人生のおつまみ

好きなことを基本的にはコラム形式で書いています。スポーツ、アニメ、書籍、産業をネタにしています。

【読書・小説】アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス

あらすじ

32歳になっても幼児の知能しかない
パン屋の店員チャーリイ・ゴードン。

そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。
大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。

この申し出にとびついた彼は、
白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、
連日検査を受けることに。 

やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが…

超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、
喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫り、
全世界が涙した現代の聖書(バイブル)。

 

ざっくりした感想

  • 本当に幸せとは何か、を問うている作品です。
    チャーリーの言葉が段々変わっていく様が、
    彼の頭脳と心境の変化に見えて斬新でした。
    文章から、知能の向上が分かるようになっていて、
    表現が素晴らかった。

  • 手術で頭が良くなったが、
    徐々に知能を失う恐怖感。
    終盤の展開は悲しくなるが、
    大切なものは何かということを考えさせてくれます。

  • 日本訳はとてもよく訳していると思いました。
    最初の数ページはかなり読み難いですけど、
    それがチャーリーの知能に関係していて、
    読んでいると複雑な気分になります。

転×恋愛×遠距離ー『イニシエーション・ラブ』

ラストの展開にはビックリ。恋愛の残酷さ、環境の大事さがよく分かる。人は環境で変わってしまうのが辛い。人間的。

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。

内容(「BOOK」データベースより)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 

 

【読書】『告白 湊かなえ』

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。

語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

ざっくりした感想

  • 序盤の衝撃の展開にビックリ。子供の敵を討つという行為なのですが、文体と話の流れに圧倒されました。ラストに向けての展開もよくて、二人の少年が落ち込み、絶望していく姿に復讐のすごさ、怖さを実感させらました。
  • 終盤の展開は、序盤から想像がつかないけど、結末は悲しくも、切なくなる最後。一人の少年の愛と絶望がよく描かれていて、主人公の復讐が果たされたと思います。
  • 個人的には、短編集でもう一度見てみたい。二人の少年のラストを自分なりに想像することで、主人公の恨みの深さが分かると思うから。それにしても、少年がどんどん絶望していく様子は、言葉って怖いなと思わざるえない。

【読書】『そして誰もいなくなった アガサ・クリスティー』

あらすじ

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……

そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!

ざっくりした感想

  • 一人一人いなくなっていくけど、まさか誰もいなくなるとは……。トリックも秀逸で、さすがの構成力。はじめて読んだ時には、ラストの展開にビックリしたけど、犯人の頭が良すぎてビックリしました。
  • 日本でもドラマされてますけど、やっぱり孤島の話は海外でないと無理があると思いました。日本流なアレンジもいいけれど、海外版も見てみたい。終盤のトリックはどう表現するのか。
  • 海外の小説が苦手でも割とスラスラ読むことができます。個人的には、登場人物の名前が把握しにくい海外小説は苦手なんですけど、アガサ・クリスティーの小説は気軽に読むことができます。訳者が良いからなのかも。

【読書】『カラフル 森絵都』

あらすじ

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。

だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。

真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。

ざっくりした感想

  • 真相が分かる瞬間に鳥肌がたった。終盤に『ぼく』の真実が分かるのですが、共感できる人が多いはず。思春期に読むのと大人になってから読むと印象がまったく違うと思います。
  • 天使の性格が非常に良かった。一見すると、適当に感じるけど、ラストに『ぼく』に放った言葉が印象的。逆に、『ぼく』の両親や兄は、性格的・人間的に問題があるけど、段々と彼らの本質が分かってくる所に感動した。
  • 人生疲れた時に読むと心がほんわかします。王道ともいえるストーリーだけど、恋愛要素もあって、青春小説とも言えます。ラストの展開は心に残ると思います。

【読書】『フィッシュストーリー 伊坂幸太郎』

あらすじ

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。
「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。
時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、
伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

ざっくりな感想

  • 『フィッシュストーリー』の伏線がよくて、読後感が心地よい。ちょっとした正義感が人を救うこともあるし、自分を貫くことで世界を救うこともある。壮大だけど、最初はちょっとした勇気が大切ってことなのかも。
  • 『ポテチ』はタイトル通り、ポテトチップスがポイントになっていて、家族との繋がりと絡み合って、親って子供って何だろうと考えてしまいます。人気の黒澤が出てきますし、ラストの展開は応援したくなる。
  • 4篇すべて、伊坂作品の過去のキャラが微妙に関連しています。読んでいなくもで問題ないですけど、読んでいると少しだけ深く物語を理解できると思います。個人的には、『ポテチ』が秀逸。

【読書・感想】『かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします。』の5つの面白いポイント

人間が住む世界から、
かくりよに嫁に来た主人公・葵。
鬼である大旦那との生活。
老舗宿でのドタバタコメディグルメ小説。

時々、冷酷で怖いあやかしの本性などが
出てきて、葵が命の危機に晒されます。
そんな中で、武器である『料理』で
あやかしの世界を生きていくという話。

今回のこの小説について、
面白かった5つのポイントについて
書いていきます。

美味しい御飯

この小説で一番のポイントになるのが、
『料理』です。料理を作ることで、
あやかしが味方になっていきます。
身近だけど、一番大事な食事が葵の武器。

霊力はあるけれど、使い方を知らないので、
どんどんピンチになっていきますけど、
持ち前の負けん気と料理の腕で
危機を乗り切っていきます。

旅館のように、料理のお品書きも
書かれてあって、食べたくなるものも
ありました。

葵のキャラが良いのと、
どこか母性を感じる展開から人気なのも
頷けます。

料理で物事を解決する物語は
あまり見たことがなかったので、
結構新鮮でした。

魅力あるあやかし達

登場するあやかし達がすごく魅力的で、
鬼の大旦那様や雪女、狸の少女、
天狗の大御所、妖狐など、
多くの有名な妖怪が出ています。

みんな揃ってキャラが立っていて、
読んでいるだけで面白い。
シリーズを追うごとに新キャラが
追加されていきますけど、
キャラが薄いあやかしがいません。

大旦那と葵の関係

無理矢理婚約させられた感がありますが、
葵もどんどん大旦那に好意を寄せていて、
恋愛とも夫婦とも言えない信頼関係が
築かれています。

でも、もう一人の妖狐の番頭も出てきて、
ちょっとした三角関係にもなってきています。
葵の過去もまだ明らかになっていませんし、
二人がなぜ結婚しないといけないのか。
その真相が早く知りたい。

時折除く冷酷な気配

あやかしをテーマにしているだけあって、
人間に好意的な妖怪だけではありません。
時折、冷酷な描写も出てきて、
一歩間違えれば、葵も生きていないはず。

そんな怖い世界なのですが、
葵に好意的なあやかしが多いので
誤解しがちですけど、
本来は危険性の高い世界。

そのギャップも面白い一因なので、
これからのシリーズの展開に期待したいです。
どう考えても、葵の過去と葵の祖父に
大きな関わりがありので、気になります。

老舗宿を応援したくなる

現実にある旅館のことをイメージしてしまう
本作。老舗宿を舞台にしているだけあって、
働く苦労も感じることができます。

お客さんとしてではなくて、
従業員としての視点なので、
社会人から見ると、葵を応援したくなる。

夕顔という料理のお店を出して、
何とかかくりよで生き抜く葵。
割と過酷なはずなのに、
大旦那様が絶対に味方なので、
大いに安心があります。

おわりに

1巻が出版された頃から読んでいる作品で、
思い入れがある小説です。
ライトノベルに近いですけど、
設定が面白くて、
時折見せるあやかしの怖さが光ります。

かなり伏線が張られているのですが、
どれも興味深いものばかりなんですよ。
著者の友麻碧さんの
『浅草鬼嫁日記』にも少し繋がっていて、
世界観の広さを感じさせてくれます。

アニメ化も決定しているので、
とっても楽しみ。

 

運命の本に出会うための方法について気になった10コのこと

はじめに

本を選ぶのって難しい。
何を読んでいいいのか分からなくなる時があります。
そんな時には、役に立ちそうな良い記事がありました。
本を選ぶ際に、かなり便利な方法だと思います。

tabi-labo.com

運命の本に出会うために

自分の好きな分野を把握する

本を選ぶならまずこれなんですよね。
自分は何が好きかをハッキリ分からないと、
本を選ぶ基準がないので、
迷いに迷った挙げ句に変な本を掴んでしまいます。

確かに自分の好きな分野って分かり難いです。
映画とかドラマが好きなら原作本を読んでみる。
映像が頭にあるので、サクサク読めます。
同じ作者や作風、ジャンル繋がりで
好きな分野を開拓していけます。

本好きだともっと早くて、
逆に苦手な分野を知ってみるといいですよ。
自分とまったく違う考えに出会えますし、
知識も増えるから意外とオススメな方法。

 

今の自分を把握する

本に出会うなら、自分が何をすべきかを考える。
資格取得か、趣味の幅を広げたいのか、
それともメンタルを回復させたいのか。
選ぶ本ってその人の状況で違ってくると思います。

何にも考え無しに本を選んでしまうと、
後悔してしまうことが多いので、
今の自分の状況をはっきりと認識して
選ぶことで、何が必要かが分かってきます。

でも、この方法は向上心がある人向けのやり方で、
何も読みたくないということもあります。
そんな時には、読みたくないということを確認して、
心を休めた方がいいと思います。
気合を入れて本を読んでもしんどいだけなんで。

 

表紙を見て選別する

少し疲れている時にオススメな方法だと思います。
自分の直感を信じて選択するやり方で、
しんどい時だからこそ、無意識に読みたい本に
手が届いてしまう現象。

ちょっとオカルトっぽいですけど、
何気ないチョイスが自分の人生を少し変えてくれます。
特に小説などイメージがしやすくて、
手軽に読める本に使うといいですよ。

ただ、最近のビジネス書などは、インパクトのある
タイトルだらけなので、逆に後悔することもあります。
買ってみたら、前に買った本を似た内容だったとか。
大人しくベストセラー本を買うのが
いいのかもしれません。

 

1冊の本を真剣に選ぶ

真剣に選ぶことで、本当の一冊が見えてきます。
ただ、これは読みたい分野がしっかり決まっていないと
勝っても後悔だけしかしないので、
ある意味で、危険な本の選択方法。

専門職の人は普通にやっていることかもしれません。
自分の分野のバイブルを徹底的に読み込むことが
多いですから。1冊の本の威力はすごい

教養を深めたいとか、学問をしたいとか、
ビジネスで成功したいとか、徹底された目的が
あってこその方法だと思います。

 

プロがオススメする本を選ぶ

一番簡単な本を選ぶ方法だと思います。
その道のプロが選んでくれているので、
乗っかるだけで、良い本を選ぶことができますから。
ネットなどを使って、有名人が読んだ本を
本屋やネットで検索するといいです。

趣味の世界だと割と一般的な方法だと思いますけど、
本を選ぶ際でも同じことです。
その道の専門家が選ぶものには外れは少ない。

何か勉強したいとか、学びたいと思った時には
この方法が一番だと感じます。
ダイエットとかスポーツとか、プロの言ったことを
真似ていきますからね。

 

友達が読んでいる本を選ぶ

高校生とか、友達が読んでいる本を
貸してもらったり、買ったりしたことありませんか。
読書で選ぶ基準が友達でも全然不思議じゃないです。
むしろ、趣味の幅が広がる一つの要因です。

高校生や大学生の時に、友達が読んでいたり
した本を買ったことがありますけど、
かなり印象に残っています。
面白くなくても、楽しかった頃のイメージが
残っているので、割とビックリしますよ。

身近な人が持っている本を自分も買って、
そこから新しい知識が増えたりします。
人から受ける影響は結構大きいですけど、
友達でもそれは同じことなんですよね。

 

専門分野ならバイブルを読む

専門分野を学ぶなら、その道のバイブル的な
ものが必ずあります。
一つの分野を極めたいといった時には、
1冊のバイブルを読んでみましょう。

難しくて時間もないという時には、
解析書なるものも出版されていることも
多いので、それを参考にして読んでいくといいです。

バイブルはその分野で著名な本なので、
読んでいると、専門知識が付いていきます。
仕事だけでなくて、趣味の本も専門書なので、
趣味の幅を広げたい!という時にぜひ。

 

ブログでオススメされている本を読む

私がよくやっている方法です。
ブログなどで紹介されている本を読んでみる。
難しい本、読みやすい本は一先ず置いておいて、
面白そうな記事だったら読んでみます。

当り外れはありますけど、
意外にサクサクと読み進めることができます。
紹介記事があるので、ある程度は内容が頭にある
状態なのがよいのかなと。

数多くのブログがありますけど、
本好きなら書評ブログとか紹介ブログなど
何個か知っているはずなので、
本を買う時に迷ったなら、ブログを参考にすると
良いと思います。

 

自分だけのフィールドを持っておく

仕事でも趣味でも、自分だけの強味を持っておくと
本を選ぶ際にも大きな武器になります。
迷った時には、これ関係の本は絶対に買う!!
という分野を持っていれば、迷うことはないです。

私の場合は、小説や専門書なんですけど、
好きな作家や興味ある分野が頭にあると、
勝手に本の場所に行くことになります。
迷ったらこう!と決めておけば、
本屋でウロウロすることは少なくなります。

ただ、この方法は上級者向けで、
自分の興味ある分野や仕事がしっかりと
決まっている人にオススメです。
趣味に没頭している人にバッチリ。

 

まったく知らない分野の本を選ぶ

自分が知らない分野の本を読むと
意外に人生を変えることになったりします。
小説でも、ビジネス書でも、専門書でも
直感で買った本で、知識の幅が広がっていくことは
よくあることだと思います。

私の場合は、小説で、本屋でふと買った本で
読書にハマってしまい、毎月5冊以上は読むように
なりました。
ちょっとしたきっかけで習慣は変わります。

知らない本は、確かにストレスがあるんですけど、
疲れたときやリラックスしている時に読むと
すーっと頭に入ってきて、見方が変わることに。
ちょっと難しいですけど、効果はテキメン。

 

おわりに

運命の本に出会うのは、まさに『運』
だからこそ、しっかりとした方法を持って
準備はしておきたい。
私は今回気になったことを一つでも実践すれば、
興味深い本に出会うと思います。

伊坂幸太郎のオススメ小説作品ベスト10

はじめに 

伊坂幸太郎さんは人気の作家です。
私も好きな作品が多くて、伏線が見事です。
魅力的なキャラクターが多いのが特徴。
そんな伊坂作品を厳選して紹介します。

伊坂幸太郎作品10選

ゴールデンスランバー

大きな国家権力から逃走する主人公。
実写だと堺雅人さんが演じられていました。
無実を証明するという王道展開ではなくて、
ただひたすら逃げ続けるのが特徴の作品です。

王道展開にしなかったのは良かったと思います。
確かに、権力に真っ正面から反抗するという展開は、
伊坂作品に少し違和感がありますし、
逃走劇だからこそ、伊坂さんの魅力が全開になります。

私としては、最後には一矢報いてほしかったですが、
中々難しい。ある意味で、騙したわけなんですけど、
悲しいエンディングなのは変わりません。
文庫版だと少しは救われて良かったとは思いました。

 

死神の精度

短編集なのですが、話に繋がりがあります。
最終話は、これまでの伏線が消化されて、
まさか、あの人物が調査対象だったのかと思います。
主人公の死神は、人の「死」か「見送り」かを
判断し、その過程がメインのストーリーになります。

中々に難しいテーマですけど、
音楽好きという属性のある死神。
調査する人々は多くが愛を抱えて生きていました。
短編ながら心に残る話が多い名作。

私が好きなのは、中盤の純愛の話と最終話の
老婆の話。ある繋がりがあり、人の死、愛について
考えさせてくれます。
非常に重いテーマですが、キャラが活き活きと
していて、読んでいて爽快感があります。

 

陽気なギャングが地球を回す

タイトル通りに、陽気な4人の強盗の話。
ターゲットは銀行で、特殊な能力を持つ
4人が逆に事件に巻込まれて、右往左往しながらも
自分達で切り開いていくストーリーになっています。

キャラ作りが見事で、4人とも非常に濃い。
強盗団が主役なんですけど、洋画のようにノリのよい
人物だらけで面白かったです。
強盗団と聞くと怖いですけど、かなりの部分がコミカル。

私としては、続編も好きなんですけど、
本作が一番好きです。初期の伊坂さんの作風であり、
キャラが立っていて、読んでいて楽しくなります。
実写映画もありますけど、テーマがちょっと異なって、
別キャラになっていますが、それはそれです。

 

週末のフール

小惑星の衝突が確実になり、
8年後には地球は滅亡する。
そんなSFのような世界観から始める物語です。
暴力や略奪という恐怖が沈静化した世界。
嵐の前の静けさの中で、人々は何を思うのか。

滅亡が確実になっている地球でも、
人々は懸命に生きています。
その中で、復讐、家族、自分など
色んな人の人生模様が描かれています。

最終的な結末は分かりませんが、
ラストの光景は非常に印象深かったです。
滅亡するからこそ、美しさを大切にする。
残酷な描写もありますが、
それでも人は懸命に生きていく。

 

ラッシュライフ

4人のキャラクターを中心に話が進んでいきます。
序盤とラストにもう一人の話が出てきますけど、
それまでの4人の話をイメージしておくと
色々と思うことがありました。

伊坂作品の人気キャラの黒澤が初めて登場した作品で、
重力ピエロやポテチなどで活躍します。
空き巣なんですけど、カウンセラーの才能もある。
探偵役が一番似合うのですけど、それも副業扱い。

伊坂さんの作品で、一番最初に読むといい作品。
伏線が見事で、4人のキャラが上手いこと
立ち回っていて、話が崩壊していませんから。
特に、序盤の黒澤の話を、読んだ後に思い返すと
すっごく印象に残ったりします。

 

フィッシュストーリー

私の好きな伊坂短編集です。
タイトルのフィッシュストーリーとポテチが秀逸。
人の信念・正義が世界を救うフィッシュストーリーと
家族の複雑な愛情がテーマのポテチが素晴らしい。
ポテチは子供って親が思う以上に、親のことを
想っているということを伝えてきます。

ポテチはタイトル通りに、
ポットチップスが大きな意味を持っています。
例え、食べたい味と違う味でも、
案外良いもの……。
最後まで読むと、結構くるものがあるんですよ。

この作品は、これまでの伊坂作品のキャラが
数多く登場します。黒澤は2作品に出てきますし、
サブキャラも同じ。
ラッシュライフとオーデュボンの祈りを読んでいると
結構分かると想います。

 

アヒルと鴨のコインロッカー

実写化された、不思議な物語。
叙述トリックで、ラストのすべて分かるんですけど、
そこまでが長いので、途中で飽きる人も
多くなるかもしれません。

若者の残酷な描写もあるので、中々に怖い作品。
現在と過去の話で、二つの物語が最後に重なる。
読んだ後は切なくなること必死で、
たくさんの感情が芽生えてきます。

ブータンから来たドルジというキャラが素晴らしい。
本当に頑張ったという他に言うことがない。
大切な人の魂と想いを守るために戦う。
ラストの展開は本当に感動もの。
こういう話に私は本当に弱い……。

 

重力ピエロ

家族とは何か、親とは?兄弟とは?
を投げかける作品です。
主人公の弟の春の生き方が非常に印象深い。
父親のため、母親のため、兄のために
自分のすべてをかけて戦う。

初期の伊坂作品でも人気の高い小説で、
家族をテーマにしているだけに、
話は非常にシリアスでとても重い話になっています。
血とは何か、遺伝とは?を読んだ後に考えました。

主人公と弟・春の出した答え。
終盤の二人の父親の台詞は本当に心に残ります。
この作品で一番強いのは、二人の父親でした。
血は繋がっていなくても、子供は親に似る……。

 

あるキング

野球を題材にした作品で、明らかに仙台の
某球団を参考にしています。
出版された当時は、まだ弱くて、
日本一になるのは、4年後でしたからね。

私は完全版を読みましたけど、
全部読むのは結構しんどかったです。
伊坂好きには、3つ目の作品だけで十分だと思います。
1つ目と2つ目は文学的すぎてキツかった。

内容的にはとても面白くて、
野球が上手さよりも、人間性が重要な
日本の野球界を上手に表しています。
やっぱり、スポーツは人間性も重要なんだなあと。

 

モダンタイムス

あるキーワードを検索することで、
巨大な権力によって、罰が与えられる
といったストーリーの作品です。
ゴールデンスランバーに似た雰囲気を持っています。

主人公の奥さんが強烈で、
美人なんですけど、本気で怖い。
浮気する主人公もどうかと思いますけど、
特に前半の奥さんが最強すぎてビックリしました。

伊坂さんの『魔王』のある意味でも続編になっていて、
魔王を読んでいるとすごく楽しめます。
魔王の時点でこの作品のラストが
予見されていますから。
私の一番好きな作品です。

 

おわりに

伊坂さんの作品はクセが強いものが多いです。
ただ、実写化された作品が多いので、
それを見てから原作を読んでみるといいと思います。
過去作品のキャラが再登場したりするので、
数多く伊坂作品を読んでいると、大いに楽しめます。

【読書】仕事に役立つオススメビジネス本ー厳選10冊

はじめに

仕事をしていると、何か参考にしたくなります。
そんな時に、やる気が起きてストレス発散できたり、
ビジネスのイメージがしっかり残るというような、
ビジネス書を厳選して、紹介していきます。

ビジネス書10選

7つの習慣

古典的なビジネス書で、どこでも必ず売っています。
数多くの自己啓発書の参考文献とも言える本で、
結構、分厚いですけど、参考になる部分があります。
ビジネス書の基本とも言える本と言えます。

全世界で3000万部以上も売れた本であり、
今でも売れ続けているので、その人気ぶりが窺えます。
習慣化をテーマにしていて、成功とは何かということを
根拠を交えて、シンプルに解説してくれています。

しかし、海外の書物の訳書なので、少し読み難い。
多少の知識がないと、かたい文章なので
その文章で圧倒されてしまいます。この1冊だけ
読むよりも、解説書と一緒に読むといいかも。

 

自助論

原著は19世紀に出版された、自己啓発の原点。
日本だと、『西国立志編』と訳された書物です。
ヨーロッパなどの著名な人物が実践してきたことを
まとめてくれていて、いまだに売れている本です。

自分を助けることができるのは自分という言葉。
努力や観察眼の重要性について書かれていて、
学びとは、仕事とは何かを説いています。

アスリートや企業の社長なども読んでいるそうですが、
一般の人でも十分学びになる部分はあると思います。
文庫サイズも出版されているので、中々に読みやすい。
繰り返し読むことで新しい発見があると思います。

 

思考は現実化する

自己啓発書・ビジネス書として、非常に有名な本です。
タイトルだけ見ると怪しい本に思えますけど、
20世紀から売れ続けている本であり、
しっかりと理論と実践に基づいて書かれています。

ある意味で、自己啓発書のマニュアルであって、
読みやすさを重視した本ではないです。
1930年代に出版されたビジネス書であり、
訳書なので、そう簡単には読めないようなっています。

内容は少し難解なので、専門書に近い内容です。
実践するのも大変で、余裕がないと継続は厳しい。
続けるだけのやる気と精神力があれば、
この本を一読しただけで成功できるとは思います。

 

非常識な成功法則

ビジネス業界で有名な神田昌典さんの著書。
買った当時は神田さんのことはあまり知りません
でしたが、結構な本を出されているので
気にはなりました。

日記や手帳に夢や目標を書くというやり方は
上手いなと思いましたし、
割とビジネスマンが実践しやすい内容になっています。
内容も難しくなく、ビジネス書の最初の一冊に。

成功哲学などはあまり書かれていなくて、
実践的な、現実的に使える手法が書かれているので、
今日からでも実行できる内容がほとんど。
タイトルは少し怪しいですけど、内容は基本的。

 

嫌われる勇気

青年と哲人の対話篇という形で話が進んでいきます。
アドラー心理学の入門書とも言えて、
私達は「ああ、あるある」と思える内容だらけ。
アドラー心理学の専門家が書かれているのですが、
専門書というよりも、ビジネス書よりも書物です。

タイトルとアドラー心理学の内容から、
日本だとベストセラーになって、話題になりました。
ドラマにもなったぐらいで、
日本人の社会にメスを入れるインパクトがあります。

自分と他人に対して正しい理解の仕方がテーマですが、
対話形式なので、小説のように読むことができます。
ビジネス書の中でも、割と簡単に心理学の一つを
学ぶことができるのはこの本のメリット。
アドラー心理学に興味を持った人も多いはず。

 

ザ・ゴール

昔、友達に紹介されて読んだ本です。
小説形式になっており、ビジネス書の中でも
読みやすい本になっています。
主人公が問題を改善していく工場は
車業界のイメージで読んでいました。

経営者視点の本なので、管理職向けの本です。
問題に対して、色んな人の意見や情報を参考にして、
解決していく姿は、企業の社長そのものですから。

マンガ版もありますけど、活字好きだとこちらです。
マンガでもストーリーを追うことは十分可能なので、
時間がないとか、活字読むのがしんどいという方は、
コミック版が良いと思います。
ザックリ分かるだけでも発見はあると思うので。

 

プロフェッショナル・マネジャー

ユニクロの柳井会長がユニクロを成長させるときに
多いに活用した本だそうです。『バイブル』とのこと。
絶版になっていたのが、柳井氏の希望で復刊しました。

ハロルド・ジェニーン氏の経営についての本で、
厳しいビジネスの現場を体験、突破してきた歴史と
ノウハウがつまっています。

内容は専門的なので、解説書を読んでもいいですよ。
日本の一流経営者が参考にした本は感じる所が
多いですから。

 

FREE<無料>からお金を生み出す新戦略

一時期ネットで話題になっていた本です。
ネットビジネス黎明期の頃に、
無料で収益をあげる方法が取り沙汰されました。
ネットでビジネスを構築したいという方向け。

実際には、すべて無料ではなくて、
入り口だけ無料にして、
興味を持ったら、商品を買ってもらうという流れ。
化粧品などの体験商法に似ている部分があると思います。

この手法を大きくしたのがGoogleでしょうね。
無料とは思えないサービスがたくさんありますから。
ネットでのビジネスを考えたり、
問題点を追求したいなと思った時に読むといいですよ。

 

ロジカル・シンキング

ロジカルに考えることは、
学生の就職活動でも要求されること。
ただ、それを具体的に書いている本が少ないのですが、
この本を見ると、理論的に把握することができます。

マッキンゼー的論理的思考の手法が
紹介されていますけど、専門書なので
しっかりと読み込まないと理解は難しいです。

ただ、プレゼンなどに役立つことがあるので、
手元に置いておくといいと思います。
ロジカルにシンプルに説明したいという場合に
力を発揮しますから。

 

生き方

日本を代表する経営者の稲盛氏の生き方。
企業経営する上での心構えなどが書かれています。
考え方と能力の関係が成功に繋がると説いています。
日々感謝の心も大事という基本的なことも。

京セラを創業した稲盛氏。
生き方について、人として正しい道が大切だと
書いています。
松下氏と被る所がありますけど、
経営者とは?について一つの回答をしています。

文庫サイズで読みやすいですし、
内容も分かりやすい。
働いている社員についても詳しく書かれており、
経営者の視点はどういうものかを知ることができます。

 

おわりに

今回紹介しました本達。
内容的に難しいものもありますけど、
仕事に何かの時に役立つと思います。
特に自助論はメンタル的に強くなるので、
オススメです。