人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

【読書】『カラフル 森絵都』

あらすじ

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。

だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。

真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。

ざっくりした感想

  • 真相が分かる瞬間に鳥肌がたった。終盤に『ぼく』の真実が分かるのですが、共感できる人が多いはず。思春期に読むのと大人になってから読むと印象がまったく違うと思います。
  • 天使の性格が非常に良かった。一見すると、適当に感じるけど、ラストに『ぼく』に放った言葉が印象的。逆に、『ぼく』の両親や兄は、性格的・人間的に問題があるけど、段々と彼らの本質が分かってくる所に感動した。
  • 人生疲れた時に読むと心がほんわかします。王道ともいえるストーリーだけど、恋愛要素もあって、青春小説とも言えます。ラストの展開は心に残ると思います。

【読書】『フィッシュストーリー 伊坂幸太郎』

あらすじ

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、
伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

ざっくりな感想

  • 『フィッシュストーリー』の伏線がよくて、読後感が心地よい。ちょっとした正義感が人を救うこともあるし、自分を貫くことで世界を救うこともある。壮大だけど、最初はちょっとした勇気が大切ってことなのかも。
  • 『ポテチ』はタイトル通り、ポテトチップスがポイントになっていて、家族との繋がりと絡み合って、親って子供って何だろうと考えてしまいます。人気の黒澤が出てきますし、ラストの展開は応援したくなる。
  • 4篇すべて、伊坂作品の過去のキャラが微妙に関連しています。読んでいなくもで問題ないですけど、読んでいると少しだけ深く物語を理解できると思います。個人的には、『ポテチ』が秀逸。

【読書・感想】『かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。』の5つの面白いポイント

人間が住む世界から、
かくりよに嫁に来た主人公・葵。
鬼である大旦那との生活。
老舗宿でのドタバタコメディグルメ小説。

時々、冷酷で怖いあやかしの本性などが
出てきて、葵が命の危機に晒されます。
そんな中で、武器である『料理』で
あやかしの世界を生きていくという話。

今回のこの小説について、
面白かった5つのポイントについて
書いていきます。

美味しい御飯

この小説で一番のポイントになるのが、
『料理』です。料理を作ることで、
あやかしが味方になっていきます。
身近だけど、一番大事な食事が葵の武器。

霊力はあるけれど、使い方を知らないので、
どんどんピンチになっていきますけど、
持ち前の負けん気と料理の腕で
危機を乗り切っていきます。

旅館のように、料理のお品書きも
書かれてあって、食べたくなるものも
ありました。

葵のキャラが良いのと、
どこか母性を感じる展開から人気なのも
頷けます。

料理で物事を解決する物語は
あまり見たことがなかったので、
結構新鮮でした。

魅力あるあやかし達

登場するあやかし達がすごく魅力的で、
鬼の大旦那様や雪女、狸の少女、
天狗の大御所、妖狐など、
多くの有名な妖怪が出ています。

みんな揃ってキャラが立っていて、
読んでいるだけで面白い。
シリーズを追うごとに新キャラが
追加されていきますけど、
キャラが薄いあやかしがいません。

大旦那と葵の関係

無理矢理婚約させられた感がありますが、
葵もどんどん大旦那に好意を寄せていて、
恋愛とも夫婦とも言えない信頼関係が
築かれています。

でも、もう一人の妖狐の番頭も出てきて、
ちょっとした三角関係にもなってきています。
葵の過去もまだ明らかになっていませんし、
二人がなぜ結婚しないといけないのか。
その真相が早く知りたい。

時折除く冷酷な気配

あやかしをテーマにしているだけあって、
人間に好意的な妖怪だけではありません。
時折、冷酷な描写も出てきて、
一歩間違えれば、葵も生きていないはず。

そんな怖い世界なのですが、
葵に好意的なあやかしが多いので
誤解しがちですけど、
本来は危険性の高い世界。

そのギャップも面白い一因なので、
これからのシリーズの展開に期待したいです。
どう考えても、葵の過去と葵の祖父に
大きな関わりがありので、気になります。

老舗宿を応援したくなる

現実にある旅館のことをイメージしてしまう
本作。老舗宿を舞台にしているだけあって、
働く苦労も感じることができます。

お客さんとしてではなくて、
従業員としての視点なので、
社会人から見ると、葵を応援したくなる。

夕顔という料理のお店を出して、
何とかかくりよで生き抜く葵。
割と過酷なはずなのに、
大旦那様が絶対に味方なので、
大いに安心があります。

おわりに

1巻が出版された頃から読んでいる作品で、
思い入れがある小説です。
ライトノベルに近いですけど、
設定が面白くて、
時折見せるあやかしの怖さが光ります。

かなり伏線が張られているのですが、
どれも興味深いものばかりなんですよ。
著者の友麻碧さんの
『浅草鬼嫁日記』にも少し繋がっていて、
世界観の広さを感じさせてくれます。

アニメ化も決定しているので、
とっても楽しみ。

 

運命の本に出会うための方法について気になった10コのこと

はじめに

本を選ぶのって難しい。
何を読んでいいいのか分からなくなる時があります。
そんな時には、役に立ちそうな良い記事がありました。
本を選ぶ際に、かなり便利な方法だと思います。

tabi-labo.com

運命の本に出会うために

自分の好きな分野を把握する

本を選ぶならまずこれなんですよね。
自分は何が好きかをハッキリ分からないと、
本を選ぶ基準がないので、
迷いに迷った挙げ句に変な本を掴んでしまいます。

確かに自分の好きな分野って分かり難いです。
映画とかドラマが好きなら原作本を読んでみる。
映像が頭にあるので、サクサク読めます。
同じ作者や作風、ジャンル繋がりで
好きな分野を開拓していけます。

本好きだともっと早くて、
逆に苦手な分野を知ってみるといいですよ。
自分とまったく違う考えに出会えますし、
知識も増えるから意外とオススメな方法。

 

今の自分を把握する

本に出会うなら、自分が何をすべきかを考える。
資格取得か、趣味の幅を広げたいのか、
それともメンタルを回復させたいのか。
選ぶ本ってその人の状況で違ってくると思います。

何にも考え無しに本を選んでしまうと、
後悔してしまうことが多いので、
今の自分の状況をはっきりと認識して
選ぶことで、何が必要かが分かってきます。

でも、この方法は向上心がある人向けのやり方で、
何も読みたくないということもあります。
そんな時には、読みたくないということを確認して、
心を休めた方がいいと思います。
気合を入れて本を読んでもしんどいだけなんで。

 

表紙を見て選別する

少し疲れている時にオススメな方法だと思います。
自分の直感を信じて選択するやり方で、
しんどい時だからこそ、無意識に読みたい本に
手が届いてしまう現象。

ちょっとオカルトっぽいですけど、
何気ないチョイスが自分の人生を少し変えてくれます。
特に小説などイメージがしやすくて、
手軽に読める本に使うといいですよ。

ただ、最近のビジネス書などは、インパクトのある
タイトルだらけなので、逆に後悔することもあります。
買ってみたら、前に買った本を似た内容だったとか。
大人しくベストセラー本を買うのが
いいのかもしれません。

 

1冊の本を真剣に選ぶ

真剣に選ぶことで、本当の一冊が見えてきます。
ただ、これは読みたい分野がしっかり決まっていないと
勝っても後悔だけしかしないので、
ある意味で、危険な本の選択方法。

専門職の人は普通にやっていることかもしれません。
自分の分野のバイブルを徹底的に読み込むことが
多いですから。1冊の本の威力はすごい

教養を深めたいとか、学問をしたいとか、
ビジネスで成功したいとか、徹底された目的が
あってこその方法だと思います。

 

プロがオススメする本を選ぶ

一番簡単な本を選ぶ方法だと思います。
その道のプロが選んでくれているので、
乗っかるだけで、良い本を選ぶことができますから。
ネットなどを使って、有名人が読んだ本を
本屋やネットで検索するといいです。

趣味の世界だと割と一般的な方法だと思いますけど、
本を選ぶ際でも同じことです。
その道の専門家が選ぶものには外れは少ない。

何か勉強したいとか、学びたいと思った時には
この方法が一番だと感じます。
ダイエットとかスポーツとか、プロの言ったことを
真似ていきますからね。

 

友達が読んでいる本を選ぶ

高校生とか、友達が読んでいる本を
貸してもらったり、買ったりしたことありませんか。
読書で選ぶ基準が友達でも全然不思議じゃないです。
むしろ、趣味の幅が広がる一つの要因です。

高校生や大学生の時に、友達が読んでいたり
した本を買ったことがありますけど、
かなり印象に残っています。
面白くなくても、楽しかった頃のイメージが
残っているので、割とビックリしますよ。

身近な人が持っている本を自分も買って、
そこから新しい知識が増えたりします。
人から受ける影響は結構大きいですけど、
友達でもそれは同じことなんですよね。

 

専門分野ならバイブルを読む

専門分野を学ぶなら、その道のバイブル的な
ものが必ずあります。
一つの分野を極めたいといった時には、
1冊のバイブルを読んでみましょう。

難しくて時間もないという時には、
解析書なるものも出版されていることも
多いので、それを参考にして読んでいくといいです。

バイブルはその分野で著名な本なので、
読んでいると、専門知識が付いていきます。
仕事だけでなくて、趣味の本も専門書なので、
趣味の幅を広げたい!という時にぜひ。

 

ブログでオススメされている本を読む

私がよくやっている方法です。
ブログなどで紹介されている本を読んでみる。
難しい本、読みやすい本は一先ず置いておいて、
面白そうな記事だったら読んでみます。

当り外れはありますけど、
意外にサクサクと読み進めることができます。
紹介記事があるので、ある程度は内容が頭にある
状態なのがよいのかなと。

数多くのブログがありますけど、
本好きなら書評ブログとか紹介ブログなど
何個か知っているはずなので、
本を買う時に迷ったなら、ブログを参考にすると
良いと思います。

 

自分だけのフィールドを持っておく

仕事でも趣味でも、自分だけの強味を持っておくと
本を選ぶ際にも大きな武器になります。
迷った時には、これ関係の本は絶対に買う!!
という分野を持っていれば、迷うことはないです。

私の場合は、小説や専門書なんですけど、
好きな作家や興味ある分野が頭にあると、
勝手に本の場所に行くことになります。
迷ったらこう!と決めておけば、
本屋でウロウロすることは少なくなります。

ただ、この方法は上級者向けで、
自分の興味ある分野や仕事がしっかりと
決まっている人にオススメです。
趣味に没頭している人にバッチリ。

 

まったく知らない分野の本を選ぶ

自分が知らない分野の本を読むと
意外に人生を変えることになったりします。
小説でも、ビジネス書でも、専門書でも
直感で買った本で、知識の幅が広がっていくことは
よくあることだと思います。

私の場合は、小説で、本屋でふと買った本で
読書にハマってしまい、毎月5冊以上は読むように
なりました。
ちょっとしたきっかけで習慣は変わります。

知らない本は、確かにストレスがあるんですけど、
疲れたときやリラックスしている時に読むと
すーっと頭に入ってきて、見方が変わることに。
ちょっと難しいですけど、効果はテキメン。

 

おわりに

運命の本に出会うのは、まさに『運』
だからこそ、しっかりとした方法を持って
準備はしておきたい。
私は今回気になったことを一つでも実践すれば、
興味深い本に出会うと思います。

伊坂幸太郎のオススメ小説作品ベスト10

はじめに 

伊坂幸太郎さんは人気の作家です。
私も好きな作品が多くて、伏線が見事です。
魅力的なキャラクターが多いのが特徴。
そんな伊坂作品を厳選して紹介します。

伊坂幸太郎作品10選

ゴールデンスランバー

大きな国家権力から逃走する主人公。
実写だと堺雅人さんが演じられていました。
無実を証明するという王道展開ではなくて、
ただひたすら逃げ続けるのが特徴の作品です。

王道展開にしなかったのは良かったと思います。
確かに、権力に真っ正面から反抗するという展開は、
伊坂作品に少し違和感がありますし、
逃走劇だからこそ、伊坂さんの魅力が全開になります。

私としては、最後には一矢報いてほしかったですが、
中々難しい。ある意味で、騙したわけなんですけど、
悲しいエンディングなのは変わりません。
文庫版だと少しは救われて良かったとは思いました。

 

死神の精度

短編集なのですが、話に繋がりがあります。
最終話は、これまでの伏線が消化されて、
まさか、あの人物が調査対象だったのかと思います。
主人公の死神は、人の「死」か「見送り」かを
判断し、その過程がメインのストーリーになります。

中々に難しいテーマですけど、
音楽好きという属性のある死神。
調査する人々は多くが愛を抱えて生きていました。
短編ながら心に残る話が多い名作。

私が好きなのは、中盤の純愛の話と最終話の
老婆の話。ある繋がりがあり、人の死、愛について
考えさせてくれます。
非常に重いテーマですが、キャラが活き活きと
していて、読んでいて爽快感があります。

 

陽気なギャングが地球を回す

タイトル通りに、陽気な4人の強盗の話。
ターゲットは銀行で、特殊な能力を持つ
4人が逆に事件に巻込まれて、右往左往しながらも
自分達で切り開いていくストーリーになっています。

キャラ作りが見事で、4人とも非常に濃い。
強盗団が主役なんですけど、洋画のようにノリのよい
人物だらけで面白かったです。
強盗団と聞くと怖いですけど、かなりの部分がコミカル。

私としては、続編も好きなんですけど、
本作が一番好きです。初期の伊坂さんの作風であり、
キャラが立っていて、読んでいて楽しくなります。
実写映画もありますけど、テーマがちょっと異なって、
別キャラになっていますが、それはそれです。

 

週末のフール

小惑星の衝突が確実になり、
8年後には地球は滅亡する。
そんなSFのような世界観から始める物語です。
暴力や略奪という恐怖が沈静化した世界。
嵐の前の静けさの中で、人々は何を思うのか。

滅亡が確実になっている地球でも、
人々は懸命に生きています。
その中で、復讐、家族、自分など
色んな人の人生模様が描かれています。

最終的な結末は分かりませんが、
ラストの光景は非常に印象深かったです。
滅亡するからこそ、美しさを大切にする。
残酷な描写もありますが、
それでも人は懸命に生きていく。

 

ラッシュライフ

4人のキャラクターを中心に話が進んでいきます。
序盤とラストにもう一人の話が出てきますけど、
それまでの4人の話をイメージしておくと
色々と思うことがありました。

伊坂作品の人気キャラの黒澤が初めて登場した作品で、
重力ピエロやポテチなどで活躍します。
空き巣なんですけど、カウンセラーの才能もある。
探偵役が一番似合うのですけど、それも副業扱い。

伊坂さんの作品で、一番最初に読むといい作品。
伏線が見事で、4人のキャラが上手いこと
立ち回っていて、話が崩壊していませんから。
特に、序盤の黒澤の話を、読んだ後に思い返すと
すっごく印象に残ったりします。

 

フィッシュストーリー

私の好きな伊坂短編集です。
タイトルのフィッシュストーリーとポテチが秀逸。
人の信念・正義が世界を救うフィッシュストーリーと
家族の複雑な愛情がテーマのポテチが素晴らしい。
ポテチは子供って親が思う以上に、親のことを
想っているということを伝えてきます。

ポテチはタイトル通りに、
ポットチップスが大きな意味を持っています。
例え、食べたい味と違う味でも、
案外良いもの……。
最後まで読むと、結構くるものがあるんですよ。

この作品は、これまでの伊坂作品のキャラが
数多く登場します。黒澤は2作品に出てきますし、
サブキャラも同じ。
ラッシュライフとオーデュボンの祈りを読んでいると
結構分かると想います。

 

アヒルと鴨のコインロッカー

実写化された、不思議な物語。
叙述トリックで、ラストのすべて分かるんですけど、
そこまでが長いので、途中で飽きる人も
多くなるかもしれません。

若者の残酷な描写もあるので、中々に怖い作品。
現在と過去の話で、二つの物語が最後に重なる。
読んだ後は切なくなること必死で、
たくさんの感情が芽生えてきます。

ブータンから来たドルジというキャラが素晴らしい。
本当に頑張ったという他に言うことがない。
大切な人の魂と想いを守るために戦う。
ラストの展開は本当に感動もの。
こういう話に私は本当に弱い……。

 

重力ピエロ

家族とは何か、親とは?兄弟とは?
を投げかける作品です。
主人公の弟の春の生き方が非常に印象深い。
父親のため、母親のため、兄のために
自分のすべてをかけて戦う。

初期の伊坂作品でも人気の高い小説で、
家族をテーマにしているだけに、
話は非常にシリアスでとても重い話になっています。
血とは何か、遺伝とは?を読んだ後に考えました。

主人公と弟・春の出した答え。
終盤の二人の父親の台詞は本当に心に残ります。
この作品で一番強いのは、二人の父親でした。
血は繋がっていなくても、子供は親に似る……。

 

あるキング

野球を題材にした作品で、明らかに仙台の
某球団を参考にしています。
出版された当時は、まだ弱くて、
日本一になるのは、4年後でしたからね。

私は完全版を読みましたけど、
全部読むのは結構しんどかったです。
伊坂好きには、3つ目の作品だけで十分だと思います。
1つ目と2つ目は文学的すぎてキツかった。

内容的にはとても面白くて、
野球が上手さよりも、人間性が重要な
日本の野球界を上手に表しています。
やっぱり、スポーツは人間性も重要なんだなあと。

 

モダンタイムス

あるキーワードを検索することで、
巨大な権力によって、罰が与えられる
といったストーリーの作品です。
ゴールデンスランバーに似た雰囲気を持っています。

主人公の奥さんが強烈で、
美人なんですけど、本気で怖い。
浮気する主人公もどうかと思いますけど、
特に前半の奥さんが最強すぎてビックリしました。

伊坂さんの『魔王』のある意味でも続編になっていて、
魔王を読んでいるとすごく楽しめます。
魔王の時点でこの作品のラストが
予見されていますから。
私の一番好きな作品です。

 

おわりに

伊坂さんの作品はクセが強いものが多いです。
ただ、実写化された作品が多いので、
それを見てから原作を読んでみるといいと思います。
過去作品のキャラが再登場したりするので、
数多く伊坂作品を読んでいると、大いに楽しめます。

【読書】仕事に役立つオススメビジネス本ー厳選10冊

はじめに

仕事をしていると、何か参考にしたくなります。
そんな時に、やる気が起きてストレス発散できたり、
ビジネスのイメージがしっかり残るというような、
ビジネス書を厳選して、紹介していきます。

ビジネス書10選

7つの習慣

古典的なビジネス書で、どこでも必ず売っています。
数多くの自己啓発書の参考文献とも言える本で、
結構、分厚いですけど、参考になる部分があります。
ビジネス書の基本とも言える本と言えます。

全世界で3000万部以上も売れた本であり、
今でも売れ続けているので、その人気ぶりが窺えます。
習慣化をテーマにしていて、成功とは何かということを
根拠を交えて、シンプルに解説してくれています。

しかし、海外の書物の訳書なので、少し読み難い。
多少の知識がないと、かたい文章なので
その文章で圧倒されてしまいます。この1冊だけ
読むよりも、解説書と一緒に読むといいかも。

 

自助論

原著は19世紀に出版された、自己啓発の原点。
日本だと、『西国立志編』と訳された書物です。
ヨーロッパなどの著名な人物が実践してきたことを
まとめてくれていて、いまだに売れている本です。

自分を助けることができるのは自分という言葉。
努力や観察眼の重要性について書かれていて、
学びとは、仕事とは何かを説いています。

アスリートや企業の社長なども読んでいるそうですが、
一般の人でも十分学びになる部分はあると思います。
文庫サイズも出版されているので、中々に読みやすい。
繰り返し読むことで新しい発見があると思います。

 

思考は現実化する

自己啓発書・ビジネス書として、非常に有名な本です。
タイトルだけ見ると怪しい本に思えますけど、
20世紀から売れ続けている本であり、
しっかりと理論と実践に基づいて書かれています。

ある意味で、自己啓発書のマニュアルであって、
読みやすさを重視した本ではないです。
1930年代に出版されたビジネス書であり、
訳書なので、そう簡単には読めないようなっています。

内容は少し難解なので、専門書に近い内容です。
実践するのも大変で、余裕がないと継続は厳しい。
続けるだけのやる気と精神力があれば、
この本を一読しただけで成功できるとは思います。

 

非常識な成功法則

ビジネス業界で有名な神田昌典さんの著書。
買った当時は神田さんのことはあまり知りません
でしたが、結構な本を出されているので
気にはなりました。

日記や手帳に夢や目標を書くというやり方は
上手いなと思いましたし、
割とビジネスマンが実践しやすい内容になっています。
内容も難しくなく、ビジネス書の最初の一冊に。

成功哲学などはあまり書かれていなくて、
実践的な、現実的に使える手法が書かれているので、
今日からでも実行できる内容がほとんど。
タイトルは少し怪しいですけど、内容は基本的。

 

嫌われる勇気

青年と哲人の対話篇という形で話が進んでいきます。
アドラー心理学の入門書とも言えて、
私達は「ああ、あるある」と思える内容だらけ。
アドラー心理学の専門家が書かれているのですが、
専門書というよりも、ビジネス書よりも書物です。

タイトルとアドラー心理学の内容から、
日本だとベストセラーになって、話題になりました。
ドラマにもなったぐらいで、
日本人の社会にメスを入れるインパクトがあります。

自分と他人に対して正しい理解の仕方がテーマですが、
対話形式なので、小説のように読むことができます。
ビジネス書の中でも、割と簡単に心理学の一つを
学ぶことができるのはこの本のメリット。
アドラー心理学に興味を持った人も多いはず。

 

ザ・ゴール

昔、友達に紹介されて読んだ本です。
小説形式になっており、ビジネス書の中でも
読みやすい本になっています。
主人公が問題を改善していく工場は
車業界のイメージで読んでいました。

経営者視点の本なので、管理職向けの本です。
問題に対して、色んな人の意見や情報を参考にして、
解決していく姿は、企業の社長そのものですから。

マンガ版もありますけど、活字好きだとこちらです。
マンガでもストーリーを追うことは十分可能なので、
時間がないとか、活字読むのがしんどいという方は、
コミック版が良いと思います。
ザックリ分かるだけでも発見はあると思うので。

 

プロフェッショナル・マネジャー

ユニクロの柳井会長がユニクロを成長させるときに
多いに活用した本だそうです。『バイブル』とのこと。
絶版になっていたのが、柳井氏の希望で復刊しました。

ハロルド・ジェニーン氏の経営についての本で、
厳しいビジネスの現場を体験、突破してきた歴史と
ノウハウがつまっています。

内容は専門的なので、解説書を読んでもいいですよ。
日本の一流経営者が参考にした本は感じる所が
多いですから。

 

FREE<無料>からお金を生み出す新戦略

一時期ネットで話題になっていた本です。
ネットビジネス黎明期の頃に、
無料で収益をあげる方法が取り沙汰されました。
ネットでビジネスを構築したいという方向け。

実際には、すべて無料ではなくて、
入り口だけ無料にして、
興味を持ったら、商品を買ってもらうという流れ。
化粧品などの体験商法に似ている部分があると思います。

この手法を大きくしたのがGoogleでしょうね。
無料とは思えないサービスがたくさんありますから。
ネットでのビジネスを考えたり、
問題点を追求したいなと思った時に読むといいですよ。

 

ロジカル・シンキング

ロジカルに考えることは、
学生の就職活動でも要求されること。
ただ、それを具体的に書いている本が少ないのですが、
この本を見ると、理論的に把握することができます。

マッキンゼー的論理的思考の手法が
紹介されていますけど、専門書なので
しっかりと読み込まないと理解は難しいです。

ただ、プレゼンなどに役立つことがあるので、
手元に置いておくといいと思います。
ロジカルにシンプルに説明したいという場合に
力を発揮しますから。

 

生き方

日本を代表する経営者の稲盛氏の生き方。
企業経営する上での心構えなどが書かれています。
考え方と能力の関係が成功に繋がると説いています。
日々感謝の心も大事という基本的なことも。

京セラを創業した稲盛氏。
生き方について、人として正しい道が大切だと
書いています。
松下氏と被る所がありますけど、
経営者とは?について一つの回答をしています。

文庫サイズで読みやすいですし、
内容も分かりやすい。
働いている社員についても詳しく書かれており、
経営者の視点はどういうものかを知ることができます。

 

おわりに

今回紹介しました本達。
内容的に難しいものもありますけど、
仕事に何かの時に役立つと思います。
特に自助論はメンタル的に強くなるので、
オススメです。

【読書・感想】『東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 山口真由』ー本を読みたいなら流し読み

タイトルで買ってしまったビジネス書・勉強書です。
結構、売れているようで、文庫版も出版されています。
ビジネスマンだけではなくて、学生にも人気かもしれませんね。
東大・主席・弁護士と並んでいたら、買っちゃいます……。

今までも、東大出身の方で勉強本を出版されている方はいますけど、
分かりやすく、実践しやすい勉強本だとこれがかなり優秀。
7回読むだけでいいですし、最初は流し読みで十分なんで。

一番活かせるのは、やっぱり小説かなあと思います。
特に、本が貯まって、積読になっている人にオススメ。
7回読みまでしなくても、2回読みぐらいで十分。


重要なのは、『最初は流し読みでいい』ということ。
私もそうですけど、1度目で全部を理解しようとするので、
それが原因で本が積まれていく。

回避するためにはどんどん読まないといけないのですけど、
時間とかやる気とか関係あって中々に難しい。
そんな時に役立つ本だと思います。


実践する時には、本の内容を全部理解するんじゃなくて、
分かりそうな言葉とかだけ追っていくと、
ストレスなく読み進められます。
国語の教科書のように、
理解しながら黙読する必要はないわけなんで。

この方法を試してから、本
に対するストレスはかなり少なくなりました。

前までは、「1回でかなり理解しないと」
と無意識に思っていたんで。
そこに『流し読み』を組み込んだら、
結構な数の本を読めるようになりました。


本を買うけど、読めなくて貯まっている人向けの
勉強本であり、読書本でもあります。

勉強本はかなり読んだからいいよ〜という場合でも、
読んでみる価値はあります。

 

【読書・感想】『幽遊菓庵〜春寿堂の怪奇帳〜』をあらすじ・内容を読んで感じた3つのポイント

はじめに

和菓子がテーマで、
登場するあやかしも個性的でした。
文章も論理的な部分もあって、
ミステリとしても面白い。

シリーズは5巻+外伝1巻と
人気作になっています。
私は1巻を読んでから、
面白くて、一気に全巻一気に読みました。

あらすじ

木彫の看板に『春寿堂』と
書かれたその店は、
飄々とした狐の妖怪・玉藻が
店主を務める、
あやかしたちの御用達だ。

 

そんな場所を普通の店と勘違いして訪れた
青年・名月は、度々起こる怪奇事件に
文句を言いながらも、
玉藻のもとで和菓子作りを
手伝っていくことになる。

 

和菓子とあやかしが、
店を訪れるものたちを
優しく繋いでいく。
暖かな“縁”のストーリー。

 

感じた3つのポイント

主人公・名月がモテる

名月がかなりモテています。
シリーズは5巻まで出ていますけど、
新しい話ごとにヒロインが
追加されていきます。

俗に言う、ハーレムもので、
主人公はそんなに筋肉ムキムキ系では
ないですけど、
ヒロインの命や人生を救うことで、
モテ度がアップしていきます。

人間やあやかしが同じように
名月を取り合うのですけど、
みんな名月が好きなので、
それが最終話のハッピーエンドに
繋がっていきます。

 

和菓子とあやかしがテーマ

和菓子とあやかしがテーマです。
珍しい組み合わせですし、
表紙のキャラもカワイイので
ワクワクしながら読みました。

著者の真鍋さんの実家が
和菓子店なので専門知識がずらり
読みながら和菓子が食べたくなりました。
知らない和菓子も出てきます。

有名な和菓子も出てきますけど、
作るのも手間が掛かります。
普段食べているお菓子でも
作るのは難しいなと感じました。

劇中では、和菓子で事件を解決します。
和菓子で戦うのではなくて、
和菓子作りの勝負をしたり、
お供え物がポイントになったりして、
非常に面白い展開になっています。

名月は最初、和菓子作りには消極的ですが、
毎日の生活を送る中で
和菓子に対して本気になっていきます。

師匠の玉藻も名月を育てようと、
厳しい言葉を投げかけたり、
放置プレイしたりするんですけど、
内心、二人が繋がっていてすごくよかった。
良い師弟関係だと思います。

 

全話ハッピーエンド

すべての話がハッピーエンドでした。
バッドエンドも和菓子の力で
ハッピーエンドに変えていきます。
物語のラストにストレスがないので、
楽しく読むことができます。

小説はやっぱりハッピーエンドでないと。
ハッピーエンドだからこそ、
空想の世界の意味があるわけで。
バッドエンドな小説もたくさんありますが、
私としては、ハッピーエンドが好き。

狐のあやかしや春の化身、
守護霊が自身の姉の人間など
非常にキャラクターが個性的です。
読みやすくて、面白い作品でした。

 

おわりに

和菓子とあやかしがテーマでしたけど、
あやかしが可愛かったり、
面白かったりと、キャラが個性的でした。
内容もミステリとして十分で、
読み応えがあります。

【読書・感想】『君は月夜に光り輝く 佐野徹夜』ー発光病に侵された女性 高校生の恋物語

はじめに

本屋さんでも大きく広告されていた小説。
大切な人を失った男子高校生と、
発光病と呼ばれる致死率の高い病気に侵された
女子高生の恋の物語。

全体的に優しい雰囲気なんですけど、
登場人物がどこか壊れていて、
普通でない行動をしたりしまう。

余命幾ばくもない女性の想いが痛々しい反面、
若い頃の純愛って理想的な素晴らしいなと思いました。

恋愛・青春小説で感動

高校時代の恋愛って純粋

高校時代の恋愛って純粋で良いと思いました。
大人になると、年収とか考えてしまいますけど、
高校生なら純粋に恋愛を楽しむことができますから。
もちろん、大人にも純愛ってあると思いますけど、
金銭的・精神的に余裕がないとしんどい。

子供の頃は、親がお金の面倒を見てくれたりします
大人になっても十分なお金があれば、
年収とか将来とか置いておくことができる。
ある意味で、純愛って贅沢なのかも。
ある程度の保証・安全があるからこそ。

 

恋愛小説がブーム

ただ、この小説のように、
不治の病と純愛というテーマの本ってたくさんあります。
15年ぐらい前には、いま会い』が流行ったように、
恋愛小説がブームになっていました。
その頃にも、病と純愛の本が売れていました。

この本の特徴はやっぱり、変わった登場人物でしょうね。
死を達観している主人公、
発光病で、どこか諦めているヒロイン、
人生をゲームのように考えている主人公の親友。

何にしても、高校生の恋愛ってピュアの一言。
小説と一部の現実だけの理想論で、
もっとドロドロしていてもおかしくないです。
小説なりマンガを読んで、理想論的な恋愛を妄想して、
現実の恋愛に悩む。この繰り返しのような気がしますね。

 

人間、人との出会いで変わる

主人公とヒロインの出会い

ヒロインのまみずが主人公と出会って変わったように、
人って出会いで変わると思います。
作中で、なげやりな生き方をしていたまみずが、
一生懸命に生きることに対して向き合うようになったのは、
主人公との出会いがきっかけ。

仕事や恋愛、趣味で色んな人で出会うことがありますが、
その出会いの中で楽しみ、
時に苦しい時を味わいながら人生を生きていく。
この作品はラブストーリーなんですけど、
出会いの中で変わっていく3人の子供と
1人の大人の生き方を綴っています。

 

中々小説のような出会いはできない

私も共感できる部分もあり、
かなり楽しみましたけど、
こんな出会いが出来る人って少ないと思います。

現状維持だったり、妥協だったりで、
そのまま人生を過ごしてしまう。
それでも良い人生は味わえるんですけどね。

 味気ない人生だけど、意外にたくさんの面白いこともある。
何気ない出会いが死ぬ前になると、
素晴らしいことだったと思えるような
そんな生き方って少し憧れます。
たった一人の出会いで変わることもあるということ。

 

健気な女の子と見捨てない男の子

行動し続ける勇気

ヒロインのまみずは、
発光病という不治の病を患っています。
医者はおろか、本人ですら諦めていて、
投げやりになっている中、
主人公の卓也はまみずの願いを必死で聞き入れようと、
行動し続けます。

卓也は浮世離れしていて、
生きることに対する考えが人とズレています。
いつの時代でも、世間から浮いた男の子が健気な女の子を救おうとする。
王道ですが、だからこそ、複雑な世の中では映えるだと思います。

 

人と密に過ごすのは難しい

ただ、人によっては卓也の考え方には疑問を持ったり、
まみずに対して「投げやりになるなよ!」と思うのは仕方のないこと。
小説とはいえ、当事者にならならいと分からないわけなんで。
大人になると、一人の人間と過ごす時間は多くは取れないですし。

 高校生や大学生でないと、
ここまで密に他人と過ごすのって難しいなと思う反面、
大人になってもそこまで想い合うことが出来たら最高だと感じました。
登場人物が子供であるからこそ、私達は共感して、感動するんでしょうね。

最後に

この作品は、活字媒体として読みやすくて、
主人公とヒロインの内面描写も見事でした。

10代の時のすれ違いも表現されていますし、
嫉妬の感情を上手く制御できない主人公や、
美しい初恋を大切にする主人公の親友も良かったと思います。
何より、ヒロインがとっても優しくて、
エピローグの話も泣けました。

さすが評判になっているだけのことはあります。

 

 

【読書・感想】『ノルウェイの森 村上春樹』ー学生の時には難しかった話

学生時代に読んだ村上さんの小説。学生時代には、文学的すぎて理解できませんでした。有名な作品ということで、読んでは見たのですけど、中々に難しい。恋愛が一つのテーマなんですけど、その中で主人公の葛藤や悩みには共感しにくかった。精神的な年齢が高かったり、恋愛経験が豊富だと分かるようになるのかもしれません。今読んでも難しいとは思いますけど、いつか多少は理解できるようになりたいとは思います。文学的に価値のある作品って、人によって相性が良かったり悪かったりするんで、これだけは本との出会いを信じるしかないです。