人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

【読書・感想】博士の愛した数式 小川洋子

大学生の時に読んだ、何とも悲しい話。
80分しか記憶が持たない、
元数学者と家政婦とその息子のやり取りが
何とも切なく、印象に残る話になってます。

80分しか記憶がもたないので、
メモ書きした付箋がたくさん貼ってあって、
新しい記憶も維持できない悲しさが
何とも言えません。

息子は、野球ファンで、阪神ファン
数学で言う所の、虚数など
専門用語が出てきます。
でも、文学的な説明があったりして、
特に悩む必要もないんですよ。

著者の小川さんの最高傑作とのことで、
私が読んだ大学生の頃には、
大々的に宣伝されていました。
映画化もされましたし、出来も良く、
今でも人気の作品です。

【読書・小説】『アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎』

あらすじ

ボブ・ディランはまだ鳴っているんだろうか?

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。

彼の標的は――たった1冊の広辞苑!?

そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!

清冽な余韻を残す傑作ミステリ。第25回吉川英治文学新人賞受賞。

 

ざっくりした感想

伊坂さんの代表的な作品、残酷な若者と日本を愛するブータン人の記憶に残っています。最後まで愛する人のために生きた一人の男の物語です。結末は悲しくも、暖かい。

叙述トリックで、謎の日本人の正体が最後に分かります。主人公と生きた相棒とも言える存在。過去と現在を行き来する作品の展開ですが、だからこそラストの感動があります。

伊坂さんは、純粋な悪や冷酷な描写をポイントで入れて、話に幅を持たせるのが上手いと思いました。主人公達も魅力的。ボブ・ディランを聞いてみたくなりました。

【読書・小説】アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス

あらすじ

32歳になっても幼児の知能しかない
パン屋の店員チャーリイ・ゴードン。

そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。
大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。

この申し出にとびついた彼は、
白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、
連日検査を受けることに。 

やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…

超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、
喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、
全世界が涙した現代の聖書(バイブル)。

 

ざっくりした感想

  • 本当に幸せとは何か、を問うている作品です。
    チャーリーの言葉が段々変わっていく様が、
    彼の頭脳と心境の変化に見えて斬新でした。
    文章から、知能の向上が分かるようになっていて、
    表現が素晴らかった。

  • 手術で頭が良くなったが、
    徐々に知能を失う恐怖感。
    終盤の展開は悲しくなるが、
    大切なものは何かということを考えさせてくれます。

  • 日本訳はとてもよく訳していると思いました。
    最初の数ページはかなり読み難いですけど、
    それがチャーリーの知能に関係していて、
    読んでいると複雑な気分になります。

転×恋愛×遠距離ー『イニシエーション・ラブ』

ラストの展開にはビックリ。恋愛の残酷さ、環境の大事さがよく分かる。人は環境で変わってしまうのが辛い。人間的。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

内容(「BOOK」データベースより)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

【読書】『告白 湊かなえ』

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。

語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

ざっくりした感想

  • 序盤の衝撃の展開にビックリ。子供の敵を討つという行為なのですが、文体と話の流れに圧倒されました。ラストに向けての展開もよくて、二人の少年が落ち込み、絶望していく姿に復讐のすごさ、怖さを実感させらました。
  • 終盤の展開は、序盤から想像がつかないけど、結末は悲しくも、切なくなる最後。一人の少年の愛と絶望がよく描かれていて、主人公の復讐が果たされたと思います。
  • 個人的には、短編集でもう一度見てみたい。二人の少年のラストを自分なりに想像することで、主人公の恨みの深さが分かると思うから。それにしても、少年がどんどん絶望していく様子は、言葉って怖いなと思わざるえない。

【読書】『そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー』

あらすじ

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……

そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!

ざっくりした感想

  • 一人一人いなくなっていくけど、まさか誰もいなくなるとは……。トリックも秀逸で、さすがの構成力。はじめて読んだ時には、ラストの展開にビックリしたけど、犯人の頭が良すぎてビックリしました。
  • 日本でもドラマされてますけど、やっぱり孤島の話は海外でないと無理があると思いました。日本流なアレンジもいいけれど、海外版も見てみたい。終盤のトリックはどう表現するのか。
  • 海外の小説が苦手でも割とスラスラ読むことができます。個人的には、登場人物の名前が把握しにくい海外小説は苦手なんですけど、アガサ・クリスティーの小説は気軽に読むことができます。訳者が良いからなのかも。

【読書】『カラフル 森絵都』

あらすじ

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。

だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。

真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。

ざっくりした感想

  • 真相が分かる瞬間に鳥肌がたった。終盤に『ぼく』の真実が分かるのですが、共感できる人が多いはず。思春期に読むのと大人になってから読むと印象がまったく違うと思います。
  • 天使の性格が非常に良かった。一見すると、適当に感じるけど、ラストに『ぼく』に放った言葉が印象的。逆に、『ぼく』の両親や兄は、性格的・人間的に問題があるけど、段々と彼らの本質が分かってくる所に感動した。
  • 人生疲れた時に読むと心がほんわかします。王道ともいえるストーリーだけど、恋愛要素もあって、青春小説とも言えます。ラストの展開は心に残ると思います。

【読書】『フィッシュストーリー 伊坂幸太郎』

あらすじ

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、
伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

ざっくりな感想

  • 『フィッシュストーリー』の伏線がよくて、読後感が心地よい。ちょっとした正義感が人を救うこともあるし、自分を貫くことで世界を救うこともある。壮大だけど、最初はちょっとした勇気が大切ってことなのかも。
  • 『ポテチ』はタイトル通り、ポテトチップスがポイントになっていて、家族との繋がりと絡み合って、親って子供って何だろうと考えてしまいます。人気の黒澤が出てきますし、ラストの展開は応援したくなる。
  • 4篇すべて、伊坂作品の過去のキャラが微妙に関連しています。読んでいなくもで問題ないですけど、読んでいると少しだけ深く物語を理解できると思います。個人的には、『ポテチ』が秀逸。

【読書・感想】『かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。』の5つの面白いポイント

人間が住む世界から、
かくりよに嫁に来た主人公・葵。
鬼である大旦那との生活。
老舗宿でのドタバタコメディグルメ小説。

時々、冷酷で怖いあやかしの本性などが
出てきて、葵が命の危機に晒されます。
そんな中で、武器である『料理』で
あやかしの世界を生きていくという話。

今回のこの小説について、
面白かった5つのポイントについて
書いていきます。

美味しい御飯

この小説で一番のポイントになるのが、
『料理』です。料理を作ることで、
あやかしが味方になっていきます。
身近だけど、一番大事な食事が葵の武器。

霊力はあるけれど、使い方を知らないので、
どんどんピンチになっていきますけど、
持ち前の負けん気と料理の腕で
危機を乗り切っていきます。

旅館のように、料理のお品書きも
書かれてあって、食べたくなるものも
ありました。

葵のキャラが良いのと、
どこか母性を感じる展開から人気なのも
頷けます。

料理で物事を解決する物語は
あまり見たことがなかったので、
結構新鮮でした。

魅力あるあやかし達

登場するあやかし達がすごく魅力的で、
鬼の大旦那様や雪女、狸の少女、
天狗の大御所、妖狐など、
多くの有名な妖怪が出ています。

みんな揃ってキャラが立っていて、
読んでいるだけで面白い。
シリーズを追うごとに新キャラが
追加されていきますけど、
キャラが薄いあやかしがいません。

大旦那と葵の関係

無理矢理婚約させられた感がありますが、
葵もどんどん大旦那に好意を寄せていて、
恋愛とも夫婦とも言えない信頼関係が
築かれています。

でも、もう一人の妖狐の番頭も出てきて、
ちょっとした三角関係にもなってきています。
葵の過去もまだ明らかになっていませんし、
二人がなぜ結婚しないといけないのか。
その真相が早く知りたい。

時折除く冷酷な気配

あやかしをテーマにしているだけあって、
人間に好意的な妖怪だけではありません。
時折、冷酷な描写も出てきて、
一歩間違えれば、葵も生きていないはず。

そんな怖い世界なのですが、
葵に好意的なあやかしが多いので
誤解しがちですけど、
本来は危険性の高い世界。

そのギャップも面白い一因なので、
これからのシリーズの展開に期待したいです。
どう考えても、葵の過去と葵の祖父に
大きな関わりがありので、気になります。

老舗宿を応援したくなる

現実にある旅館のことをイメージしてしまう
本作。老舗宿を舞台にしているだけあって、
働く苦労も感じることができます。

お客さんとしてではなくて、
従業員としての視点なので、
社会人から見ると、葵を応援したくなる。

夕顔という料理のお店を出して、
何とかかくりよで生き抜く葵。
割と過酷なはずなのに、
大旦那様が絶対に味方なので、
大いに安心があります。

おわりに

1巻が出版された頃から読んでいる作品で、
思い入れがある小説です。
ライトノベルに近いですけど、
設定が面白くて、
時折見せるあやかしの怖さが光ります。

かなり伏線が張られているのですが、
どれも興味深いものばかりなんですよ。
著者の友麻碧さんの
『浅草鬼嫁日記』にも少し繋がっていて、
世界観の広さを感じさせてくれます。

アニメ化も決定しているので、
とっても楽しみ。

 

運命の本に出会うための方法について気になった10コのこと

はじめに

本を選ぶのって難しい。
何を読んでいいいのか分からなくなる時があります。
そんな時には、役に立ちそうな良い記事がありました。
本を選ぶ際に、かなり便利な方法だと思います。

tabi-labo.com

運命の本に出会うために

自分の好きな分野を把握する

本を選ぶならまずこれなんですよね。
自分は何が好きかをハッキリ分からないと、
本を選ぶ基準がないので、
迷いに迷った挙げ句に変な本を掴んでしまいます。

確かに自分の好きな分野って分かり難いです。
映画とかドラマが好きなら原作本を読んでみる。
映像が頭にあるので、サクサク読めます。
同じ作者や作風、ジャンル繋がりで
好きな分野を開拓していけます。

本好きだともっと早くて、
逆に苦手な分野を知ってみるといいですよ。
自分とまったく違う考えに出会えますし、
知識も増えるから意外とオススメな方法。

 

今の自分を把握する

本に出会うなら、自分が何をすべきかを考える。
資格取得か、趣味の幅を広げたいのか、
それともメンタルを回復させたいのか。
選ぶ本ってその人の状況で違ってくると思います。

何にも考え無しに本を選んでしまうと、
後悔してしまうことが多いので、
今の自分の状況をはっきりと認識して
選ぶことで、何が必要かが分かってきます。

でも、この方法は向上心がある人向けのやり方で、
何も読みたくないということもあります。
そんな時には、読みたくないということを確認して、
心を休めた方がいいと思います。
気合を入れて本を読んでもしんどいだけなんで。

 

表紙を見て選別する

少し疲れている時にオススメな方法だと思います。
自分の直感を信じて選択するやり方で、
しんどい時だからこそ、無意識に読みたい本に
手が届いてしまう現象。

ちょっとオカルトっぽいですけど、
何気ないチョイスが自分の人生を少し変えてくれます。
特に小説などイメージがしやすくて、
手軽に読める本に使うといいですよ。

ただ、最近のビジネス書などは、インパクトのある
タイトルだらけなので、逆に後悔することもあります。
買ってみたら、前に買った本を似た内容だったとか。
大人しくベストセラー本を買うのが
いいのかもしれません。

 

1冊の本を真剣に選ぶ

真剣に選ぶことで、本当の一冊が見えてきます。
ただ、これは読みたい分野がしっかり決まっていないと
勝っても後悔だけしかしないので、
ある意味で、危険な本の選択方法。

専門職の人は普通にやっていることかもしれません。
自分の分野のバイブルを徹底的に読み込むことが
多いですから。1冊の本の威力はすごい

教養を深めたいとか、学問をしたいとか、
ビジネスで成功したいとか、徹底された目的が
あってこその方法だと思います。

 

プロがオススメする本を選ぶ

一番簡単な本を選ぶ方法だと思います。
その道のプロが選んでくれているので、
乗っかるだけで、良い本を選ぶことができますから。
ネットなどを使って、有名人が読んだ本を
本屋やネットで検索するといいです。

趣味の世界だと割と一般的な方法だと思いますけど、
本を選ぶ際でも同じことです。
その道の専門家が選ぶものには外れは少ない。

何か勉強したいとか、学びたいと思った時には
この方法が一番だと感じます。
ダイエットとかスポーツとか、プロの言ったことを
真似ていきますからね。

 

友達が読んでいる本を選ぶ

高校生とか、友達が読んでいる本を
貸してもらったり、買ったりしたことありませんか。
読書で選ぶ基準が友達でも全然不思議じゃないです。
むしろ、趣味の幅が広がる一つの要因です。

高校生や大学生の時に、友達が読んでいたり
した本を買ったことがありますけど、
かなり印象に残っています。
面白くなくても、楽しかった頃のイメージが
残っているので、割とビックリしますよ。

身近な人が持っている本を自分も買って、
そこから新しい知識が増えたりします。
人から受ける影響は結構大きいですけど、
友達でもそれは同じことなんですよね。

 

専門分野ならバイブルを読む

専門分野を学ぶなら、その道のバイブル的な
ものが必ずあります。
一つの分野を極めたいといった時には、
1冊のバイブルを読んでみましょう。

難しくて時間もないという時には、
解析書なるものも出版されていることも
多いので、それを参考にして読んでいくといいです。

バイブルはその分野で著名な本なので、
読んでいると、専門知識が付いていきます。
仕事だけでなくて、趣味の本も専門書なので、
趣味の幅を広げたい!という時にぜひ。

 

ブログでオススメされている本を読む

私がよくやっている方法です。
ブログなどで紹介されている本を読んでみる。
難しい本、読みやすい本は一先ず置いておいて、
面白そうな記事だったら読んでみます。

当り外れはありますけど、
意外にサクサクと読み進めることができます。
紹介記事があるので、ある程度は内容が頭にある
状態なのがよいのかなと。

数多くのブログがありますけど、
本好きなら書評ブログとか紹介ブログなど
何個か知っているはずなので、
本を買う時に迷ったなら、ブログを参考にすると
良いと思います。

 

自分だけのフィールドを持っておく

仕事でも趣味でも、自分だけの強味を持っておくと
本を選ぶ際にも大きな武器になります。
迷った時には、これ関係の本は絶対に買う!!
という分野を持っていれば、迷うことはないです。

私の場合は、小説や専門書なんですけど、
好きな作家や興味ある分野が頭にあると、
勝手に本の場所に行くことになります。
迷ったらこう!と決めておけば、
本屋でウロウロすることは少なくなります。

ただ、この方法は上級者向けで、
自分の興味ある分野や仕事がしっかりと
決まっている人にオススメです。
趣味に没頭している人にバッチリ。

 

まったく知らない分野の本を選ぶ

自分が知らない分野の本を読むと
意外に人生を変えることになったりします。
小説でも、ビジネス書でも、専門書でも
直感で買った本で、知識の幅が広がっていくことは
よくあることだと思います。

私の場合は、小説で、本屋でふと買った本で
読書にハマってしまい、毎月5冊以上は読むように
なりました。
ちょっとしたきっかけで習慣は変わります。

知らない本は、確かにストレスがあるんですけど、
疲れたときやリラックスしている時に読むと
すーっと頭に入ってきて、見方が変わることに。
ちょっと難しいですけど、効果はテキメン。

 

おわりに

運命の本に出会うのは、まさに『運』
だからこそ、しっかりとした方法を持って
準備はしておきたい。
私は今回気になったことを一つでも実践すれば、
興味深い本に出会うと思います。