生懸命追って行く選択をしましたが、言うのは簡単ですが、行動するのは難しい。

出会いで変わる運命

ジョゼと恒夫は偶然がないとまったく出会わなかったと思う。ジョゼは祖母の言いつけで引きこもりであり、恒夫は半年後に留学する大学生。ジョゼがたまたま外に出てしまって、後ろから押されるという現実から二人は出会った。まさに偶然なんですが、人間って出会いでまったく違う人生になってしまうと思います。

お互いに影響しあって、二人の人生が交差していく。そーゆー出来事があったから物語は進んでいく。恋愛映画にありがちだけど、現実でも同じであって、出会いで人生が大きく変わってしまうことはよくあること。仕事でもプライベートでも、一瞬で変わってしまう。物語では、そこを起点にして、変化がどんどん生じていってしまう。

現実=虎との戦い

物語では、ジョゼは現実と向き合う時には、虎という仮想敵を想定して行動している。動物園に行って実際に虎を見て、そこから色んな行動を実践していった。映画では、現実の偶像として虎というキーワード。終盤では、ジョゼが何かを決心する時に虎に会いに行く。恒夫と別れると思っていて、実際そーゆー雰囲気だったのけど、ハッピーエンドで終わって良かったと思う。

ジョゼは事務をしながら絵本作家を目指し、恒夫は留学していった。桜並木で二人は再開するわけなんだけど、出会いって大切だなあと思ってしまう。足が不自由なジョゼだけど、外出した結果として恒夫と出会った。恋愛映画で非常に大切な『出会い』の場面が印象に残っている。

 

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