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【読書・感想】『いま、会いにゆきます 市川拓司』ー男女愛、家族愛をテーマにした小説

話題になった恋愛小説です。主人公の秋穂巧と息子の佑司の元に、死んだはずの妻の秋穂澪が戻っていき、短い間ですが再び家族で過ごすという物語。恋愛要素とSF要素、ミステリ要素が盛り込んであって、男性が見ても楽しめる作品となっています。ベストセラーにもなり、映画化もされました。巧と澪を演じた、中村獅童さんと竹内結子さんが結婚したことでも話題を呼びました。当時流行していた純愛ブームにも乗ってかなり売れた作品です。

 

巧は市川さんの描く主人公らしくて、どこか頼りない雰囲気がありますけど、芯が強く、強い男性です。澪もかなり大きな決断を下して、巧と同じぐらい強い女性です。恋愛が8割ぐらいで、SFとミステリが2割ぐらいを占めている作品で、特に終盤の展開は涙を誘います。女性視点から見ると、巧は草食系男子みたいですけど、純愛小説の登場人物としては、最高だと思いました。魅力ある登場人物です。

 

終盤の展開は本当に良かったです。澪の大きな決断があってこそのエンディング。私がもし澪の立場だとしても、同じことができたかどうか。男女愛、家族愛をテーマにした作品の中でも分かりやすい愛の形。作者である市川さんの色も強くて、登場人物にクセはありますけど、傍若無人な人は出てきません。とっても優しい小説であり、ベストセラーになった理由も分かります。疲れている時に読むと、ストレスが発散できて、優しい気分になることができますよ。

 

10年前以上前の作品ですが、今読んでも感動して楽しむことができます。『君の名は。』が流行したので、恋愛やSF系の小説は共感しやすいと思います。ただ、私は学生の頃に読んだ作品なので、感想として、多少美化されているとは私は思います。物語を振りかえると、巧はもっと肉食系男子になった方がいいとか、多くの女性なら澪と同じ決断はしないだろうなとか。大人になると、男女の関係って複雑になりますし、ドロドロした感情も沸いてくると思います。それでも、理想の想いというのは持っていたいとは思いますが。