人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

太陽フレアでツイッターが使えなくても「紙製ツイッター」がある?ー書くのが好きなので試してみたい

kyoko-np.net

概要

 太陽フレアによる通信障害でツイッターが使えなくなった場合でも、紙に書き込んでツイートできる「ペーパーツイッター」の街頭配布が8日早朝から東京都内で始まり、ペーパーを求める利用者らが長蛇の列を作った。これまで多くの利用者が味わってきた「ツイッター障害の愚痴をツイッターで発信できない歯がゆさ」の回避に一役買いそうだ。

感想

ツイッターが使えない

ツイッターが使えなくなると、簡単につぶやけない。

SNSの発達はいいけど、ツイッターはインフラの一つになった。

▼色んな情報があるけど、玉石混淆なので自分の知識が試される

▼140文字と制限があるからこそ、物事を要約できる力がつく

▼国語の試験よりも、人にシンプルに話しやすくなったりする。でも、仕事だとマゴマゴしてしまう。プレイベートだとスラスラいえるのに。

ツイッターの代わりって中々ないね。テレビやイベントの実況に最適で、大きなイベントの時にはよくタイムライン見ています。

▼有名人もツイッターを使っているし、色んな情報が入ってくる。ここまで発達するとは思わなかった。

紙ツイートの醍醐味

▼自分で紙に文字を書いてみると楽しい。普段考えないアイディアが出てくることもある

▼綺麗な字で書くと不思議な満足感が。ネット時代の今だからこそ、紙で書くことを大切にしていきたい。

▼紙ツイートを書いていって、ファイリングすると見返した時にきっと楽しい。収集癖があるとのめり込む可能性も。

▼勉強好きとか本好きな人が紙ツイートを書いて、それをツイッターに画像でアップしても面白いと思う。字から人間の想いみたいなものが伝わるから。

▼紙のツイートはいいけど、他人から貰ったとしてもゴミになる可能性も。ネットのツイートは見ていても邪魔になりませんからね。通信費はかかるけど。

▼ペーパーツイッターってアメリカあたりでビジネスになりそう。でも、日本でも俳句ととか短歌という短文で想いを伝える文化があるから、日本でも仕事になるはず。

ペーパーツイッターはブロックメモ

▼よく考えると、ツイッターってメモなんだと思う。人に見せれるメモ。

▼ブロックメモは仕事でも使うことがあるけど、仕事のメモでツイッターはダメ。秘密が漏れるから。

▼ツイートって何万ツイートにもなったりするけど、それをペーパーツイートにしてファイリングしてみたい。自分のちょっとした歴史になりますから。フェイスブックも同じような機能があるけど、ツイートはリアルタイムでちょっとしたつぶやきも楽しめます。

▼ブロックメモなら、ツイートに数式とか書けるようになるといいかもね。理系コミュニティなんかが誕生しそう。

紙のツイートでリツイートは一つか二つ?

▼紙のツイートって、見せれても一人か二人。友達が見たとしても、10ちょっとが限界ではないのかな?

▼ネットと違うから拡散力がない。

▼そもそもリツイートって、他人のツイートを自分のフォロワーに見せる行為だから、少人数にしか渡せないペーパーツイートだと意味がないと思う。

最後に

虚構新聞のネタとしてはすごく面白い。

▼紙に文字を書くという、今だと機会がめっきり減った行動だからこそ、大切。

▼文字を書くことで漢字を思い出せそう。漢字を忘れてイライラすることが増えたから。

【読書・感想】『ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎』ー伊坂さんの書く「権力」ってすごく怖い

あらすじ

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ? 俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。 

感想

○伊坂さんの作風が急に変わってびっくりした。

○主人公が最後まで逃亡するのは、予想に反してどこか納得してしまった。

○国家権力が相手だと、個人の力って微々たるものだなと再認識。

○序盤の展開と伏線が絶妙で、伊坂らしかった。

 

○主人公が逃亡途中に出会った殺し屋のイメージが、西部警察の大門さん。

○多作品にも出てきそうな、シリアルキラーが怖い。

○軽自動車に乗っていた人が可哀想……。

○国家の闇を感じた。割と衝撃的。

○実在の事件をモチーフにしたらしいけど、伊坂さんが書くと妙な現実味がある。

○文庫版のエピローグに少し泣いた。

○映画もいいけど、小説も想像力をかき立てられるから好き。

 

ゴールデンスランバーと同じ世界観なのが『モダンタイムス』だと思う。あっちは、一矢報いるし、魔王の主人公の敵も討つから良い。

○『モダンタイムス』は最後のエピローグが素晴らしい。何気に『魔王』にもきっちりその場面がある。

○国家権力対個人ということだけど、伊坂さんに心境の変化でもあったのかな?

 

○私は単行本で読んだけど、文庫も読んでしまった。割と好きな作品だと2冊買ってしまう。なぜだろう?

○人ってちょっとしたことで人生が変わってしまうから、面白い反面恐怖もある。

○伊坂さんの小説の中でも、爽快感よりも恐怖が印象の残る作品。

○面白い作品だけど、自分以外が敵ってものすごい状況。

【読書・感想】『魔王 伊坂幸太郎』ー『モダンタイムス』の前日譚

魔王ってタイトルだけど、何が魔王なんだろうと考えました。反アメリカが叫ばれる世界という設定の中で、それに少しだけ立ち向かう主人公が出てきます。展開的には、伊坂さんらしくて、結局敗北してしまうのですけど、それが後半のストーリーに繋がっていきます。兄と弟という、重力ピエロを思い出させてくれる話で、繋がりって強いなと思いました。

前半と後半に別れていますけど、前半の話は終盤の展開に凹みました。超能力を持つ主人公が巨大な闇に立ち向かうのですけど、何もできないで終わってしまいます。ゴールデンスランバーよりも過酷で、それほど長くない話ですが絶望感が凄かった。魔王ってタイトルも色んな背景があって、かなり難しい。

 

この話は、伊坂さんの『モダンタイムス』の前日譚で、2冊読むのが良いですよ。魔王でモダンタイムスの話が出てきたり、その逆だったりと読んでいるとニヤニヤできる部分が多くなっています。大きな闇や組織に立ち向かうのですけど、マンガのように勝つのではなくて、一矢報いて終わる展開。でも、納得はできるようにはなっています。

 

伊坂さんは好きな小説家なんですけど、この頃の作品は、内容は苛烈で冷酷な展開が多くてちょっと怖かったです。しかし、魅力的な女性キャラが多く誕生して楽しませてくれたので、非常に印象に残りました。『魔王』のとある女性キャラが『モダンタイムス』に出てきます。性格の似たキャラが『死神の浮力』にも出てきますが、芯が強く余裕のある人間って本当に魅力的です。

【読書・感想】『神様の御用人 浅葉なつ』ー日本書紀や古事記について知りたくなる小説

神様も人間みたいな側面がある。そんな想いにさせてくれた小説でした。主人公もフリーターですけど、元社会人野球選手という背景がある分、感情移入ができます。

2巻以降で本格的に出てくるヒロインの性格も良いですし、シリーズ化もされていてとても面白い作品。キツネの姿をした方位神の黄金もスイーツ好きという属性があり、親しみを持てます。

内容も難しくなくて、専門用語で神様の名前が難しかったりしますけど、ストーリー構成とキャラの内面がしっかり描かれているので、あまり気になりません。日本書紀古事記の解説もあって、勉強にもなります。

中学生や高校生ぐらいの時に読んでいたら、多少人生が変わったかも。日本史は好きですけど、神々が活躍した時代についてあまり興味がなかったので、内容はそこまで頭に入っていませんでしたし。

歴史とか勉強する時には、小説やアニメ、マンガから学んだ方がいいかもとは思います。内容が頭に入ってきやすいですし、毎日読んでも飽きないので。難しい専門書は敷居が高いので、日本書紀とか古事記について学ぶならこんなライトな小説がいい。

神様にも色んな性格があって、悩みがあって、実に日本らしい。日本だと色んな神様がいるという信仰ですけど、その神様について勉強してみようかなと思わせてくれる作品となっています。

【読書感想】『容疑者xの献身 東野圭吾』ーガリレオの人間性が一気に出てきた小説

東野圭吾さんの代表作、『容疑者xの献身』です。第134回直木三十五賞受賞作であり、使われたトリックから、本格ミステリかそうでないかがミステリ作家からも議論を呼びました。湯川先生ことガリレオ先生と、湯川の盟友の数学者・石神との対決がメイン。ガリレオの親友とも言うべき人物の登場で、湯川の人間性が一気に出てきました。私は単行本で買ったのですが、それで読んでも後悔のない素晴らしい作品となっていました。

ガリレオシリーズ3作目で、それまでの湯川とは違った内面が描かれ、読んでいて楽しい作品になっています。物理学と数学の対決のようで、盟友の湯川と石神の友情が描かれています。それまでの作品から、湯川は感情の起伏が少ないと思っていたのですけど、石神の登場で、大学時代での暮らしなど背景が一気に分かりました。

恋愛経験のほとんどなかった石神が、ある親子のために命をかける。そこには、恋愛感情以上のものがあり、男性だけではなくて女性にも共感できる作品になっていると思います。石神の感情を描きながらも、数学者らしく頭を使ったトリックや、自分が助けた親子のために色々な工作をしていきます。人のために命をかけて湯川と対決する姿は、単純な犯人像ではなくて、正義はどちらにあるかを考えさせてくれます。

映画化もされていて、原作とは少しだけ違いますけど、かなり近い。石神の堤さんが好演で、原作を読んでいなくても、面白い。テレビでは湯川を福山さんが演じていましたが、これも良かった。初期の構想では、湯川はイケメンではなくて、佐野史郎さんをイメージしていたとのことですが、今では福山さんのイメージにありましたね。暗い作品でもなく、石神の救いの物語となっているからこそ、最後のシーンには衝撃を受けます。日本らしい、人間の内面を描きながら、湯川の奮闘が印象に残った作品。東野さんの作品らしく、読みやすいので週末に読んで見るといいと思います。

 

『図書館戦争 有川浩』読書感想ー恋愛要素とバトル要素が絡み合った小説

有川浩さんの人気小説、『図書館戦争』です。恋愛要素とバトル要素が絡み合ってかなり面白い作品となっています。自衛隊をモチーフにしている図書隊の活躍は男子向け、主人公でヒロインの郁と鬼教官の堂上との恋愛が女子向けなんだと思いました。

恋愛は巻が進むごとに進展していきますが、苛烈な図書隊の現場がそれを引き裂こうとしたり、物語としてかなり面白くなっています。サブキャラも個性的なキャラが多くて、短編の話でも楽しく読めます。

 

アニメや実写化もされていますが、私はアニメ版が好きでした。実写も良かったですけど、実際に人の生き死にがかかる戦闘も頻繁に起こるので、アニメにリアリティが出ています。

アニメとなり、キャラが実際に動いてみると、イメージとは違った印象は持ちました。ちょっと原作と違うんじゃない?と思うこともありましたけど、それがアニメや実写の良さなので、別物として楽しむのも良いです。

 

有川さんのメッセージとしては、戦前のように本が検閲され、表現の自由が侵害されるかもしれないというもの。図書館戦争の世界の中では、検閲が行われて、世の中に言論統制がしかれおり、反対すれば実際に人が死ぬ。

怖い世の中となっている世界なんですけど、その中で図書隊が奮闘する姿はカッコいいと思いました。一人一人の信念がしっかりと描かれているので、感情移入もしやすい。本編全4巻+外伝2巻な構成なんですけど、長いのに短いそんな印象の作品です。

 

図書館や本に対して色々考えることがあった作品。図書館法やメディア良化法など、専門用語が出てきますけど、自衛隊や警察、政治家などをモチーフにしているので、現実と非常に近い世界観になっています。

残酷な描写もありますが、そこもリアルです。自衛隊マニアの有川さんの本領発揮な作品となっていて、代表作の一つ。小説は長いですけど、私は3、4巻がオススメです。主人公の郁の成長と行動に感動します。

 

『鳥居の向こうは、知らない世界でした。 友麻碧』ー女子大生の主人公が異世界の『千国』に迷いこむ話

女子大生の千歳が、神社の鳥居を越えて、『千国』という異世界に迷いこむという話になっています。そこで、薬師の零の弟子になり。様々な出来事を通して自分を見つめ直していきます。著者の友麻さんらしくて、料理も一つの軸になっています。男性でも女性でも楽しめて、ライトノベルに近いと思います。

主人公の千歳の境遇が結構悲しくて、血の繋がっていない母親と娘にいじめられたりして、かなり過酷な状況で暮らしています。父親も情けなくて、千歳を守ってはくれませんから。主人公としてはかなり厳しい環境ですけど、だからこそ異世界に行く必要があるのかなとは思います。ストーリーを読んでいくと、本当の父親は異世界人っぽい描写はされているので、これからの展開に期待したいです。

 

異世界ものなんですけど、千歳が可哀想に思えるので、千国では幸せになってほしいと思います。

 

千歳の環境をイメージして思ったのですけど、やっぱり自分に自信を持つためには、家庭環境って大事なんだなあと。義理ですけど、親から否定されたら歪みますよ。それでも、歪んでいない千歳はすごい。まあ、母親からしたら、血のつながっていない、夫の娘がいきなり来たら邪魔と考えるのは仕方がない部分もあります。最近流行の異世界ものですが、主人公が圧倒的に強いわけではなくて、ちょっとずつ自分を取り戻していく話になっているのが良かった。

 

 

【社会】『プレミアムフライデー』−まとめ・お客さんが来ずに通常営業に戻す話

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プレミアムフライデーが7月で半年を迎え報道が減少 客が来ず通常の営業に戻す店も - (1/1)|ニフティニュース

  • 今年2月からスタートしたプレミアムフライデーが、7月で半年、6回目を迎えた    
  • 飲食店経営者は「1時間早く開けるのはしんどい、5回目からは通常営業に戻した」と話す    
  • 「1、2回目はお客さんが来たなって感じはあったが、それっきり」と話す飲食店従業員も

 

プレミアムフライデー始まって、7月で6回目を迎えました。大手企業では、積極的にプレミアムフライデーに午後休の取得や3時退社するようにしているみたいですけど、サービス業にはそれほど大きな売上にはなっていないようですね。コンビニでは、限定スイーツなどが販売されていて、一消費者としては嬉しいですが、大きなお得感はありません。飲食業界ではもっと厳しいようで。

 

テレビなどでは、3、4時ぐらいから営業を開始する飲食店がありましたが、まだまだ厳しいとは思います。プレミアムフライデーが浸透していないですし、1時間早く開けても売上は大きく変わらないですから。それなら、普通に開けてじっくり準備するほうが良い。しかも、東京では、飲食よりも旅行業界に影響が大きい模様。確かに、金曜日の午後が休みなら旅行に行こうと思うのは、当然の流れ。

 

プレミアムフライデーも恩恵を受ける所と受けない所があると思います。コンビニなどは、新商品を投入できますし、営業時間も影響はありません。24時間営業で、限定スイーツなどが売れてくれるなら言うことなし。逆に、個人経営のお店などは、安い商品などで対抗するしかないわけなんですけど、1時間か2時間程度早く退社したからといって、そちらに中々お客さんは流れないですよ。結局、通常営業していた方が、メリットが大きい。1時間多く働いても、疲れるだけで打ち上げはそう変わりませんから。

 

何かの雑誌で、プレミアムフライデーにも大きな経済効果があると書かれてあったと思いますけど、それって、一部の大企業が恩恵を受けるだけで、ほとんどの業界には関係ないのでは?金曜日が休日になるなら影響も大きいでしょうけど、金曜の午後3時退社で大きく経済が変わるとは思えません。あくまで現時点なので、3年後ではまた変わった結果になっていると願いたいですけど、私なら3時退社しても、定時上がりと変わらない行動を取ると思います。

 

『どちらかが彼女を殺した 東野圭吾』のあらすじと感想ー加賀シリーズで犯人が最後まで分からない小説

OLである和泉園子は、ある日路上で絵を売っていた佃潤一と恋に落ちる。しかし親友である弓場佳代子に潤一を紹介して数ヶ月が経ったある晩、潤一から別れ を切り出される。潤一が佳代子に心変わりしたのが原因と知り、園子は深く絶望する。それから数日後、園子の兄康正は遺体となった妹を発見する。巧妙に自殺 を偽装されていたものの肉親としての直感から他殺であると看破した康正は、自らの手で犯人に裁きを下すことを決意する。やがて潤一と佳代子に辿り着いた康 正は確信する。潤一と佳代子、どちらかが彼女を殺した

 

東野圭吾さんのある意味で挑戦的な小説です。犯人が最後まで分からないストーリー構成になっています。内容を論理的に読んでいけば分かるらしいですけど、私は分からなかったです。文庫版では、ある一文が削られたらしいので、難易度がアップしているとのこと。分からなくても、最後に袋とじがついているので、正解にたどり着くことができます。

 

和泉園子が殺されて、容疑者が親友の弓場佳代子と彼氏の佃潤一に絞られます。探偵役としては、園子の兄の康正と加賀恭一郎の二人でメインは康正。妹の復讐に燃える康正が、犯人を追いつめていきます。物語の中では、加賀と康正の友情みたいな部分もあって、加賀シリーズとしてもかなり面白い。真犯人は、加賀の言動を注意してみると、分かるようにはなっています。彼らしくない、厳しい言葉を浴びせるので、何となく犯人にたどり着ける。この辺は、東野さんの優しさなんでしょうね。

 

この小説が発表された当時は、読者からの問い合わせが殺到したそうですが、私も気になりました。ミステリが好きで、犯人が分かるまで考える人ならともかく、私は最初はそこまで深く読み込みませんから、最初読んだ時には少しストレスが溜まりました。ただ、今の時代はネットの力で犯人が簡単に分かるので、同じようなスタイルの小説は出てこないかもしれないです。

 

犯人が分からないというのは結構ストレスが溜まります。私は気楽な気持ちで読みたいので、犯人が分からないとイライラしちゃいます。それが狙いかもしれないですけど、袋とじか何かでもっと簡単にまとめてくれると嬉しいなとは思いました。物語のメインは康正であり、加賀はサポート的な立ち位置です。何気に二人が居酒屋で語り合うシーンが良かった。男女間の関係がドロドロしている反面、同じ警察官としての話合いが緊張感がありましたから。加賀シリーズですけど、内容的にドラマ化は難しいと思ますが、結末をどのように表現するのかは気になります。

【読書】『悪意 東野圭吾』あらすじ・感想ー加賀が登場する人の恨みや嫉妬をテーマにした話

人気作家が仕事場で絞殺された。第一発見者はその妻と昔からの友人。逮捕された犯人が決して語らない動機にはたして「悪意」は存在するのか。

 

東野圭吾さんの小説で、人の悪意をテーマにしている話です。小説家の日高邦彦が死ぬ所から物語が始まり、国語教師の野々口修の手記から犯人が分かっていくという展開になります。東野さんの人気キャラ加賀恭一郎が探偵役として登場します。加賀シリーズで割とマイナーな作品ですが、私がお気に入りの小説であり、人間の『悪意』そのものにスポットを当てています。野々口の内面には、幼少期から刷り込まれた洗脳のようなものがあり、初めて読んだ時には衝撃的でした。

 

読みやすいけれど、人の怖さが分かってしまいます。社会人になってから読んでみるとまた印象が違うと思いますけど、私が読んだのは学生の頃だったのでインパクトがありました。加賀シリーズの中でも、異質な作品であり、ラストの章の語りは斬新です。単純な事件解決ではなくて、人の内面や恨み、嫉妬を感じることができ、こういう作品もあるんだなあと思いました。人の悪意とは?を真摯に問いかけています。

 

ただ、人の悪意をテーマにした作品が数多くあるので、それらを読んできた人なら物足りないかも。私が読んだ時には、ミステリにハマり出した時期なので、非常に興味深く読むことができました。犯人はすぐに捕まりますけど、真相に驚きます。人って大人になっても子供の時の悪い記憶は無くなりませんし、人生の残り時間が少なくなると、すごい行動力を発揮してしまう。それが悪意に繋がっていくんですよ。

 

同じような作品に、『殺人の門』がありますけど、こちらは違う視点からアプローチしています。『悪意』も『殺人の門』東野さんの中盤の作品であり、今の東野さんの書く小説とは異なる印象を受けます。私としては、初期や中盤あたりの小説が好きで、『容疑者xの献身』が一番好きです。何回も読んで、加賀のファンになったきっかけの作品でもあります。野々口の手記が絡んだトリックもあって、かなり面白い。加賀シリーズの中でも一番好きな作品なのですが、人によっては好き嫌いが別れると思います。