人生のおつまみ

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仕事ができる人はすごいと思うけど、努力以外に人間関係の兼ね合いもあるから真似は難しいー『ラッシュライフ』と『嫌われる勇気』を読んで

 伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』を読みました。4人+1人の主人公がいて、それぞれが絡み合いながら、伏線が回収されていくのが気持ちよかった。人間にとって本当に大事なものは何かを考えさせてくれます。ダークな雰囲気もありますけど、読んだ後には、爽快感が残るようになっています。その中の主人公の1人の「黒澤」は空き巣なんですけど、自分なりのプロ意識を持っていて、仕事できる人の雰囲気があります。後の作品では、探偵をしていますから、情報収集能力はすごく高い。そんなことを考えていると、仕事できる人ってすごいなあと思ってしまいます。黒澤は、徹底的に入る家の情報を集めます。家族構成や時間などをしっかりと把握して、痕跡を残さないように逃げる。ある意味で彼なりの美学なんでしょうけど、仕事ができる人って何かしらの美学を持っている思います。カッコいいとかではなくて、自分の仕事に対する美しさ、やり方、努力の方向性など。それをしっかり持っているからこそ、しっかりとした仕事ができるわけで中々真似するのは難しい。仕事で真似するのもいいですけど、美意識や努力の方向性の違いもあって、上手いかないこともしばしばあります。

 

仕事をできる人を見ていると、すごい努力家ですし、勉強家。家に帰ってもしっかりと勉強しています。私の場合の技術系なのですけど、毎日勉強しないといけないので、割と大変。別に技術系以外でも、業種特有の勉強をしないと昇進とか昇給などしないわけなんで、それはしっかりと学習しないととは思います。でも、そこには運の要素もあって、担当する仕事内容や人間関係などもあって、同じような環境で成長するのは無理なので、自分なりのやり方を見つけるしかないですね。先輩が非常に友好的で、色々と教えてくれるのならいいですけど、最初から「考えろ!」だけ言われて放置プレイになると、仕事は進みません。やっぱり、人間関係に運の要素があります。最初から仕事ができるならいいですけど、ほとんどの場合はそうではないので、何かしら真似しないと上手くいかない事が多い。その中で自分の考えをプラスさせていけばいいのですが、そこまで行くのが難しいんですよ。努力していても、方向性を決めるのが、人間関係だと思うので、結構怖い。友人は、企業によっては最低限の知識すら教えてくれないこともあるので気をつけるようにと言っていましたが、入社の時点で運の要素があるのってキツいですね。

 

 仕事って人間関係が良くないと上手くいかないことが多いですし、自分の成長って割とそれが重要だと思います。人間関係が悩みの本質と『嫌われる勇気』では書かれてありました。自分ではどうにもならない部分なので、自分ができることをしながら仕事をするしかない。もし、どうしてもダメな関係なら、転職を考えるとか、一度辞めて実家に帰るとか、キャリアを積むために我慢するとか色々あるんで、しっかりと自分で考えることが大事だと思います。仕事ができるようになるためには、しっかりと勉強したり、経験を積んだりするのも大事ですけど、運の要素の人間関係がダメな場合には、自分の道を決めれるメンタルと度胸が必要になります。人間最後の部分は度胸と根性と気合なのは少し納得がいかないですけど、運次第な部分の所は、自分のメンタルに切り抜けるしかないですよね。仕事ができる・できないはこのメンタルの部分が大きいのかもしれません。まあ、メンタルが強い人は、人間関係を無理矢理改善できたりするんで、チートの類いではありますけど、私が論点としているのは、どうやって、仕事ができるような人材になるかの話なので、天才は放っておきましょう。自分なりのメンタルレベルでできることをしっかりやっていくしかない。

 

 ラッシュライフ』では、裕福な画商から独立しようとして、失敗した画商が出てくるんですけど、強力な力の前では、人間って無力だと思います。企業だと、幹部クラスとか管理職に歯向かうと碌なことはないですし、閑職に飛ばされることもあるでしょう。改善するために内部告発をしたら、仕事量を減らされて給料が下がるというのは今でもありますし、中々に難しい。運も実力の内とは言いますけど、一つの意味としては、上司や同僚とは上手い関係を築いて仕事をこなす人が成長するという意味だと思います。まわりの人間が協力的なら困った時に相談できますから。本当に、仕事って人間関係がポイントになりますよね。高圧的な態度の上司で、コネなどの力を持っていると歯向かうのは難しいですし、そんな時は転職を考えたいですが、学歴や結婚、恋愛、家族などを考える、一概にはそうは言えません。強い力の前にどう出るか。そこも試されていますよ、実際問題として。最近は、転職のイベントも非常に多くなっていますけど、専門知識や専門分野がないとよい条件の企業に行くのは難しいのが現実としてはあります。まあ、給料が多少低くても、良い人間関係の企業に行けば、余裕が出来て成長できる可能性もあるので、若いうちはそっちの選択の方が魅力的なのかもしれない。

 

 人間関係で困っているなら、『嫌われる勇気』を読んでみると良いと思います。人間関係についても書かれていて、ベストセラーになったのもうなづけます。悩みは人間関係についてのものがほとんどというのは理解できますし、逃げることはできません。昔は学者は専門分野だけに集中できた環境があったらしいですけど、今は講義や事務業務に追われて研究時間が減っているというニュースを知ったので、ほとんどの職業で人間関係って切っては切り離せないものになっていると思います。嫌われてもいいというのは暴言だと思いますけど、嫌われても仕事の成果が十分出せるぐらいなら、必要な人材になります。けれど、そこまで行き着くのが問題なわけで、人間関係について振り返ってみて、自分の将来について考えるのがいいかなあと。『嫌われる勇気』には、今、この瞬間を生きろとも書かれてあるので、前を向いてしっかり歩いていきたい。過去を振り返ってもネガティブになるだけですし、過去だけを自慢できる人にはなりたくない。現在・今が一番大事だと思います。